第1章『 常識を信じていると命が危ない!』の「食の常識を信じていると命が危ない」を要約します。
「体のため、健康のため」とやってきたことの中に、体の仕組みに反するものが
あることに気付くことがある。入院患者に出される「病院食」もその一つである。
❶ 手術後すぐ普通食を出すこと
私の病院では、胃の手術した患者にも普通食を出す。これは、普通食がよいのは「よくかむ」ことが必要だから。よくかむことは、唾液の分泌を促し、唾液のなかの消化エンザイムがよく混じり合い、植物の分解がスムーズに進むので消化吸収がよくなるからである。しかし、お粥だとろくにかまないで飲み込んでしまうので、エンザイムが充分に混ざっていないため消化が悪いからである。
❷ 入院患者に牛乳は出さないこと
牛乳は、タンパク質、脂質、糖類、カルシウム、ビタミンなどを含むという理由で、とてももてはやされている。しかし、実は、「牛乳ほど消化の悪い食物といっても過言でない」。それは、牛乳に含まれているタンパク質の約8割を占める「カゼイン」は、胃に入るとすぐ固まってしまい、消化が悪いこと。さらに、市販の牛乳は、その成分がホモゲナイズ(搾乳した牛乳の脂肪分を均等化させるために機械で攪拌すること)されている。このことは、攪拌するとき空気が混じり、乳脂肪分が過酸化脂質(酸化がとても進んだ脂=錆びた油)になってしまうから。これは、活性酸素同様、体に非常に悪い影響を及ぼす。さらに、その錆びた脂を含んだ牛乳を100℃以上の高温で殺菌すると、エンザイムは、熱に弱く48~115℃で死滅する。つまり、市販の牛乳は大切なエンザイムを含まないだけでなく、脂肪分は酸化し、タンパク質も高温のため変質している、ある意味では、「悪魔の食べ物」である。