第2章 『太く長く生きるための食べ方』の 「植物性85%、動物性15が理想な食事」を要約します。
新谷食事健康法では、植物食と動物食の割合が「85:15」になるように指導している。タンパク質不足が心配の人もいるかもしれないが、植物食でもタンパク質は充分である。人のタンパク質を構成するアミノ酸は約20種類。その中には、人体で合成できないものが8種類ある。これらを「必須アミノ酸」といい、この一種類でも欠けると重大な栄養障害を起こす可能性があり、毎日の食事で絶対取らなければならない。この必須アミノ酸を全て含んでいるのが、「良質タンパク質」といわれているのが動物性タンパク質。今の栄養学が、動物性タンパク質を毎日とりなさいというのはこのためである。
しかし、全てではないが、植物性タンパクは、穀物や雑穀類、豆類、野菜、きのこ類、果物、海藻にも多くの必須アミノ酸が含まれている。とりわけ、大豆の必須アミノ酸含有量は、スレオリンという必須アミノ酸が基準値を少し下回っているぐらいで、動物性タンパクと比べてそん色がない。前述したように、動物性タンパクの過剰摂取は深刻な健康被害をもたらすが、植物性タンパクも同様である。植物性食品からタンパク質をとるということは、植物繊維が豊富に摂取できることであり、どうしても足りない部分を”青魚”などの動物性タンパクでとるようにする。
植物性の食物は、単独で見れば、一つで必須アミノ酸を全てもっていない。しかし、日本の食事は、主食は穀物があり、主菜、副菜、そして汁物という構成からなっている。ですから、植物性の食物を上手に組み合わせれば、植物食だけでも、十分な必須アミノ酸をとることができる。