啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「色彩あざやかに」

2022-01-26 18:41:27 | その他
「ロウバイ」
 安中市松井田町には、およそ12000本が植えつけられているという「ろうばいの郷」がある。30年前から地元農家が植えはじめ、「郷づくり」に取り組むようになったとのこと。過去に何度か訪れたことがあり、久方ぶりに広い園内をそぞろ歩き、早春の香りを愉しんだ。
 花期は12月から2月頃。中国原産の落葉低木。家庭でも栽培されている樹木で、散歩中甘い香りが漂ってくると「どこからかしら?」と、つい小さな黄色の花を探してしまう。書物によれば、花が陰暦、12月(臘月)咲くからという説もあるが、一方、花の色が透明感のある蝋細工の様で梅に似た花を咲かせるというところからの命名という説もある。
 花は、葉っぱより先に咲き直径2cm程度。種類もソシンロウバイ、マルバロウバイといくつかあり、花の形を観察すれば、比較的簡単に見分けられる。今回、現地で初めて見たのは原種。花色はあまり目立たなく地味目な印象だが、控えめで上品な香りが魅力的だ。
 ロウバイは、冬の茶花として貴重な存在で重宝しているが、やはり炉開きの頃の、照葉のついた枝は、なかなかの風情があり、花入れに一枝さすだけで、茶室の空間は一気に変わり、自然の美しさを受け入れ、愉しむことが出来る。
 ロウバイは、梅、スイセン、サザンカとともに「雪中四友」と言われ、寒い冬、香りが良いので人を惹きつける。

原種のロウバイ
コメント
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