患者さんはインプラント治療にまだまだ不安感、不信感を抱かれています。
この患者さんは13年前に受診され、抜歯即時荷重インプラント手術を受け、セラミック冠を装着して、とても快適に過ごされていたそうです。
13年前がちゃんと証拠写真として残っていました。
実際、残念ながらインプラントを金儲けの方法としか考えてないのでは?と疑ってしまうような所業をしているとしか思えない所もありますので、あながち否定はできません。
しかし、インプラント治療はちゃんとしたことをやり、口腔内環境を整えて、医療側と患者さん両方が手を携えて取り組めば、とても良い成果を得られる、と言うのも間違いのない事実です。
この患者さんは13年前に受診され、抜歯即時荷重インプラント手術を受け、セラミック冠を装着して、とても快適に過ごされていたそうです。
13年前がちゃんと証拠写真として残っていました。
さすがにお年を取られたので、歯の色の変化はありますが、インプラントは本当に何事もなく良い状態を保ち続けて来ました。
実は、このようなインプラント治療は最近流行りで、良く専門誌とかにも出されています。
私自身も2007年から、歯科の専門誌に現在までインプラント治療の解説を連載し続けています。
このような審美部位への抜歯即時荷重インプラント治療は、当然患者さんは強く望まれるモノです。
しかし、私がこのインプラント治療を手掛けていた頃は、このような危険な一か八かのインプラント治療はするもんじゃない、と強くエビデンスから言われました。
その頃、正確には私が抜歯即時荷重インプラントを手掛け始めた20年前のインプラント治療は、直ぐに仮歯を取り付けるなんてできない、してはならないと言うのがエビデンスでした。
なので、インプラントを埋めたらそのまま蓋をして歯茎を閉じて埋め込んで治るのを待つ、と言うのがエビデンスで言われていたインプラント治療でした。
私も愛用しているストローマンインプラントの先生達は、その頃でも歯茎から蓋が突き出ているやり方を推奨していましたが、それも当時は少数派だったのです。
インプラントは埋め込んで歯茎閉じて治るのを待つ、それがエビデンスでしたから。
そして、インプラントが骨に付いただろうと思われる時に歯茎を切り開いて、貫通させるような蓋、アバットメントを締結して歯茎が治るのを待つ、歯茎が足りない時には口蓋の歯茎を切り取って移植したりして増やす、と言うようなことも同時にしたり、後からしたりしてました。
エビデンスに基づいてインプラント治療を行うと、今でも厳密にそのように為されてる先生も少なくない、と思います。
しかし、それだと患者さんはなかなか仮歯が入らず、すきっ歯のままでいるとか、部分義歯を使うとかで不自由を強いられてしまうことになる訳です。
私はそれでは患者さんが可哀想だから何とかならないか、といつも考えていました。
できるだけ早く歯が入れられることはできないか、とです。
そして、2000年に恩師ラム先生に出会い即時荷重インプラントと言う手術したその日から仮歯を取り付けられるインプラント治療と出会い、本格的に取り組むことになったのです。
それは全て患者さんの望みをできるだけはやく叶えてあげたい、と言う強い思いからでした。
しかし、時代はエビデンスから私のような取り組みをする者にはとても大変な逆風にも立ち向かうこととなったのです。
一言では言えないくらいに大変でした。
素直に書くと、20年間の恨みつらみが相当に積み重なっています。
そして時代は流れ、今では流行の最先端かのように抜歯即時荷重インプラント治療をして、それも審美部位でもすることが喧伝されるように変わりました。
正直に書けば、あの頃ずっと私を叩き続けて来た人達は私に一言謝って欲しい、と思ってます。
が、誰一人としてそんなことをされた方はいません。
そんな業界であることは、私の個人的経験を通じて明言して、公的にもこうして残して置きます。
私はひたすら患者さんの幸福を願い、望みを叶え、幸せなそれからの人生を送って欲しい、と願って即時荷重インプラント治療に取り組んで来ました。
インプラント治療は、それが目的ではありません。
上手く行って、そこから始まる人生が幸せでなければならないんです。
その為にちゃんとしたことをちゃんとしてインプラント治療を成功させて、もうそのことすら普段は忘れてしまう、そんな治療にしなければならないのです。
即時荷重インプラントに取り憑かれると、ただ固定式の歯が直ぐに入りさえすれば良い、と短絡的に考える方もいます。
しかし、固定式の歯が入ればそれで全てOKではないんです。
こことても大切なことで、患者さんは専門的で分かられないことなのかも知れませんが、歯はただ固定されれば良い、と言うモノではないんです。
写真の例の患者さんはとても自然な感じで歯が入ってますよね。
でも、ただ固定されてれば良いでとんでもない位置にインプラントが立ってしまい、そこから無理やり歯を作ると自然観のある治り方はしないんです。
ここ専門的にとても大切な所なんです。
簡単に言えば、歯並びがとても悪い感じで治されたら嫌ですよね。
その後の人生が憂鬱になってしまうと思います。
その後の人生も幸せな為には、自然な感じに仕上げること、がとてもとても大切なんです。
そして、それを患者さんは望まれてる、と思います。
それを残されている顎の骨、歯茎、顎堤、上下の噛み合わせ関係、前後左右のお顔の関係で再構築しなければならないんです。
残念ながら、その美的感覚を養われてる専門家は少数派だと思います。
生意気ですが、私がそれなりに綺麗だと専門家の方々からもご評価いただけるのは、その点をお師匠様に叩き込んでいただけたからです。
お師匠様に叩き込んでいただいたのは総義歯治療でしたが、その美的感覚が全てに生きているんです。
患者さんは、当たり前のように自然観ある綺麗な感じに治して貰える、と信じられてます。
でも、それはとても残念なことに普通の歯科治療ではそうではないんだ、と言うのが事実なんです。
インプラント治療でも、それは同じです。
固定式の歯で噛めるようになったんだから良いだろう、がごく普通なんです。
それらに対して、私は20年以上そうじゃないんだ、それでは患者さんは可哀想だ、と言い続けて来たんです。
即時荷重インプラント治療もその一環です。
できるだけ早く楽に成果を得て欲しいから、患者さんにその後の幸せな笑顔になれる人生を送って欲しいから、即時荷重インプラントなんです。
審美と機能を満たし、やって良かった、歯で悩むことがなくなった、幸せな人生送れてます、と言っていただけるインプラント治療が、私の願いです。