大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

チェルノブイリ作業員の健康被害と目への影響-日本も?:2

2012-05-16 17:00:00 | 原子力関係
チェルノブイリ作業員の健康被害と目への影響-日本も?より転載

表2.汚染除去作業員の疾患別患者数(10,000人あたり)50)




汚染除去作業員の子どもたち

汚染除去作業員の子どもの遺伝子を調べたところ、非常に多くの変異が発見された。ハイファ大学の研究によれば次のようなことが明らかになった。

チェルノブイリ清掃作業をする前に授かった子どもたちとその後に生まれた子どもたちを比較したところ、後者では遺伝子変異をもつ確率が7倍になっていた。

これらの変異は重症疾患に直接結びつくものではないが、それらは未来の世代へと受け継がれていくことになる。

変異は事故後すぐ授かった子どもたちで特に多く、事故から時間が経過するにしたがって減少した。子どもたちの父親は50~200 mSVの放射能を浴びていた。これは原子力発電所の職員の被ばく量のおおよそ10年分に相当する51)。

シェバン教授と同僚のプリレブスラヤは、汚染除去作業員の子どもたちに甲状腺がんが発生するのか調べるため、700人を対象としたコホ-ト研究を行った。

その結果、作業員の子どもたちは被ばくしていない両親をもつ子どもたちよりも甲状腺がんの発生率が有意に高かった52)。しかし、なぜこうなるのか理由はよくわかっていない。

ツィブは、汚染除去作業員の子どもたちとオブニスクス(低汚染地域)の子どもたち(ロシア)を比較したところ、前者ではすべての種類の病気でその頻度が有意に上昇していた(1994年~2002年)。

特にがんや白血病、先天奇形、内分泌代謝疾患は精神障害や行動異常と同程度に増加していた。何年かたつと泌尿生殖器、神経、感覚器の病気も増えた。これらの病気は特に1999年に多かった53)。

(転載ここまで)

やはり内容が長いので、今回で終わらせることができませんでした。また管理人が気になる箇所を続きとして次回以降に転載したいと思います。今回は作業員にフォーカスをあてたものです。

日本でも、目の異常が増えている?

また冒頭にも書いたよう、チェルノブイリにおける健康被害では、目への影響が大きく出ていることが気になりました。

日本でも、これが従来からなのかどうかがわからないので比較のしようがないものの、目の異常報告があるようです。

放射線が原因でなくとも、上記にもあるとおり、元々あるものを加速させることはあるのではないかというのが私の考え。


大飯原発再稼働、おおい町議会が容認

2012-05-16 17:00:00 | 原子力関係
大飯原発再稼働、おおい町議会が容認より転載
2012年5月14日(月)12:20 読売オンライン
 政府から関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働への同意要請を受けているおおい町議会は14日、全員協議会で採決を行い、賛成多数で再稼働容認を決めた。

 政府が求めている地元同意のうち、意向が明示されたのは初めて。時岡忍町長は、週内にも福井県の西川一誠知事に再稼働を容認する最終判断を伝える見通しだ。

 再稼働を巡っては、4月14日に枝野経済産業相が同県を訪れ、地元同意を要請していた。

 同町議会は、今月7日から全員協議会を断続的に開き、再稼働の是非について論議。この日は、「福島第一原発事故を踏まえて国が示した安全基準で、原発の安全性は確保されている」「原発停止の長期化で関連税収などが減り、地元経済に影響を与える」など、再稼働を支持する意見が相次いだ。採決では、議長を除く出席議員12人のうち、11人が賛成。1人の議員だけが「判断は拙速」として反対した。

県が抜き打ちで防災訓練 大津波想定、初動対応確認

2012-05-16 16:00:00 | 原子力関係
県が抜き打ちで防災訓練 大津波想定、初動対応確認より転載


市町村長らから被害状況の情報収集などを行った抜き打ちの防災訓練=県災害対策本部

 県は7日、東京電力福島第1原発が再び津波に襲われることを想定し、職員を対象とした抜き打ちの防災訓練を行った。東日本大震災発生直後に各市町村との情報伝達に迅速さを欠いたことを教訓に防災行政無線や衛星電話を使った被害状況の情報収集など初動対応の一連の流れを確認した。
 訓練は、本県沖で震度6弱の地震が発生し、10メートル超の大津波が第1原発を襲ったとの想定で、職員には事前に訓練の日時や災害の想定内容を通知せずに実施した。
 午後1時45分に訓練開始を告げるアナウンスが流れると、佐藤雄平知事をはじめ全部局長、職員約180人が災害対策本部が設置されている自治会館に集まった。同1時55分ごろに対策会議を開き、佐藤知事は各市町村からの正確で迅速な情報収集を指示した。
 今回の訓練は通信手段が機能しているという前提で行ったが、震災発生直後は停電や通信の集中などにより防災行政無線が使用できないケースもあり、今後の訓練で課題となりそうだ。
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

原発事故影響で休園届 20キロ圏内の私立幼稚園

2012-05-16 15:00:00 | 原子力関係
原発事故影響で休園届 20キロ圏内の私立幼稚園より転載

 東京電力福島第1原発から20キロ圏内にある南相馬市小高区の私立幼稚園「小高教会幼稚園」が、原発事故の影響で県に休園届を出していたことが7日、分かった。原発事故の影響で幼稚園が正式に休園を届け出たのは初めて。
 同幼稚園を経営する学校法人相双キリスト教学園によると、原発事故前には約30人の園児が通っていた。休園届を提出したのは3月下旬で、4月16日に区域再編で避難指示解除準備区域に指定されたが、施設の電気や水道が復旧していないこと、園児への放射線の影響、除染作業にかかる時間などを考慮したという。
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

政府が6市町のコシアブラなどを出荷停止指示

2012-05-16 14:00:00 | 原子力関係
政府が6市町のコシアブラなどを出荷停止指示より転載

 政府は7日、原子力災害対策特別措置法に基づき、郡山、白河、喜多方、棚倉、塙、会津美里の6市町にコシアブラの出荷停止を県に指示した。
 このほか郡山、白河、塙、新地の4市町には自生のタラノメ、田村市と古殿町にクサソテツ(コゴミ)、須賀川市にタケノコの出荷停止も指示した。いずれも食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことに伴う措置。
 県は同日、市町村や関係機関に国の指示を伝えた。
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

飯舘・蕨平「帰還困難」要望へ 比曽は条件付き受け入れ

2012-05-16 13:00:00 | 原子力関係
飯舘・蕨平「帰還困難」要望へ 比曽は条件付き受け入れより転載

 全村が計画的避難区域に指定されている飯舘村の避難区域見直しで、年間被ばく線量50ミリシーベルト超の地域が含まれながら政府や村が「居住制限区域」指定の方針を伝えている蕨平(わらびだいら)、比曽の両地区は6日、住民間の意見交換会をそれぞれ開催。比曽地区は条件を付けた上で指定を受け入れる方針を固めたが、蕨平地区は「帰還困難区域」指定を要望することを決めた。両地区は、今週中にも要望書を村に提出する。
 意見交換会で蕨平地区は、「山間部も含まれ2年間で除染終了は不可能」として全会一致で帰還困難区域の指定を要望することを決定。帰還困難区域は財物価値が全損扱いで精神的損害も5年一括で支払われることから、志賀三男区長は「住民の今後の生活再建を考えると、見通しがしっかりと立つ帰還困難区域で要望せざるを得ない」とした。
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

佐藤知事、廃炉の工程管理は「経産省以外で」

2012-05-16 12:00:00 | 原子力関係
佐藤知事、廃炉の工程管理は「経産省以外で」より転載

 佐藤雄平知事は7日、県災害対策本部会議で、原発再稼働を推進する経済産業省資源エネルギー庁が東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉工程表を管理していることについて「(経産省から分離、再編される)原子力安全・保安院に担ってほしい」と注文を付け、工程表の進行管理は経産省の所管から外すべきという見解を示した。
 会議には、廃炉の工程を説明するために資源エネ庁の担当者が初めて出席した。佐藤知事は担当者に対し「(廃炉に向けては)安全が求められる。資源エネ庁は原子力を推進する立場で(工程表を管理するのは)理解しにくい」と指摘。また、担当者が廃炉に向けた安全性の確認は保安院と連携すると説明したことについて、「連携は非常に疑問に思っている。だからこのような指摘をしている」と苦言を呈した。
(2012年5月8日 福島民友ニュース)

福島第1原発協力企業作業員が口周囲や首汚染

2012-05-16 11:00:00 | 原子力関係
福島第1原発協力企業作業員が口周囲や首汚染より転載

 東京電力は7日、福島第1原発で作業していた協力企業の40代男性の口の周りや首に放射性物質が付着していたと発表した。内部被ばくはしておらず、健康に影響はないとしている。
 男性は、汚染水を処理した後の淡水化装置に水を送る配管の取り換え作業をしていた。作業終了後、原発内の免震重要棟で実施した簡易検査の結果、口の周辺で4500cpm(cpmは1分当たりの放射線測定値)、首で最大9千cpmと、検査場所での測定値500cpmを上回る高い値を示した。口や首を拭き取ったところ、500cpm以下に下がった。
 その後、ホールボディーカウンターと呼ばれる装置で検査し、内部被ばくは確認されなかった。


2012年05月08日火曜日 河北新報社

直下に活断層発見 山体崩壊で富士山に崩壊の危機

2012-05-16 10:00:00 | 原子力関係
直下に活断層発見 山体崩壊で富士山に崩壊の危機より転載

富士山直下に活断層
文部科学省が実施した調査で富士山(3776m)直下に活断層があり、山体崩壊を引き起こす可能性があることがわかった。9日、調査を主導した東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授が地元の静岡県に報告を行った。


御殿場が土砂や泥流で埋まる
富士山は均整のとれた円錐形をしているが、過去に何度も崩壊しては噴火によって山の形を取り戻す、というサイクルをくり返してきた。

過去2~3万年の間では、少なくとも4回、この山体崩壊が発生したことがわかっている。

山体崩壊は地震や噴火にともなって起き、土砂が雪崩のように崩れ落ちたり、大規模な泥流が発生したりする。

もっとも近いところでは、約2900年前に東側斜面が崩壊しており、このときは御殿場付近を厚さ10mの土砂や泥流が埋め尽くした。

対策不能、保険が重要
今回の調査では、富士山直下を下端とする長さ30km、深さ数10kmの活断層が発見された。同断層は過去にも活動した形跡があり、マグニチュード7程度の地震を引き起こすものと想定される。

山体崩壊が噴火によって発生する場合には、ある程度予知が可能だが、地震による場合には突発的に発生することになる。

可能な対策は、住まいの火災保険に地震特約を付加することだろう。地震特約は噴火による被害もカバーしているため、原因にかかわらず山体崩壊による被害をカバーできる。


 富士山を爆破したい人達がいます。何故か。富士山は日本人の心の故郷、日本人の精神のシンボルが無惨な姿になれば日本人は『精神錯乱』するでしょう。
所謂ショックドクトリンという罠を仕掛けたい人がいるのです。

チェルノブイリ作業員の健康被害と目への影響-日本も?:1

2012-05-16 10:00:00 | 原子力関係
チェルノブイリ作業員の健康被害と目への影響-日本も?より転載

チェルノブイリは終わってない-旧ソ連、欧州・北欧各国での被害の続きです。
自分の勉強や覚え書きも兼ねて、続きを転載します。


というか他にも覚え書き的にまとめたい文献や資料、記事等たくさんあるものの、なかなか追いついていません。なので、自分の可能な範囲のものを。

元ソースはこちら「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」

前置き的な文章となっている内容は中略し、ポイントに絞っての転載です。
詳しくは上記の元ソースブログ記事をご覧ください。

ここで管理人が意外に思ったのが、兼ねてから言われている心疾患や癌などの他、神経系、そして目への影響が大きく表れていることです。

最後に示しますが、日本各地で、目が充血するという報告が多く出ています。この文献に基づくと、放射線以外でも同じことが起きるから(放射線由来でもそうなる)、目の老化の促進という現象で現れてるのではないかと想像します。

以下転載。

第2章 汚染除去作業員

放射線被ばくによる早期老化作用

ロシアとベラル-シ、ウクライナでの多くの研究で電離放射線は老化作用を促進することがわかった。ベベシコらウクライナの科学者は放射線による老化促進は正常な老化作用のモデルとなるかもしれないと述べている13)。

放射線は細胞構造にも細胞機能にも作用し、分子と遺伝子レベルで障害を与える。放射線の細胞障害と細胞変性は正常老化作用の際に働く生物学的メカニズムと同じかあるいは似かよっている;フリ-ラジカルの悪影響、DNAの不正修復、免疫システムの機能低下、脂質代謝の異常、神経系の組織変性など(ベベシコら、2006年)。

放射線を浴びた原爆生存者を対象に前方視的疫学調査を行ったところ、平均余命ががん以外の病気のためにかなり短縮していた14)。

ロシアとベラル-シ、ウクライナの汚染除去作業員での調査では、成人病の発病時期が正常老化作用で現れるよりも10~15年早く見られた15)。 まとめると次のようになる。

血管の老化が早まった-特に脳の血管-そして冠動脈16)。
老人性白内障、眼底血管の動脈硬化、そして早期視野狭窄17)。
中枢神経系障害のため高次知的認知能力の喪失18)。
抗酸化システム-外的損害因子による細胞染色体の損傷の修復を担う-の安定性の喪失19)。 

P.フェディルコの報告によれば、放射線白内障(ある閾値以下では起きない)や放射線網膜症のような特有な目の病気がある。放射線を浴びなくても加齢によって同じことが起きることを考えれば、放射線は目の老化を促進するといえるであろう。

エレナ・ブルラコバらは、低線量の0.0416、0.00416、0.000416mGy/分でト-タル0.0006~1.2 Gyのγ線(セシウム137)を照射する動物実験を行った。

放射線を浴びた動物から細胞を採取し、その遺伝子と細胞膜について種々の生物物理学・生化学的パラメ-タを調べた。全体として、異常な線量依存がみられた。

しかし、線量/効果の関係は一定ではなく非直線的で異なった特徴を持っていた。低線量被ばくは一般に傷害因子の効果を増強させた。照射の影響は対象動物の出力パラメ-タ-に依存していた。低線量をある間隔で小分けに照射した場合は、一回にまとめて照射するよりも障害の程度が大きかった。

同じブルラコバらの研究によれば、放射線照射は動物でも人でも、細胞膜の構造と特性、抗酸化物質活性とその濃度、調節酵素の活性などに悪影響を与えた。

これはいわゆるペトカウ効果20) (訳注:バイスタンダ-効果ともいう。エグゼクティブサマリ-の2.をご参照)かそれ以上のものである。

トコフェノ-ルやビタミンA 、セルロプラスミンのような抗酸化物質が減少し、フリ-ラジカルとその副産物が増え、細胞膜が硬くなり、脂質の流動性が悪くなり、タンパク質成分が変性した。結局、老化現象で起きると同じことが-単に程度が違うだけで-放射線で起きていた。

ブルラコバ曰く「汚染除去作業員は一般の人より10年から15年早く年をとる。同じことは動物でも見られる。動物の場合でも“放射線不安症“や“放射能恐怖症”という病名がつくのだろうか(訳注:WHOに対する皮肉)」。

彼女は、可能な治療として抗酸化物質を勧めている。しかし、適量が基本となる。なぜなら、量が多すぎると副作用が出るからである。動物実験では鶏白血病の初期段階-発病80日から250日まで-の進行を遅らせる効果があった21)。

がんと白血病

1986年と1987年にチェルノブイリで働いた汚染除去作業員(ロシア人)のあいだで白血病が統計学的に有意に増加した23)。

ロシアからの情報によれば、多くの作業員が現在病気にかかっており、特に白血病、肺がん、その他の腫瘍性疾患に苦しんでいる24)。ジュリア・マロ-バによると作業員たちはおもに肺と気道のがんを病んでいる25)。

オケアノフ26)らによれば、ベラル-シの汚染除去作業員たちのあいだで対照集団(ビテブスク地域の住民)に比較して、肺や結腸、膀胱、腎、甲状腺のがんが有意に増加していた(p<0.05) 27)。

(訳注:p値とは例えば、100回、同じ検定を行った場合に、そのうち**回は誤った結論を得る確率、ということである。p<0.05という値は“100回中誤った結論を得る確率は5回未満”という意味である。したがって数字が小さいほど統計的に正しいということになる。通常は0.05以下を有意差ありという)

ところが、作業員たちの発病の相対的リスクは対照集団と比較しても-甲状腺がんを除いて-近年(1997年~2000年)まで有意な増加はなかった。すなわち発病までに12‐15年の潜伏期があったということになる。

作業員たちのあいだでは、がん(全てのタイプ)の1年の平均的増加率は5.5%であった。しかし、北ベラル-シの比較的汚染の少ないビテブスク地域ではわずか1.5%であった(p

結腸がんの比較では、作業員とビテブスク地域の成人では年平均がそれぞれ9.4%と3.2%の増加であった(p

とくに長期間しかも高濃度放射線を被ばくした作業員たちでは、がんに侵される率はさらに高かった。また、作業員たちのあいだでも、高濃度汚染のホメリ(ゴメリ)地域で生活していた人々では発がん率は特に高かった。

神経系への損傷

1990年秋の初めベラル-シの精神科医コンドラシェンコ(ミンスク)は次のように警告した「大惨事の影響で、放射線に被ばくした人々の脳に病理学的変化がみられ、注意が必要である!」28)。

また、セミパラチンスク(カザフスタン)の核兵器実験地域周辺からの重要な記録(10年間)がある。それによれば、その地域で生活している村民たちは神経障害や知覚障害、頭痛に苦しんでいた。

このような情報があるにもかかわらず西側諸国では真剣に受け取らず、むしろ逆に、チェルノブイリ事故後に起こった多くの健康問題は放射線のせいでなく、ヒステリ-反応と決めつけ、“放射線恐怖症” 29)という病気をでっち上げた30)。

キエフのパラギュイン生化学研究所のナデイダ・グラヤはチェルノブイリ地域に住む(棲む)人と動物の神経細胞を研究し、神経系にみられる損傷の原因は放射線への恐怖のためではなく、放射線のため組織が実際に深刻な障害を受けたためであると報告している31)。

亡くなった汚染除去作業員たちを検死したところ、その48%は死因が血栓症あるいは循環障害によるものであった。がんは28%の割合で、死因の第2位であった。

地域の除染を命じられた旧ソ連軍兵士たちのうち20,000人は治療あるいは研究のプログラムに参加している。彼らの多くは精神的にも肉体的にも重篤な状態にあり、この辛い経験に対処することが困難であると思っている32)。

ベルン大学病院耳鼻咽喉科のアンドレアス・アルノルドによれば、多くの汚染除去作業員たちが苦しんでいる浮動性めまいの症状は中枢神経系の損傷によるものである33)。また、作業員として働いたあと、多くの者が運転中に睡魔に襲われるため、その後の仕事をあきらめねばならなかった34)。

精神疾患

1993年1月13日発刊のモスクワタイムズの報道によれば、サンクトペテルブルクにあるクリニックで汚染除去作業員1600人を検診したところ、その80%が深刻な精神的問題に苦しんでいるという結果であった35)。

また、医療的援助を求めている作業員たちの40%は記憶喪失などの精神神経疾患に苦しんでいることがわかった。
数千人の汚染除去作業員のうち数十人は失語症や抑うつ状態、記憶障害、集中力の喪失に苦しんでいる36)。

放射線障害モスクワセンタ-に勤務する精神科医ジュリア・マロ-ヴァは作業員の健康問題にとりわけ関心をもち、次のように説明している-私たちの理論は、何らかの理由で、脳への血流が以前に、またおそらくは今でも減少しつづけているというものである。このようなタイプの疾患は作業員では他の被害者よりも多くみられる。

汚染除去作業員にみられる他の症状としてとりわけ多いのが慢性疲労症候群である。

ロガノフスキ-(2000,2003)によれば、0.3シ-ベルト以下の被ばくを受けた人の26%が慢性疲労症候群の診断基準に該当する。

作業員では、慢性疲労症候群の頻度は、1990年から1995年では65.5%であったが、1995年から2001年では10.5%に減少していた。一方、いわゆるメタボリック症候群Xは同様の比較で15%から48.2%に増加していた。慢性疲労症候群やメタボリック症候群X は他の精神神経疾患や身体的疾患への前症状とみなされている。慢性疲労症候群はまた、環境的な影響を受けやすいと考えられており、また神経変性や認識障害、精神神経障害の前駆症状ともみなされている。大脳の左半球のほうが右半球よりも傷つきやすいようだ。

P.フロ-ル・ヘンリ-の報告によれば、さまざまなうつ状態、あるいは統合失調症や慢性疲労症候群のような症状は汚染除去作業員に非常に多く見られ、脳の器質的変化(右ききでは主に左半球の)を伴っており、脳波検査によって客観的に診断できる。彼らの考えでは、これは、さまざまな神経的、精神的疾患が0.15~0.5シ-ベルトの放射線ひばくで引き起こされるということを示しているようだ。

放射線被ばくの症状は早期老化という形でも現れてくる。そしてこれらの神経的老化症状は被ばくの時期が若ければ若いほど、より早く、より深刻に現れる。

彼はまた、脳波検査で脳の左半球に異常を示す疾患は、急性の放射線障害の作業員にも見られたと報告している。

また、驚いたことに、これらの精神的疾患や脳波変化は、アフガニスタン侵攻に参加したロシアの退役軍人には見られなかった。その理由は、これらの兵士たちが大きな外傷的ストレスにさらされたが、放射線被ばくを受けなかったためであろう。ただし、チェリノブイリの作業員と違い、彼らは故郷で英雄とみなされることはなかった。

一方、チェリノブイリの作業員と第1次湾岸戦争やボスニア戦争の退役軍人に、磁気共鳴画像法や脳波検査、ポジトロン断層撮影法などの検査を行ったところ、脳の変化は両者で極めて酷似していることがわかった。

P.フロ-ル・ヘンリ-の考えによれば、これは湾岸戦争やボスニア戦争での劣化ウランを含むロケット弾の使用に関係があるという。ロケットは空中にウラニウム238酸化物のほこりを放出し、人々に吸入された。そして、ウラン238に暴露された人たちが日本(1945年)の原爆被ばく者と同じような精神神経学的症候群に進行していった。

ロシア科学アカデミ-の神経生理学研究所のL.A.ザボロンコバと公衆衛生省放射線研究所のN.B.ホロドヴァは汚染除去作業員たちに神経学的調査をしたところ(37)、高次認知機能や精神機能が損なわれていた。

それらは、思考の遅延、疲労の増大、視覚性・言語性記憶障害、高次運動機能障害などである。これらの症状は早期老化によるものと類似していた。

“フランス-ドイツ チェルノブイリ・イニシアティブ”での研究(訳注:独・仏で資金を出した研究と思われる)では、標準化された系統的精神科面接法(ロマネンコら)を用い調査したところ、精神的障害は汚染除去作業員の36%にまで増加していた。一方、ウクライナ全人口では20.5%であった。

うつ病ではこの頻度増加がさらに著しく、汚染除去作業員では24.5%に対しウクライナ全人口で9.1%だった。(デミッテナイア-ら 2004 )

1986年から1987年までチェリノブイリ周辺の規制区域で仕事をしていた汚染除去作業員-特に、その後も同地に住み続け、合計3年から5年間過ごした作業員たち-では精神神経学的障害が増えつづけている。そして、250mSv以上の被ばくを受けた作業員では80.5%に、250mSv以下では21.4%に障害がみられた。(p<0.001)(ニャ-グら.2004 )

ロガノフスキ-は1990年以降統合失調症の頻度が増加していると報じている;一般の人では人口10,000人当たり1.1人なのに比べ、作業員では5.4人であった。別の報告では、チェリノブイリ地域で生活し、労働していた人々のあいだでは統合失調症の発生頻度は他のウクライナ人に比較して1986年から1997年の期間では2.4倍に、1990年から1997年の期間では3.4倍になっていた。(ロガノフスキ-&ロガノフスカヤ 2000 )

循環器疾患

WHOによる研究ではロシアの汚染除去作業員のあいだで循環器疾患が有意に増加していたことがわかった38)。

ロシアの情報によると、現在もなお多数の作業員が循環器疾患をわずらい、苦しんでいる39)。 イワノフ(1999)の調査によればロシアの作業員では心血管疾患のリスクが40%増えていた40)。

D.ラジュ-クはベラル-シ出身の汚染除去作業員の心血管系疾患を調べた41)。1992~1997年の観察期間で、作業員の間では通常と比較して致命的な心疾患が著明に増加していることがわかった(22.1% 対 2.5%)。これが放射能による血管へのダメ-ジか否かについてはいまだ議論中である。

その他の病気

WHOが行った研究では、ロシア人汚染除去作業員では胃腸炎、感染症、寄生虫関連疾患と同様に、血液疾患、内分泌疾患が有意に増加していた42)。

ロシアの情報によると、現在、多くの汚染除去作業員が胃腸炎に苦しんでいる43)。

ウクライナ医学アカデミ-の放射線医学研究所に所属するパベル・フェディルコは、彼が調べた5,200人の汚染除去作業員の95%が白内障や黄斑変性、慢性の結膜炎といった眼の病気に悩まされていると報告した44)。

エレナ・ブルラコバは長期間にわたり、低線量被ばくの影響を細胞レベルで調べてきた45-47)。汚染除去作業員やさまざまな人を対象とした研究では、特に子どもや30歳未満の若年者において、低線量被ばくは抗酸化系保護機能を破壊することが明らかになった。彼女は「早く年をとる」と述べている(訳注:前出、2.1ご参照)48)。

下記の表2.はヤリリン の調査結果である。12の疾病グル-プの有病率が汚染除去作業員の中で、どのように変化してきたかが示されている。たった7年間でこれらの数値がいかに増えたか注目に値するだろう49)。

泊防災訓練 住民、30キロ圏外へ避難 道が方針 船の活用も

2012-05-16 10:00:00 | 原子力関係
泊防災訓練 住民、30キロ圏外へ避難 道が方針 船の活用も(05/08 09:18)より転載

泊原発から30キロ圏内の自治体

 道は北海道電力泊原発(後志管内泊村)の事故を想定した本年度の原子力防災訓練について、原発から30キロ圏内の住民が圏外へ避難する訓練を初めて行う方針を決めた。7日の道防災会議の専門委員会で明らかにした。住民の輸送手段として、ヘリコプターや船の利用も検討する。

 防災訓練は道などが1988年度から毎年行っている。本年度は秋に行う予定で、住民の避難訓練は2年ぶり。<北海道新聞5月8日朝刊掲載>