スパイダーキライダーマン

私は、ごく一般的な女性レベルに虫が嫌いです。
二代目、ごく一般的な感じで、我が家の虫退治係です。

が、二代目は何だか小さい頃のトラウマがあるらしく、クモだけは大っ嫌い。どんなに小さいクモでも一瞬彼がビクっとするのが分かるほどです。だから、我が家ではクモだけは私の出番。虫の中では無害な印象が強いので、窓際で見つけて、比較的時間に余裕があるときは、うまく誘導して逃がしてやるほどの余裕もあります。

就職活動をした夏。「とりあえず第一面接にお越しください」と言われたはずなのに、その日の内にいきなり役員面接にまで到達してしまい（入行してから、それが人事のやり方なんだと知った）、『実家から通える』が応募資格に入っていたので（今思えば、なんだそりゃ、って資格だけど）、「栃木ご出身のようですが…」と言われた瞬間に、「目黒に祖母がおりまして、同居予定です」と咄嗟に言ってしまいました。それから祖母に頼み込み、１年半、不思議な同居生活を送りました（よく引き受けてくれたと今でも思う）。

飲んで、夜中に帰宅し、電気をつけたら、突然黒い物体がビューーーンと空を飛びました。私は天地も裂ける悲鳴をあげ、祖母が寝室から箒を持って飛び出してきました。「おばあちゃん！」と助けを求めると、必死の形相で格闘、私に安眠の夜を与えてくれました（翌朝、遅い帰宅とセットで叱られたけど）。

愛情さえあれば、虫なんか怖くないさっ！二代目よ、これからもクモ退治は私が担当してあげるから、安心せいっ！

カメラ・カモフラージュ

おととい、いつもお仕事で伺っているホテルで開催された会合で、足唱の初谷先生とピアニストのＭ先生が数曲演奏されました。その会は、誰でも参加できるという訳ではなく（勿論、チケットが売り出されるものでもない）、以前もその会に撮影に行った二代目から「今日ね～、初谷先生歌うんだってよー（いーだろー、羨ましいだろー）」と電話が入って、私は家で「ちぇ」とふてくされていたことがありました。というわけで、今年こそは！と綿密に侵入計画を立て、無事拝聴（盗聴）してきちゃった（そーっと音響・照明機具のところに隠れていたのに、二代目が先生にバラしちゃったらしいが）。合唱団の友人には「ずっるーーい」とブーイングだと思いますが、私は先生の『サントリーホールで、愉快な仲間たちと何やら愉快な音楽会』も、『宇宙人コスチュームで出演のミュージカル』も、Ｍ先生の『素敵なピアノ・サロンコンサート』も、行かれなかったんだから、許してっ！

きのう、同じホテルで、実家の父が仕事で節目を迎えたことをお祝いして頂く会合が開かれました。二代目は父へのプレゼントとして撮影に行ってくれたのですが、私は遠慮していました。会合が始まって暫く経ったころ、同じ仕事に入っている弟からメールがきて、「来ちゃえば？大丈夫だよ」とのこと。『んじゃ、昨日と同じ作戦で忍び込んじゃおうっかな』と、スーツに着替えてすっ飛んでいきました。

そう。私はあのホテルで首からカメラさえ下げていれば、「あ、いつもお疲れ様でーす」と全く疑われることなく、会合に入れちゃうのです。いつもは仕事の相棒であるカメラ君が、２日連続で私の侵入に手を貸してくれました～。

あ、でも今後そのホテルでカメラを下げている私を見掛けたら、それはちゃーんとお仕事をしていますので、あしからず！


……二代目にこんなこと書かれちゃった→二代目の修行日記『潜入』

ヘルベルト・フォン・カラヤン

クラシック音楽に興味がない人でも、一回はその名を聞いたことがあるであろう、カラヤン氏。有名なオーストリアの指揮者です。

昨日、ゴハンが炊けるまでまだ少し時間がかかりそうだったので、「洗濯物でもたたみますかね」とソファに座ってテレビをつけたら、ちょうどＮＨＫのクラシックドキュメンタリー『ヘルベルト・フォン・カラヤン』という番組が始まりました。「あー、そういえばこの番組の予告編見たなぁ」と目を向けたら、結局１時間半、洗濯物の山に埋もれたまま、玉子をボールに割って放ったまま、釘付けになってしまいました。

「若い頃はハンサムだったんだなー」
「ジョークとか言う人だったのかー」
「バーンスタインとこんなに交流があったのかー」
「オケの録画にこだわっていたのかー」
「やっぱ、頑固だったんだー」
「やっぱ、自分の説は絶対曲げなかったんだなー」

……。興味は尽きることなく。

あと３０年？４０年？早く生まれていたら、生のカラヤンが指揮する姿を見ることが出来たのかなと、少し残念に思いました。これから、彼に関するモノを色々読んだり、聴いたりしてみよう。

「カラヤンの生前親しかった人」（というより、彼と同じベルリン・フィルの指揮者）として番組内でもインタビューに答えていたサイモン・ラトル氏なんかも、せっかく同じ時代に生きているのだから、機会を逃さず頑張って聴きに行った方がいいのかもしれないな。先日来日公演しており、そのときちょうど探していた『春の祭典』を演奏するということで、チケットを調べたものの「ひえ～。高いっっ！」と断念してしまったんだけど勿体無かったかな。

「この夏は、サイモン・ラトルみたいな髪型にしたい」とか、ふざけたことばかり言ってるんじゃ駄目だよね。

チャチャっと出来なきゃ！

銀行員時代の先輩が大ケガをしたという知らせを受け、メールで様子を聞いていても落ち着かないので、取るもとりあえず『押しかけ女房』してきました（洋服だけは「２泊分、２泊分」と唱えながらちゃんと持っていったのに、靴下忘れるわ、化粧水忘れるわ、歯ブラシ忘れるわ、パジャマ忘れるわ、どんだけ慌ててたんだか、と我ながら情けなく。でも、根津という先輩が住む町には『赤札堂』という、コンパクトだけど生きるためのモノなんでも売ってます！なお店があるので、問題ありませんでした～）。

で、「じゃ、ここは主婦暦１４年の実力をもって、今まで先輩から受けたご恩にお返しを！」と張り切ったのですが、私にはいわゆる『得意料理』がないことに愕然として。若い頃も、「この料理さえ作れば、どんな男だってイチコロです！」という武器も持たず、その後も「皆さん！私の手料理を食べにいらして～」というカワイイ奥さんを演じた経験もないので、いつも二代目と若女将さえお腹いっぱいになればＯＫ！という、いい加減な料理しか出来ないのです。

冷蔵庫を覗いてチャチャっと作れれば、女度アーーップ！のチャンスでしたが、無駄な抵抗はやめ、赤札堂へ出向いて、あれやこれやと買い物し、結局一日目に作ったのは、『具沢山ワンタンスープ（醤油味）』。そして、二日目に作ったのは、『具沢山はんぺんスープ（中華味）』でした。しょんぼり。

全治３ヶ月の間には、まだ何回か女房しに行くと思うので、何かカルシウムたっぷりの「お～いし～」料理を考えて行きます！楽しみに待っててね、先輩。

指摘されると恥ずかしい

「指摘されたら、恥ずかしくて出来なくなるじゃないかー」と二代目からブーイングを受けますが、面白クセを発見すると、つい言いたくなります。

まずは二代目のクセをふたつ。

二代目は私がパソコンに向かって仕事しているとき、よく傍にきてウダウダするのですが（自分の仕事に行き詰っている時が多いらしい）、そのとき、お店の壁に沿ってグルグル回転するのです。顔→後頭部→顔→後頭部……と壁に付けて移動していく『回転』ですよ、側転とかバック転とかじゃあなくて。

それと、これは私の友人間でも周知の事実ですが、二代目はお味噌汁等の椀モノを食するとき、ひじを１８０度広げます。床に正座して食べるときにこの姿勢をとられると、まさに『武士のお食事』という感じで、つい「おかわりは如何ですか？」と、かしずきたくなります。


で、今度は私の番。

ペットボトルから飲むのがとにかく苦手なんですが、平地の無震動状態で飲むことに成功したとしても、「ヒュロヒュロヒュロヒュロ～」とおかしな音が鳴るらしいのです。必ずって訳でもないので、意識したことは無かったのですが、時々隣で、「ほら、その音だよ。くっくっく」と笑われます。

それと、コレはクセっていうか、仕方ないんだけど。我が家のゴハンを食べる椅子がちょっと高いみたいで、私はつま先しか床に着きません。だから、つい一所懸命食べたり、一所懸命テレビを見たりすると、一心不乱に足をブラブラしてしまうんです。その仕草がおかしいらしく、「ブラブラしちゃってるぞ。くっくっく」と笑われます。

クセって面白いね。

寂しがりやなんだろうか、実は

私は、割と現実世界で心を占めていることが短絡的に夢に現れます（まぁ、誰でもそういうものかな）。昨夜、合唱団の練習に遅れて行ったら、指揮の先生も、ピアニストの先生も、団員もみーんな知らない人になっていて、「あれ？もしかして前からいるという松本さんですか？」と尋ねられる……という夢を見ました。

多分、仲良しのＫちゃんが１年間合唱団をお休みすると聞いて、「キツネちゃんに続いてＫちゃんも。こうやっていつかみんな辞めてしまうんだろうか。私だっていつか辞めなくちゃならないのかも……」なーんて考えながら寝たのが原因かと。「１年なんだから、我慢しなさい」と役員の方に説明されて、物分りのいい大人の対応をしてきたものの、内心では寂しくて仕方なかったのかと。定期的に、指揮の先生が足唱を辞めちゃう夢も見るので、多分いまの私にとって合唱団の仲間というのは、かなり失いたくない存在なのでしょう。

子どもの頃から定期的に、知らない人ばかりの世界に入ってしまって途方に暮れる夢をみます。二代目が浮気してどこかに居なくなっちゃう夢も見ます。この夢を見ると、ボロボロ泣いて目が覚めたりするのだ、情けないことに（そして起こされ、理由のない責めを受ける可哀相な二代目）。この夢、昔は結構頻繁でしたが、最近はかなり減りました。

私だって、何かに挑戦するために、自ら進んで色々な別れも経験してきたのだから、分かってます、大人には色々事情もあるんだし。ただね、ちょっとね、寂しかっただけです。１年経ったらちゃんと戻ってこいよぉ。

銀座でランチ

銀行で働いていた頃、社会人として、女性として、面白人間として、師と仰いでいた先輩が一時帰国しており、ランチ会があるというので、行ってきました(その先輩はアメリカでご家庭を築いていらっしゃいます)。


銀座でランチするのも、入社初日に『うわっ。なんだココはっ？こんなに一気に美人をまとめて紹介された経験ないぞ』とビビッたきらびやかな先輩方にお会いするのも、超久しぶり。前日から妙に緊張して、つい美容院なんか行ってしまいました。

案の定、一所懸命時間を潰して行ったのに一番に到着してしまい、お店の人に『みんな遅いですねぇ』なんて無駄に話しかけながら、ドキドキして待っていました。


でも、冒頭の先輩が『おー、おぐ！元気そうじゃん。髪切った？』と、まるで『一週間のご無沙汰！』くらいのテンションで現れたので、一気に時間の壁が崩れた気がしました(『髪切った？』って前回お会いしたのは確か7年位前なんですが…)。

続々と綺麗どころが集結し、気付けば『ココは8階の食堂か？』と錯覚するようなお喋りが始まりました(社員食堂が確か8階だった)。 もう全員、元の職場には居ないので、それぞれ色んな歴史を重ねてきているはずです。あの場では語られなかった大変なこともあったのかもしれません。でも、美味しいデザートに目を細める表情は昔のまんま。不思議と、会話のリード役、いぢられ役、冷静発言役、説教する役、説教される役など、役割は変わらないんだな～と、時々俯瞰視して、ひとりで嬉しさをかみしめちゃいました(私はどの役だ？)。あの頃はものすごく厚く高かった年次の壁も、アラフォーになってしまえば、ほんの数年の『誤差』に過ぎなくなるんだな～(いま私が普段遊んでる仲間達との年齢差よりよっぽど近い)。年をとるのも悪いことばっかりじゃないな～って。

『同じことを二回聞かない！』、『何かを始めるのに年齢を気にするな！』、『香水はそんなに付けない！』、『眉毛太過ぎ！私が抜き揃えるから、今夜はうちに泊まりに来なさい！』(この先輩はお仕事をしているので今日は不参加)、『廊下を走らない！』……等々、どーしようもなかった私の社会人デビューを手取り足取りリードしてくれた先輩方と一緒に食卓を囲んで、すっかり新人気分。明日から、改めて若女将業にも気合を入れ直して頑張る所存ですっ！

茶髪への憧れ

夏だっ！太陽だっ！

といってテンションが上がり、何か特別なことをした記憶がありません。基本的に「早く秋こないかな～」とグダグダ待つ、という感じ。でも世の中的には、『夏に向けてダイエット』や『水着の夏！浴衣の夏！』な感じで盛り上がる時期な訳で。そういう波に乗ろうとしないから、私は夏が大嫌いで、大嫌いだから怠惰に過ごして、怠惰に過ごすから地獄の秋を過ごすことになる……。

この夏は少し前向きになろうかな、と思って、数年前に断念した『まつげエクステ』に挑戦しようかとも思ったけど、最近コンタクトを入れるだけでも調子が悪い目に何か悪影響でもあると怖いので、そのもう少し上の髪の毛を思い切って変えようかな、と計画中です。

私は最近では普通になった『髪を染める』ということを一度も経験したことがありません。少し前にクライアントさんにそれを言うと「え！？」と心底驚かれましたが。そのときは「だって似合いませんよぉ」と笑って誤魔化しましたが、私だって染めてみたいんですよ、本当は。留学中に「綺麗な色だなぁ」と見惚れた外国の人々の髪色にしてみたいんですよ。

というわけで、ちょっと目立ってきた白髪も気になりますし、ここは４０歳の夏記念ということで、いっちょ髪を染めてみようかと！

……でもな～。まだ学校撮影残ってるしなぁ。月末には婚礼撮影もまだあるんだよなぁ。二代目は「この時代に関係ないでしょ」と言ってくれてるんだけどぉ。別に金髪にする訳じゃないけどぉ……。

というわけで、今日の夕方美容院に予約を入れましたが、とりあえず普通にカットしてきます（えぇ、えぇ、臆病者とでも、何とでも言ってくれ）。

恋愛トークに花が咲く

最近、周囲に独身・若者の友だちが増えた関係で、恋愛トークに花を咲かせることが多くなりました。先日も、『結婚を決意するポイント』みたいな話になり、学生時代の女子寮や会社帰りの食事会でよくこんな話をしたなぁ、と懐かしくみんなの意見に耳を傾けていました。

学生時代は『やっぱりお金が無くても、一番好きな人と結婚したいよね』という意見が大半でした。海外志向の強い学校だったこともあり『絶対フランス人と結婚する』などと決心していた人などもいましたが、門限９時の寮生活では出会いに恵まれるはずもなく、実際の恋愛沙汰とは無縁のまま、そんな語っていてもどうしようもない話をし続けたものです。

ＯＬ時代には、周囲も華やかになり、話の内容も随分大人っぽく変化、

経験豊かな美人の先輩Ａ：一番好きな男とは結婚しちゃ駄目よ
経験豊かな美人の先輩Ｂ：わかる～。それ絶対だよね！

なんて話も聴いたりして、どんどん耳年増になっていきました。


ま、結局そういう話ってするだけ無駄なんですが（上記のＡおよびＢ先輩はどちらも、どう考えても一番好きそうな男性と、とーっても幸せなご家庭を築いていらっしゃいます）、つい楽しくって時間を忘れちゃうんだよね。

いつもぶっ飛んだご意見を平然と仰る友人がご主人との馴れ初めの話になったら妙に照れくさそうな表情を見せたり、まさに現代っ子な世代のお嬢さんが「やっぱり私はやさしい人がいいです」なんて爽やかに言ったり、恋愛トークってその人の本質や意外性を見付けられる興味深い話題であることは確かなようです。

ペスカのねーちゃん

今ハマっているとブログにも書いた「ふわふわドーナツ」（→『夏は甘～い季節』）。どうやら人気商品らしく、数日前に「ふわふわドーナツありますか？」と店員さんに尋ねると「あー、今日は売り切れです」と言われ、昨日もいつもの場所に無いので「あの～…、ふわふわドーナツは？」と同じ店員さんに聞くと「あ！あそこに３つだけ残ってますよ！」と言われ、買い占めてきました。

家に戻り、ドーナツを堪能しながら二代目に「店員さんから『ふわふわドーナツ女』とか言われてるかもね～」と話すと、「絶対そうだよ。僕も昔バイトしてたときに『ペスカのねーちゃん』ってあだ名つけてたお客さん居たもん」だって。彼は新宿駅の西口地下街の喫茶店で暫くバイトしていたそうで、そのお店に日参してくるペスカトーレばかり頼む女性のお客様のことだそうです（常連さんなのに、ひどい言われ様）。

で、思い出しました。面白あだ名。

結婚前、二代目の勤務していた撮影スタジオの近くのファミレスで彼を待っていたことがありました（別にストーカーだったわけじゃなくて、「待っててね」と言われたんですよ。一応言っときますけど）。巨大なパフェを食べ終わっても、全くやってくる気配のない二代目に連絡をとりようもなく（携帯のない時代！）、所在無く待っていました。だんだん腹が立ってきた頃に、思いがけないエンターテインメントが訪れたのです。隣の広いテーブルに近くの会社からやってきたらしいサラリーマンとＯＬの集団が座り、ある人の噂話で大盛り上がりし始めました。どうやら会社の同僚らしい、ある人のあだ名は『はなっちょベイベー』。

「この前、はなっちょベイベーがさぁ」
とか
「今日はなっちょベイベーが言ってたんだけどぉ」
とか。

もう私はそのあだ名がツボにハマって、おかしくておかしくて。ずーっとその話題に耳を傾けて笑いを堪えていました。そして楽しい時間を過ごしていたら二代目がやってきて、一件落着。

今でも、ちょっとした喧嘩に発展したかもしれない待ちぼうけタイムを見事に救ってくれた、謎の『はなっちょベイベー』さんは、忘れられない人です。