昨夜ある方のお話を伺い、腫れを抑えることがやはりとても大事なんだ、の学ばせていただきました。
私が腫らさないことにこだわりだしたのは、2003年からです。
恩師ラム先生の薫陶を賜り、今までのやり方と全く違う手術のやり方、考え方に目が開きました。
始めは痛くならないこと、に徹底的にこだわっていました。
ラム先生の術後の患者さんが、とても楽で痛くないよ、と言っていたからです。
痛くならない手術後の経過は、その当時殆ど考えられないことでした。
どんな名人、凄腕が手術しても、やはり痛み止めは要るし、投薬に頼らなければならないのが現実でした。
それが痛み止め要らない、と言う患者さんまでいて、これはなんだ!凄い!と感激したのです。
そこから私のラム先生の理念を実現する外科手術をどうしたらできるのか?の探求が始まりました。
そして、それを追いかけて行った時に腫らさなければ痛がられない、と言うシンプルな事実に行き着いたのです。
腫らさないようにする工夫を、ひたすら創意工夫して行きました。
当時周りの外科のスペシャリストの先達にお伺いしても、そんなこと考えるのは無駄だ、できる訳ない、と言下に否定されまくったものです。
先達に教わらないから自分だけでやるしかなかった、と言うのが真実です。
失礼ながら、外科は直視直逹、明視野でやる、早くやる、が腕を上げること、とされていたと思います。
しかし、それではどうしても腫れるのです。
腫れればやはり痛みは強くなります。
当たり前です。
組織が血液とかが集まってパンパンに膨れ上がってる訳ですから、当然内圧が上がり神経や血管、組織が圧迫されてるんですから。
腫らさなければ内圧も高くならず、神経も圧迫されませんから痛みは出ません。
腫らさなければ、血流がスムーズに流れ、新陳代謝が順調に起こり治癒が早く進みます。
で、昨日の方の経験談で、腫れを徹底的に抑えたら、医師が理解不能なほど治った、機能回復した、と言うのです。
私はやはりそうなんだ、ととても嬉しくなりました。
生意気ですが、現代医学でもまだまだ分かってないことはいっぱいあるんです。
それまでの常識の延長でしか彼らも考えられないので、常識超えることやらかしたらどうなるのか?は知らないんです。
勿論、普通は医師の予想通りになる方が多いのでしょう。
でも、そうじゃない、真理が知られてなかった、と言うこともあるんです。
これは、私の経験でもそう思います。
即時荷重インプラントをやり始めた時に、そんなのできる訳ない、上手くいくはずがない、と散々言われました。
確かに従来の常識の延長からでは、そんなことできるの?と言うモノだったのでしょう。
しかし、細心の注意を払い、臨機応変の対処をし、丁寧緻密な治療を続けたら上手く行ったのです。
驚きでした。
一例を具体的に言うと、患者さんにも全面的に協力していただき、極端な話毎日でも来院していただいたりしました。
失敗してしまう可能性をしらみ潰しに潰す、と言うことをしたのです。
そんな無茶だろ、と言うようなことをしました。
現実的に考えて、とても採算の取れるやり方ではありません。
採算度外視です。
それまでの常識を覆すには、常識外のことをしなければできるはずがない、と思っていました。
だから、常識外のことを色々と創意工夫してやりました。
そうすることで、それまでの常識を覆すことができました。
それまでは成功率は60%が良い所だろうと言われていた中で、私は97%以上の成績をあげられました。
やって見たら、ちゃんとやれれば従来のインプラント治療の成績と変わらないじゃないか、が私の実感でした。
そうしたら、それを2004年のPRDに報告できたのです。
明らかに当時の常識を覆し、新しい時代の到来を告げるものでした。
だから、世界中何千の応募の中からわずか15人しか選ばれないと言う栄冠を獲得できたのです。
開催してる方に聞いたら3000、4000は応募が来る、と言ってましたから、合格率は0.005以下です。
競争率200倍以上です。
常識超えるには常識外のことを徹底してやるしかない。
私はそう思います。
その場合、個人で全責任を持って、失敗する可能性をしらみ潰しする、です。
で、腫らさなければ良い、と言う実例を昨夜聴かせていただけて、とても腑に落ちたのです。
18年前には非常識だ、と詰られたやり方、考え方が始まる、と明言します。
即時荷重インプラントの時と同様に、皆んなに広がるにはあと10年以上かかるのかも知れません…
そこはとても残念です。
と言うことで、私はこれから益々精進して、腫らさないから痛くない外科を創意工夫しながら極めて参ります。
新しい外科の時代が始まります。