9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について <円の支配者> リチャード・A・ヴェルナー 著

2017年04月10日 | 日記
とあるスナックで

小林
この本の中でも、日本のあの<バブル>と<崩壊>の事がかいてありますね。 P-159

銀行が金利を値引きしてまで顧客獲得に走ったことを語るエピソードは山ほどある。たとえば、小さな不動産開発会社のオーナーは、1987年末にそれまで取引のなかった大手都市銀行の支店長が訪ねてきた、と言う。支店長は取引を申し出ただけでなく、銀行から金を借りてくれと懇願した。金利はいくらでもそちらの言うとおりでいい、と彼は確約した。「どうか借り入れをしてください。金利だの返済予定だのというご心配はいっさいいりません」と支店長は言った。社長のほうが、べつに資金を必要とはしていない、と断ると、支店長は部下に作らせた具体的な不動産プロジェクトの資料を取り出した。そして、東京の商業地域にちょっとした土地があり、6億円で買えると説明した。銀行は担保価値の70パーセントまでしか貸せないのだから、ふつうならこの土地については4億2千万円しか貸すことができない。しかし、銀行はその土地について11億円の架空売買契約書をつくった。この契約書を使えば、開発資金を7億7千万円まで融資することができる。表向きは担保価値の70パーセントという比率は守られるが、現実には100パーセントを優に超える融資が行われていたのだ。
文書になったものだけでも同様ののケースはまだある。銀行の貸出担当者は上司に貸出額を増やせと責められて、借り手になりそうな顧客を探し回り、投機的な土地購入にふんだんに金を貸した。その土地は担当者が前もって選び、価値を「推計」しておいて、キャピタル・ゲインを「保証」するという仕掛けである。

銀行はどう見ても、必死になって金を貸したがっていた。しろうとには奇妙な現象に映る。そこで、まもなく「金あまり」という言葉が生まれた。エコノミストやアナリスト、金融市場や不動産の関係者たちは、自分たちはもっと理解しているつもりで、しろうとの単純な分析を一蹴した。地価が上がるのは金あまりのせいなんかではない、はるかに複雑な理由があるのだ、と彼らは主張した。一般人には高度な金融の技術が理解できないだけだ。金融と経済を大学で勉強した専門家は、市場価格はつねに正しく、したがって地価も正当であることを理解できるのだ、と。

蓋を開けてみれば、専門家よりも巷の一般人のほうが賢明だった。「金あまり」とは、まさに言い得て妙だった。銀行はあまりに多くの金を貸し、あまりに多くの金を創造した。消費に使われる金はそう多くはなかったから、消費者物価はほどほどにとどまった。金は金融取引に使われ、資産価値が上昇した。資産インフレ、いまでは「バブル」と呼ばれる現象が起こったのである。
個々の銀行は気づいていなっかたが、彼らは集団で地価を押し上げていた。これが、70年代はじめに起こった日本の不動産価格上昇の実態である。80年代にアメリカやイギリスで担保融資が盛んになり、住宅価格が高騰したのも同じ仕組みだ。同じプロセスが、20年代には「ゴールデン・トゥエンティズ」を生み出した。アメリカの銀行は株を担保に金を貸した。原理は同じである。各銀行が株価を所与と考えれば、株価は上昇せずにはいない。銀行は株価の何割かを担保として認めても安全だと考えた。しかし、すべての銀行が同じ行動に出れば、株式相場は上昇する。するとますます多くのお金が創造される。銀行が押し上げる信用ブームは90年代の韓国やタイ、インドネシア、マレーシアなどでも起こった。(コー注:そして最近の中国でも起きた)すべて、同じ物語である。そして、信用ブームのなれのはてもまた、つねに同じだ。信用の崩壊、銀行危機、深刻な不況である。



コー
仕組みが分かってしまうと、それほど理解するのが難しいとは思えないんだけどね、なぜか同じことが繰り返される。
コメント
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