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こうふくないちにち

2007年09月06日 | もやもや日記
風邪をひいて仕事を休んだ。
ところが、「休みます」と職場に連絡した途端に具合が良くなった。怠け者とか裏切り者という非難を受けてもやむを得ないと思いつつ、休んでしまったものは仕方がないので、せめて楽しく一日を過ごすことにする。

まずは内田百間の『大貧帳』を読む。珍しく最後まで読む。目から鱗。しみじみと悲しい話や美しい話もあるにはあるけれど、やはり大抵はにやにやが収まらない。帽子のエピソードが面白い。ちくま文庫から出ているこの本を買ってから初めて最後まで読んだので今まで知らなかったが、あとがきの後ろにさらに、百間先生の教師時代の同僚で作家の森田草平氏の随筆が付いていて、それが先生の帽子の話とちゃんと符号しているのでまた笑う。

掃除をする。
平日の昼間から掃除ができる幸福を、久しぶりに感じる。

夕方。実は休み休み読み進めていたため、このときになってようやく『大貧帳』を読み終えると、外で蝉が鳴いていた。一匹だけ、ほんの少しの間だけ鳴いていた。蝉はそれっきり鳴かないで、あとはカラスがいつまでも鳴いているのが聞こえている。


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