沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

広域処理における1市2村のごみ処理計画を考える(まとめ)※追加資料(最終選択肢)その1

2016-05-07 18:39:27 | ごみ処理計画

5月31日は、中城村の村長選挙の告示日です。

そこで、今日は、法令の規定や国や県の計画に即して、1市2村の広域処理における「最終選択肢」について書きます。

まず、下の画像をご覧下さい。

いきなり、「最終選択肢」に対する結論を書くことになりますが、これは、浦添市のごみ処理計画と2村のごみ処理計画を比較するために作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

上の画像の真ん中が、「最終選択肢」になりますが、2村は溶融炉の廃止に当って代替措置を講じることによって、浦添市のごみ処理計画の重要目標である「最終処分ゼロの継続」を確保することができます。

下の画像をご覧下さい。

これは、前の記事で使用した資料ですが、「最終選択肢」に関する根拠法令になります。

原寸大の資料(画像をクリック)

1市2村は地方公共団体なので、この法令の規定を遵守しなければなりません。しかし、2村は平成26年3月から地方財政法第8条の規定に違反する事務処理を行っています。したがって、広域処理に当って法令違反を是正して、浦添市のごみ処理計画との調和を確保する努力をしなかった場合は、この法令の両方に違反することになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、上の画像の2村の「経費削減」に関する部分を再確認するために作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

2村は平成26年3月に「経費削減」を目的としてごみ処理計画を改正していますが、その時点で国の補助金を利用する権利を放棄しているために、広域処理に当って改正したごみ処理計画を見直さなければ、結果的に「経費削減」に失敗することになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、2村がごみ処理計画を見直さない場合であっても、国の補助金を利用して広域施設の整備を行うことができるという想定で作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、国が1市2村による広域施設の整備に当って財政的援助を与えた場合は、上の画像の真ん中にあるような考え方をしなければ実現しないことになります。

 

下の画像をご覧下さい。

これは、上の画像にある国の考え方に基づいて、1市2村のごみ処理計画を再確認するために作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、2村のごみ処理計画が国の補助金を利用することができるとした場合は、浦添市も同じことになるので、浦添市は平成24年度において既存施設の長寿命化を実施することなく、2村との広域処理を推進することができたことになります。したがって、今頃は、1市2村による広域施設が完成していたことになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、2村が「最終選択肢」を選択した場合と、広域処理に当ってごみ処理計画の見直しを行わなかった場合を想定して作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

市町村の事務処理が法令に違反している場合は、どのような場合であっても違反を是正しなければ国の補助金を利用することはできません。そして、地方債を発行することもできません。もちろん、金融機関から事業資金を借り入れることもできません。したがって、その場合は確実に経費(自主財源)が増加することになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、「最終選択肢」に対する考え方を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

このように、「最終選択肢」に対する考え方は、市町村の事務処理としては市町村の自主的な施策により住民の福祉の増進を図ることができる極めて適正な事務処理になると考えています。

下の画像をご覧下さい。

これは、浦添市の考え方を整理した資料になります。

原寸大の資料(画像をクリック)

「最終選択肢」と浦添市との違いは、溶融炉の長寿命化を行うか廃止するかの違いになります。しかし、「最終選択肢」の場合は浦添市と同じように「最終処分ゼロを継続」するための代替措置を講じているために、1市2村のごみ処理計画の調和を確保していることになります。

なお、浦添市が「最終処分ゼロを継続」するために溶融炉の長寿命化を実施していることも市町村の自主的な施策になりますが、浦添市の場合は他の多くの市町村が選択している一般的な施策になると考えています。

下の画像をご覧下さい。

これは、2村が平成26年3月に改正したごみ処理計画に対する考え方を整理した資料になります。

原寸大の資料(画像をクリック)

このブログの管理者は、国内においてこのようなごみ処理計画を策定している市町村は2村だけだと考えています。したがって、2村の村長や職員が浦添市との広域処理を推進する場合は、2村においては通用する考え方になるのかも知れませんが、浦添市には通用しない考え方になります。もちろん、国や県にも通用しない考え方になります。

下の画像をご覧下さい。

これは、地方公共団体の「無駄遣い」を抑制するための法令の規定ですが、目的は「住民の福祉の増進を図る」ことになっています。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

2村の議会や住民の皆さんが、2村のごみ処理計画をどこまで理解しているのかは分かりませんが、改正したごみ処理計画が住民の福祉の増進を図るための計画になっていると本気で思っている人はいないと考えています。 

ただし、ごみ処理計画に関心がない場合は、溶融炉を休止していることで、経費削減に成功していると勘違いしている可能性は十分にあると考えています。 

下の画像をご覧下さい。

これは、あり得ないことですが、国が2村に財政的援助を与えた場合を想定して作成した資料です。

原寸大に資料(画像をクリック)

このように。2村がごみ処理計画の見直しを行わない場合であっても国が財政的援助を与えた場合は、その市町村が沖縄県の市町村であることによって、間違いなくスキャンダルになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、遊びで作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

国が沖縄県の市町村のためにここまですることは絶対にありませんが、仮に1市2村が2村のごみ処理計画の見直しを行わなくても国の補助金を利用して広域施設の整備を行うことをできると考えているとしたら、市町村に対する国の補助制度はこんなことになってしまいます。

下の画像をご覧下さい。

これは、現在の国の補助制度の基づいて、平成26年3月に2村の村長が改正したごみ処理計画を整理した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、2村が2つの法令に違反している状態で、他の市町村(浦添市)との広域処理を推進することは絶対にできません。そうでなければ、国の補助制度を維持することはできないことになってしまいます。

下の画像をご覧下さい。

これは、2村が法令違反(地方財政法第8条違反)を是正するために溶融炉を廃止した場合を想定して作成した資料です。ただし、焼却炉の長寿命化については、まだ決定していない場合を想定しています。

原寸大の資料(画像をクリック)

このように、2村が溶融炉を廃止して法令違反(地方財政法第8条違反)を是正したとしても、焼却灰の民間委託処分を行っている場合は、浦添市のごみ処理計画(最終処分ゼロを継続する計画)との調和を確保していないことになるので、廃棄処理法第6条第3項の規定に違反する事務処理を行っていることになります。

下の画像をご覧下さい。

これは、上の画像において焼却炉の長寿命化の延期を中止に変えた場合を想定して作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック) 

このように、溶融炉を廃止することで地方財政法違反を是正することができますが、焼却炉の長寿命化を中止すると、また、同じ法令の規定に違反することになってしまいます。

なお、2村における焼却炉の長寿命化の中止は、村民の福祉の増進を図ることができない施策になるだけでなく、1度も長寿命化を行ったことのない焼却炉を広域組合が引き継いで、結果的に20年以上稼動を続けることになるため、浦添市の財政に累を及ぼすような施策になると考えます。

下の画像をご覧下さい。

これは、このブログで一度使用したことのある画像ですが、1市2村が広域組合を設立すると、中北組合の焼却炉は広域組合の既存施設になります。したがって、この焼却炉の長寿命化を中止した場合は、1市2村の広域組合だけが、1度も長寿命化を実施したことのない焼却炉を所有している自治体ということになってしまいます。

原寸大の資料(画像をクリック)

中北組合の焼却炉が比較的新しい焼却炉で、長寿命化を実施する時期と広域施設を整備する時期が重なれば、場合によっては、長寿命化を中止した方が「所有財産の最も効率的な運用」を行うことができるかも知れません。

しかし、他の市町村と比べた場合、既に長寿命化を実施する時期を経過している焼却炉(平成28年度は14年目)をそのまま使い続けるという施策は、やはり、地方財政法第8条の規定に抵触すると考えます。また、地方財政法第2条第1項の規定にも抵触すると考えます。

下の画像をご覧下さい。

これは、地方財政法の「目的」と市町村の「責務」に関する重要な規定ですが、市町村が他の市町村と広域処理を行う場合は、地方財政法第2条第1項の規定が極めて重要な規定になります。

原寸大の資料(画像をクリック)

 

下の画像をご覧下さい。

これは、2村が地方財政法第8条違反と廃棄物処理法第6条第3項違反を是正するために、休止している溶融炉を再稼動して長寿命化を行う場合を想定して作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

浦添市が2村と広域処理を推進するために広域組合を設立すると、2村(中北組合)の既存施設(本島では唯一の流動床炉と国内では稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない溶融炉)を無償で引き継ぐことになりますが、その場合、引き継いだ既存施設は、法制度上、広域組合が整備した既存施設ということになります。しかし、浦添市は2村の既存施設の整備に関する事務処理には関わっていません。したがって、この選択肢は、2村が既存施設を「単独更新」する場合の選択肢であって、他の市町村と広域処理を推進するための選択肢にはならないことになります。 

下の画像をご覧下さい。

これは、2村が溶融炉を廃止するための代替措置として、焼却灰の資源化を外部委託する施策を選択肢にしている場合を想定して作成した資料です。

原寸大の資料(画像をクリック)

2村(中北組合)の焼却炉が浦添市と同じストーカ炉であれば、この施策を選択肢にすることは可能であると考えます。しかし、焼却炉が流動床炉である場合は、選択肢から除外しなければなりません。なぜなら、塩分濃度の高い流動床炉の焼却灰(飛灰=ばいじん)の資源化行うことができる施設は沖縄県内にはないからです。また、内地においても継続して資源化を行うことができる施設は皆無に等しい状況だからです。

したがって、仮に1市2村の職員や首長、そして2村の議会が同意したとしても、浦添市の議会と住民は同意しない(同意できない)と考えます。

なお、このブログの管理者は、沖縄県の市町村が流動床炉の焼却灰(飛灰=ばいじん)を県外(内地)で資源化する施策については、地域計画の策定に関する国や県との協議において大きな問題になると考えています。

ちなみに、2村が焼却灰の脱塩処理を行うことにすれば内地においてセメント原料化等による資源化を行うことも不可能ではありません。しかし、流動床炉の焼却灰に関する脱塩処理の事例はないに等しい状況なので、広域処理を推進するための「最終選択肢」にはならないと考えます。

また、脱塩処理を行えば、当然のこととして残渣(脱塩残渣)が発生します。しかし、浦添市は「最終処分ゼロの継続」を目標にしているので、広域組合においてこの「脱塩残渣」の資源化を推進しなければならないことになります。

したがって、この施策は、2村にとっても浦添市にとっても、ほとんどメリットのない、デメリットばかりの施策になります。

その2に続く