第2章 『太く長く生きるための食べ方』の「必須脂肪酸の上手な摂取法とは?」と「日本人の体に油ものは適さない」を要約します。
油の主成分である「脂肪酸」は、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される。不飽和脂肪酸は、いわゆる善玉の脂肪酸で、心臓、循環器、脳、皮膚などの機能を保つために必要な栄養素である。不飽和脂肪酸の中には、人間の体では生成できないものがあり、それは植物からとらなければならない。これが必須アミノ酸である。
以前、アメリカでは、必須アミノ酸をとるためにオリーブオイルを毎日ティースプン1杯飲むといいといわれ、流行ったことがある。しかし、その後の研究で、毎日オリーブオイルを飲んでいると、卵巣がんになりやすいというレポートがでたため、今ではすっかり下火になった。これらの不飽和脂肪酸は、非常に酸化しやすい性質をもっているから。例え、圧搾機で搾った物でも人工的に搾った油を飲むことはお勧めできない。油はどのようなものであっても、空気に触れるとすぐ酸化する。そのため、調理にもできるだけ油を使わない方がいい。
不飽和脂肪酸のとり方
これらが最も安全で、ヘルシーな油の摂取方法である。
日本人は、欧米人に比べ油を分解消化される膵臓の機能が弱いようである。もし、週に2、3回油ものを食べていて上腹部に痛みを感じることがあるなら、膵炎を起こしている可能性がある。動物性脂肪は控えているが、植物性の油なら大丈夫と、天ぷらや油炒めなどを好んで食べている人は要注意。植物性の油であっても、人工的に抽出した油を頻繁にとるのは、体のためによくない。揚げ物は、自分の体のエンザイムを消耗するものである。
また、油で調理して時間のたった揚げ物は、過酸化脂質の塊のようなもの。油はただでさえ体によくないのだから、調理してから時間のたった油ものは絶対に口にしないこと。