ひきつづき、見本園にある100種以上の蓮の一部をご紹介します。
真如蓮です。真如とはサンスクリット語(梵語)のタターターの訳で、実体、真相などを意味します。まさに静かで厳かな気持ちにさせてくれる蓮です。
即非蓮(そくひれん)です。小・中型の一重咲き。即非蓮の名は、江戸時代前期に中国の僧・隠元(いんげん)の高弟である即非如一が日本に本種を持ち込んだとされる事に由来します。ちょっとマニアックですが、花弁の先端がとがり、左右両側が少し折れ込んた形をしていますので、観蓮会で咲いていたらぜひご確認ください。
蜀紅蓮です。今は蕾だけですが、観蓮会の朝には咲きそうです! 中型の一重咲きで、日本の花ハスの中で最も濃い紅色をしています。花弁の外側中央部はやや黒ずむほどの鮮やかな深い赤です。花が散ったあとの花托も紅色を帯びます。
妙蓮です。大変貴重な品種のため、今年の春に植え替えを行いましたが、浮き葉も出ていません・・・! 咲いていれば、花弁数300~6000枚の大型の八重咲きで、分岐したそれぞれの花托に花をつける珍しい品種。雄ずいはなく、蓮根からしか増えません。
瑞光蓮です。ひときわ目をひく、中・大型の爪紅種です。花色が白地にピンク色の爪紅となり、光によって微妙な陰影ができます。開花初日は、ピンク色が比較的濃いめですが、開花2~3日目では退色して白っぽくなります。
廬山白蓮です。花弁数100枚ほどの八重咲きです。開花1~2日目は、マッシュルームのような独特の形になります。聖人蓮とも呼ばれるのは、随筆集『甲子夜話』(かっしゃやわ)などで道元、隠元、あるいは大眉によって中国からもたらされた蓮として紹介されているからです。
大酒錦と大賀蓮の交配種です。かけあわせた新しい品種には名前がついていません。
天高雲淡です。
翠薇夕照(すいびゆうしょう)です。とても花つきが良く、強い風で蕾が倒れてもしっかり開花します。
艶陽天です。花期の長い蓮で、中国品種では一番濃い紅色を出すと言われています。退色もほとんどありません。
寿星桃です。
艶新装です。
敷地の入口にある修景池の大賀蓮です。先週ひとつの花が咲き、今は蕾がもうひとつ出ています。
ムクロジ科のモクゲンジです。今は花盛りの蓮たちが主役ですが、他の植物たちも元気です。
以上で26種の蓮をご紹介しました。現在、見本園にある100種以上の蓮の約4分の1が開花しています。それぞれの品種の蕾・花期は異なりますが、見本園では、全体で6月中旬から10月初旬まで次々と蓮たちが咲き誇ります。
7月13日の観蓮会でお待ちしています! さらに、今年は蓮の見本園の開放日として、7月14日、15日、27日、28日をご用意しています。じっくりと蓮を観察されたい場合は、観蓮会のあとの開放日がおすすめです。
今日の報告は以上です。
(担当: れい)