沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(プレゼントと返礼)

2016-05-01 23:49:21 | ごみ処理計画

今日は、中城村と北中城村に対する浦添市のプレゼントと浦添市に対する中城村と北中城村の村長の返礼について書きます。

まず、下の画像をご覧下さい。

これは、2村に対する浦添市のプレゼントの概要を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、中城村と北中城村は、浦添市から他の市町村では考えられないくらいの大きなプレゼントを貰っていることになります。

しかし、2村の村長は2年前にごみ処理計画を改正して国の補助金を利用する権利を放棄しています。したがって、国の補助金を利用する権利を確保することは当然のこととして、浦添市に喜んでもらえる(浦添市の役に立つ)返礼をしないと、将来に渡って1市2村の住民感情にシコリを残すことになりかねません。

実は、広域処理を推進する場合は、この住民感情に十分に注意をしないと、ちょっとしたトラブルで広域処理が簡単に白紙撤回になってしまいます。特に1市2村における広域処理については、人口の多い方の自治体(浦添市)に広域施設を整備することになるので、2村が丁寧な返礼をしないと取り返しのつかない状況になってしまいます。

では、2村の村長は村民を代表して浦添市(浦添市民)に対してどのような返礼をすればよいのか?

下の画像をご覧下さい。

原寸大の資料(画像をクリック)

この返礼は、ただ単に法令違反を是正するために溶融炉を廃止しただけのことであって、代替措置等を講じて国の補助金を利用する権利を確保する努力はしていないので、そもそも返礼になりません。むしろ、広域処理を推進するつもりがないことを浦添市に伝えていることになってしまいます。

したがって、2村の村長がこのような返礼をすることはあり得ないと考えます。

次に、下の画像をご覧下さい。

 原寸大の資料(画像をクリック)

この返礼は、法令違反を是正して国の補助金を利用する権利を確保するためには一番分かりやすくてシンプルな返礼ですが、2村の村長は2年前に自らの判断で運用を放棄した溶融炉を再稼動して浦添市にプレゼントする形になってしまいます。

その溶融炉が、ごみ処理計画において「最終処分ゼロの継続」を目標としている浦添市と同じ方式の溶融炉で、既に長寿命化も実施している溶融炉であれば返礼として失礼にはなりません。しかし、国内では稼動している事例も長寿命化が行われている事例もない溶融炉を再稼動して長寿命化を行うという返礼になるので、間違いなく住民感情なシコリを残すことになると考えます。

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、このブログの管理者が何度もこのブログに書いてきた、2村の村長にとっては、これしかないと考えている返礼です。

原寸大の資料(画像をクリック)

この返礼であれば、法令違反の是正と同時に国の補助金を利用する権利を確保することができます。

しかも、この返礼は、浦添市の溶融炉に想定外のトラブルが発生して「最終処分ゼロの継続」が危うくなったときに役立つ返礼になります。

浦添市の溶融炉は、ストーカ炉の焼却灰を対象としていますが、平成14年度に供用を開始して平成24年度に長寿命化を実施しています。浦添市の計画によるとこの溶融炉を平成36年度頃までは稼動していくことになりますが、そうなると長寿命化から12年くらいは老朽化対策を行いながら稼動を続けることになります。

したがって、老朽化が進むと想定外のトラブルが発生することは十分に考えられます。

ストーカ炉の焼却灰であれば、溶融炉が使えなくなっても、最悪の場合、内地(九州)に運んで「セメント資源化」を行うという選択肢もありますが、2村と同じように県内(自区内)で代替措置を講じることができれば、外部委託のリスクを考えずに落ち着いて想定外のトラブルに対処することができます。

いかがでしょうか?

このブログの管理者は、2村の村長の返礼がこの返礼であれば、将来において住民感情にシコリが残るようなことはないと考えています。しかし、そうだとしても、返礼のタイミングを間違えると役に立たない返礼になってしまいます

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、その返礼のタイミングに関する資料になります。

2村の村長は今年の3月に、2年前に改正したごみ処理計画を見直して、浦添市との広域処理を推進することを表明しています。ということは、浦添市のために法令違反を是正して国の補助金を利用する権利を確保することを決定していることになります。

したがって、任期中に、①具体的な返礼の方法を決定すれば、②スケジュールも決定することになります。そして、①と②が決定すれば、③職員に対する命令を変更して、④広域処理を推進するための協議会を設立することができます。 

原寸大の資料(画像をクリック)

なお、2村の村長は平成26年3月にごみ処理計画を改正したときに、職員に対して下の画像にあるような命令を行っています。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、2村の村長は、計画の前提条件に大きな変動があった場合は職員に対して命令を変更することを伝えています。そして、2村の村長は今年の3月に浦添市との広域処理を推進することを表明しています。これは、まさに前提条件に大きな変動があったことになります。

したがって、万が一、現村長が任期を満了する前に命令を変更しなかった場合は、職員はそれまでの命令に従って浦添市との事前協議を進めることになってしまいます。しかし、それでは村長の命令に違反する(地方公務員法の規定に抵触する)事務処理になってしまいます。

既に、2村の職員は溶融炉の休止を続けている(廃止するための財産処分の承認手続を留保している)ことで地方財政法第8条の規定に抵触する事務処理を行っていますが、今度も、村長の命令に従わずに事務処理を行うことになってしまいます。

ということで、下の画像をご覧下さい。

これは、2村の村長(実質的には中城村の村長)が任期を満了する前に命令を変更しなかっら場合を想定して作成した資料です。 

原寸大の資料(画像をクリック)

昨年の12月に1市2村の広域処理に関する基本的な計画がマスコミ発表されたときに、2村の職員は浦添市との広域処理を選択肢の1つとして考えていることを認めています。しかも、広域施設の整備に関する基本計画がほとんど決定している状態でした。このような事務処理を浦添市が勝手に行って一方的にマスメディアに発表するはずがありません。

つまり、2村の村長は平成27年12月の前から非公式に職員に対して、平成26年3月に行った命令を変更していたことになります。そして、平成28年3月に正式に広域処理を推進することを表明しています。

前にも書きましたが、1市2村がまだ協議会を設立することができないでいるのは、既存施設に対する具体的な施策とスケジュールが決定していないからだと思われます。なぜなら、広域施設の整備に関する基本的な計画を決定する事務処理については、マスコミ発表があった昨年の12月の時点で終了しているからです。

となると、1市2村の職員はマスコミ発表から5ヶ月近くも中北組合の既存施設(青葉苑)に対する施策を協議していることになります。

このブログの管理者は、3月の上旬に2村の村長が広域処理の推進を決定したことで、遅くとも4月中には協議会が設立されると思っていました。なぜなら、2村にとって法令違反を是正して国の補助金を利用する権利を確保する施策は、このブログの記事にあるように2つしかないからです。しかも、そのうちの1つ(溶融炉の再稼動と長寿命化)については、浦添市に対する返礼にはなりません。このことは、2年前にごみ処理計画を改正して溶融炉の運用を放棄した2村の村長が一番良く知っていることだと思います。

したがって、消去法で考えると2村の村長には代替措置を講じて溶融炉を廃止する施策しか残っていないことになります。

ということで、上の画像は、1市2村の首長が中城村の村長の任期が満了する前に協議会を設立できなかった場合の、2村の首長の考え方を示している資料ということになります。

いかがでしょうか?

浦添市からすると、村長の言行が一致していないと感じるはずです。そうなると、村長が言行を一致してくれなければ協議会を設立するメドが立たないことになってしまいます。

その場合、浦添市はどう考えるか?

このブログの管理者は、中城村の村長の任期が満了するまでに1市2村が協議会を設立することができなかった場合は、浦添市としては広域処理のスケジュールが読めなくなるので、広域処理を白紙撤回して単独更新に変更することになると考えています。

特に、2年前にごみ処理計画を改正した村長が法令違反を是正しないまま任期を満了するということは、浦添市のプレゼントに対して最悪の返礼をすることになるので、修復が困難になる可能性があります。

次に、下の画像をご覧下さい。

これは、地方公共団体が法令違反を是正しない場合のパターンを整理した資料です。

 原寸大の資料(画像をクリック)

このように、地方公共団体が法令違反を是正しない場合は、概ねこの3つのパターンになります。そして、仮に溶融炉を休止している中城村と北中城村の職員や村長がこのどれかのパターンに該当しているとした場合は、当然のこととして、広域処理は協議会を設立する前に白紙撤回ということになります。

なお、溶融炉の処分制限期間を経過していれば、補助金を返還せずに廃止することができるので、休止していても地方財政法(第8条)は適用されないという考え方をする可能性もありますが、そうなると処分制限期間を経過した溶融炉の長寿命化を行っている浦添市は、所有財産の非効率的な運用を行っていることになり、この規定に違反していることになってしまいます。また、国は法令に違反している市町村に対して財政的援助を与えたことになるので、国も法令に違反していることになってしまいます。 

最後に、下の2つの画像をご覧下さい。

1番目の画像は、中北組合(中城村・北中城村)が浦添市のプレゼントに対して返礼を行う場合のチェックシートのようなものです。そして、2番目の画像は、2村の村長が広域処理を推進することを表明した時点で既に決定している浦添市に対する返礼の概要を整理した資料です。

 原寸大の資料(画像をクリック)

 

1番目の資料で重要なのは、1と5と6と8になります。仮に2村の村長が浦添市に対してこのような返礼を考えている場合は、間違いなく協議会を設立する前に広域処理は白紙撤回になります。

なお、2番目の資料においては、2村の村長が広域処理を推進することを表明した時点で1から7までは決定していることになります。なぜなら、2年前に国の補助金を利用する権利を放棄した2村の村長には、これ以外に選択肢がないからです。

したがって、2村の村長は8と9を決定するだけで協議会を設立することができます。

そして、中城村の村長はごみ処理計画を改正した責任者として、任期中に法令違反を是正するための施策を決定した上で協議会を設立して花道を飾りたいと考えていると思います。

ただし、事務処理上は、その前に2村の職員が浦添市との事前協議において8と9に対する決定をして、村長から協議会を設立する命令を受けなければなりません。 

広域処理の成功を祈ります。