日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(370)「象は鼻(と牙)が長い」の「述語論理」(Ⅱ)。

2019-10-17 18:03:01 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
① ∃y(鼻yx&長y)
② ∀y(鼻yx→長y)≡∀y(~鼻yx∨長y)
に於いて、{a,b,c}が「yの変域(ドメイン)」であるとき、両者は、
①( 鼻ax&長a)∨( 鼻bx&長b)∨( 鼻cx&長c)
②(~鼻ax∨長a)&(~鼻bx∨長b)&(~鼻cx∨長c)
である。
然るに、
(02)
①( 鼻ax&長a)∨( 鼻bx&長b)∨( 鼻cx&長c)
②(~鼻ax∨長a)&(~鼻bx∨長b)&(~鼻cx∨長c)
である以上、
①=② ではない。
cf.
① は「連言の、選言」。
② は「選言の、連言」。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(  長z→  鼻zx)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって長く)、すべてのzについて(zが長いならば、zはxの鼻である)}。
② すべてのxについて{xが象であるならば、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長く)、すべてのzについて(zが長いならば、zはxの鼻である)}。
に於いて、
①≒② ではあるが、
①=② ではない。
然るに、
(04)
(1)象は鼻長い。 然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 従って、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1    (1)象は鼻長い。                        A
1    (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2   (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)有る兎は象である。                      A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3  (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1    (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2   (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)   兎a                          6&E
   6 (8)      象a                       6&E
1  6 (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6 (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6 (イ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    ウ(ウ)         耳ba&長b                A
1  6 (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
1  6 (オ)                    ~鼻ba→~長b   エUE
 2 6 (カ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6 (キ)                    耳ba→~鼻ba   カUE
    ウ(ク)                    耳ba        ウ&E
 2 6ウ(ケ)                        ~鼻ba   キクMPP
12 6ウ(コ)                         ~長b   オケMPP
    ウ(サ)             長b                ウ&E
12 6ウ(シ)             長b&~長b            コサ&I
12 6 (ス)             長b&~長b            イウシEE
123  (セ)             長b&~長b            36スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                     3セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                      ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                     テUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   テUI
12   (〃)兎は象ではない。                        テUI 
(ⅱ)
1    (1)象は鼻長い。                        A                          
1    (〃)∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(長z→鼻zx)}   A
 2   (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。             A
 2   (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)ある兎は象である。                      A
  3  (〃)∃x(兎x&象x)                      A
1    (4)   象a→∀y(鼻ya→長y)&∀z(長z→鼻za)    1UE
 2   (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)   兎a                          6&E
   6 (8)      象a                       6&E
1  6 (9)      ∀y(鼻ya→長y)&∀z(長z→鼻za)    48MPP
1  6 (ア)      ∀y(鼻ya→長y)               9&E
1  6 (イ)         鼻ba→長b                アUE
1  6 (ウ)                 ∀z(長z→鼻za)    9&E
1  6 (エ)                    長b→鼻ba     ウUE
 2 6 (オ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6 (カ)      ∃y(耳ya&長y)               オ&E
    キ(キ)         耳ba&長b                A
    キ(ク)         耳ba                   キ&E
    キ(ケ)             長b                キ&E
 2 6 (コ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  オ&E
 2 6 (サ)                    耳ba→~鼻ba   コUE
 2 6キ(シ)                        ~鼻ba   クサMPP
12 6キ(ス)                   ~長b         エシMTT
12 6キ(セ)             長b&~長b            ケス&I
12 6 (ソ)             長b&~長b            カキセEE
123  (タ)             長b&~長b            36ソEE
12   (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12   (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12   (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12   (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12   (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12   (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
12   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ナUI
12   (〃)兎は象ではない。                        ナUI
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(  長z→  鼻zx)}
に於いて、
①=② ではないが、
(1)象は鼻が長い。 然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 従って、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論」に於ける、
(1)象は鼻が長い。
といふ「前提(Premise)」の「翻訳」としては、
① であっても、
② であっても、どちらでも良い。
(07)
(ⅲ)
1      (1)象は鼻と牙長い。                            A
1      (〃)∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx→長y)&∀z(長z→鼻zx∨牙zx)} A
 2     (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではないし、牙でもない。            A
 2     (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx&~牙zx)}  A
  3    (3)ある兎は象である。                            A
  3    (〃)∃x(兎x&象x)                            A
1      (4)   象a→∀y(鼻ya∨牙ya→長y)&∀z(長z→鼻za∨牙za)  1UE
 2     (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za)   2UE
   6   (6)   兎a&象a                             A
   6   (7)   兎a                                6&E
   6   (8)      象a                             6&E
1  6   (9)      ∀y(鼻ya∨牙ya→長y)&∀z(長z→鼻za∨牙za)  48MPP
1  6   (ア)      ∀y(鼻ya∨牙ya→長y)                 9&E
1  6   (イ)         鼻ba∨牙ba→長b                  アUE
1  6   (ウ)                     ∀z(長z→鼻za∨牙za)  9&E
1  6   (エ)                        長b→鼻ba∨牙ba   ウUE
 2 6   (オ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za)   57MPP
 2 6   (カ)      ∃y(耳ya&長y)                     オ&E
    キ  (キ)         耳ba&長b                      A
    キ  (ク)         耳ba                         キ&E
    キ  (ケ)             長b                      キ&E
 2 6   (コ)                 ∀z(耳za→~鼻za&~牙za)   オ&E
 2 6   (サ)                    耳ba→~鼻ba&~牙ba    コUE
 2 6キ  (シ)                        ~鼻ba&~牙ba    クサMPP
1  6キ  (ス)                         鼻ba∨ 牙ba    エケMPP
     セ (セ)                         鼻ba         A
 2 6キ  (ソ)                        ~鼻ba         シ&E
 2 6キセ (タ)                         鼻ba&~鼻ba    セソ&I
 2 6 セ (チ)            ~長b                      ケタRAA
      ツ(ツ)                              牙ba    A
 2 6キ  (テ)                             ~牙ba    シ&E
 2 6キ ツ(ト)                         牙ba&~牙ba    ツテ&I
 2 6  ツ(ナ)            ~長b                      ケトRAA
12 6キ  (ニ)            ~長b                      スセチツナ∨E
1  6キ  (ヌ)             長b                      イスMPP
12 6キ  (ネ)            ~長b&長b                   ニヌ&I
12 6   (ノ)            ~長b&長b                   カキネEE
123    (ハ)            ~長b&長b                   36ノEE
12     (ヒ)~∃x(兎x&象x)                           3ハRAA
12     (フ)∀x~(兎x&象x)                           ヒ量化子の関係
12     (ヘ)  ~(兎a&象a)                           フUE
12     (ホ)  ~兎a∨~象a                            ヘ、ド・モルガンの法則
12     (マ)   兎a→~象a                            ホ含意の定義
12     (ミ)∀x(兎x→~象x)                           マUI
12     (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。         マUI
12     (〃)兎は象ではない。                              マUI
従って、
(07)により、
(08)
(1)象は鼻と牙長い。 然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではないし、牙でもない。 従って、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論」に於ける、
(1)象は鼻と牙長い。
といふ「前提(Premise)」の「翻訳」は、
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx→長y)&∀z(長z→鼻zx∨牙zx)}⇔
③ すべてのxについて{xが象であるならば、すべてのyについて(yがxの鼻であるかxの牙であるならば、yは長く)、すべてのzについて(zが長いならば、zはxの鼻であるかzはxの牙である)}。
といふ風に、書くことが出来る。
然るに、
(09)
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y)&∀z(長z→鼻zx)}
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx→長y)&∀z(長z→鼻zx∨牙zx)}
は、次(10)のやうに、書くこと出来る。
(10)
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&長y→鼻zy)}
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx→長y&長y→鼻yx∨牙yx)}
(11)
② ∀x{象x→∀y(鼻yx→長y&長y→鼻zy)}
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx→長y&長y→鼻yx∨牙yx)}
は、更に、「⇔」を用ひて、(12)のやうに、書くこと出来る。
(12)
② ∀x{象x→∀y(鼻yx⇔長y)}
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx⇔長y)}
従って、
(12)により、
(13)
② ∀x{象x→∀y(鼻yx⇔長y)}
③ ∀x{象x→∀y(鼻yx∨牙yx⇔長y)}
であるため、
④ ∀x{マンモスx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx⇔長y)}
であるならば、
④ マンモスは鼻と牙と毛長い。
である。
cf.
巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さ5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
従って、
(13)により、
(14)
② 象は鼻長い。≡
② ∀x{象x→∀y(鼻yx⇔長y)}≡
② すべてのxについて{xが象であるならば、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、そのときに限って、yは長い)}。
といふ風に、「理解」することが出来る。