衆院選秋田1区 民自、個人攻撃の応酬 政策論争そっちのけより転載
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候補者の演説に聞き入る有権者。政策争点はかすんでいる=秋田市
民主、自民両党の接戦となっている衆院選(16日投開票)の秋田1区で、両党陣営間の攻撃の応酬が激化している。県都決戦は早くから、民主党前議員の寺田学候補(36)と自民党新人の冨樫博之候補(57)の事実上の一騎打ちが固まり、前哨戦からつばぜり合いが激しかった。横一線のまま終盤戦にもつれ込んでおり、政策そっちのけの舌戦を繰り広げている。
◎公示前から
「人の命を守れない人間に、国会議員をやる資格はない」。公示前の11月30日にあった冨樫候補の決起大会。応援弁士の片山さつき参院議員が言い放った。
しのぎを削る寺田候補が福島第1原発事故当時、菅直人首相(当時)の補佐官として首相官邸にいたことを指したのだ。
対する寺田陣営。翌12月1日にあった国政報告会で、沼谷純選対本部長(民主党県議)が県議会でも敵対していた冨樫候補を攻撃した。
「県議会でここ2年間、一度も質問に立っていない。県議の仕事を全てなげうち、選挙活動をしてきた」
4選を狙う寺田候補は前回、9万3000票を獲得。過去に強力な敵はおらず、知名度の高さで当選を重ねてきた。
冨樫氏は県議5期を務めた。地元に密着してきた典型的な地方政治家で、後援会や党組織のネットワークが強みだ。
◎両陣営強気
政治キャリアも戦術スタイルも対照的な両陣営。論戦は政策をじっくり訴えるのではなく、互いの「あら探し」の色彩が濃くなっている。
主要争点の環太平洋連携協定(TPP)や原発問題、消費税増税については、ほとんど論争がみられない。
寺田候補はTPP交渉参加に賛成で、冨樫候補は反対だが、両候補ともほとんど触れずじまい。原発問題についても「立地県ではない秋田では関心が薄い」(両党関係者)と言う。
競り合いは優劣がつかないまま最終盤。両陣営は敵意むき出しの発言で、応酬を繰り返す。
寺田陣営は「政策面でこちらを批判するところがない証拠だ」と言い切る。冨樫陣営は「相手は相当焦ってきている。もう一押しだ」と意気込む。
◇秋田1区立候補者
冨樫 博之57 自新
寺田 学36 民前(3)
佐竹 良夫62 共新
高松 和夫70 未前(1)
近江屋信広63 維元(1)
2012年12月10日月曜日河北新報