日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(362)∀xFx∨∀xGx├ ∀x(Fx∨Gx)

2019-10-05 12:41:06 | 論理

(01)
「&(の働き)」と「∨(の働き)」を理解してゐれば、
① (Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない
といふことは、「容易理解」出来る。
然るに、
(02)
存在量記号選言の仲間であり、普遍量記号連言の仲間である(E.J.レモン、論理学初歩)。」といふことから、
① (Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「事態」は、{a,b,c}が「ドメイン(変域)」であるとして、
① ∀xFx∨∀xGx
② ∀x(Fx∨Gx)
といふ「論理式」に相当する。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀xFx∨∀xGx
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1) ∀xFx∨∀xGx A
 2 (2) ∀xFx      A
 2 (3)   Fa      2UE
 2 (4)   Fa∨Ga   3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)  4UI
  6(6)      ∀xGx A 
  6(7)        Ga 6UE
  6(8)   Fa∨Ga   7∨I
  6(9)∀x(Fx∨Gx)  8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)  12569∨E
従って、
(03)(04)により、
(05) 
確かに、
① ∀xFx∨∀xGx
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1)∀x(Fx∨Gx)  A
1 (2)   Fa∨Ga   1UE
 (3)   F      A
 3(4) ∀xFx      UI
然るに、
(07)
しかし(3)は「」を含む故、ここで∀xFxを結論することはさしとめられる
(論理学初歩、E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、156)
(08)
1 (2)   Fa∨Ga   1UE
 (3)   F      A
 3(4) ∀xFx      UI
といふことは、
  (2)aはFであるか、aはGである。
  (3)仮に、aFであるとする。従って、
  (4)aはFであり、bFであり、cFである。
と言ってゐるのに「等しい」ため、当然、「マチガイ」である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
(ⅱ)
1  (1) ∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)    Fa∨Ga  1UE
 3 (3)    Fa     A
 3 (4)  ∀xFx     3UI
に続く、
 3 (5)∀xFx∨∀xGx  4∨I
  6(6)       Ga  A
  6(7)     ∀xGx  6UI
  6(8)∀xFx∨∀xGx  7∨I
1  (9)∀xFx∨∀xGx  23568∨E 
といふ「計算」も、「妥当」ではない
従って、
(06)~(09)により、
(10)
確かに、
① ∀xFx∨∀xGx
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
② ならば、① ではない
従って、
(03)(05)(09)により、
(10)
確かに、
① ∀xFx∨∀xGx
② ∀x(Fx∨Gx)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない。
(11)
「&(の働き)」と「∨(の働き)」を理解してゐれば、
① (Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことは、「容易理解」できる。といふ際に、
「どのやうに、容易に理解できる」のかと言ふと、「結局」は、
(ⅰ)
1  (1) ∀xFx∨∀xGx A
 2 (2) ∀xFx      A
 2 (3)   Fa      2UE
 2 (4)   Fa∨Ga   3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)  4UI
  6(6)      ∀xGx A 
  6(7)        Ga 6UE
  6(8)   Fa∨Ga   7UI
  6(9)∀x(Fx∨Gx)  8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)  12569∨E
(ⅱ)
1  (1) ∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)    Fa∨Ga  1UE
 3 (3)    Fa     A
 3 (4)  ∀xFx     3UI
といふ「計算」と、「同じ思考の過程を辿る」ことによって、「容易理解できる」。


(361)∃x(Fx&Gx)├ ∃xFx&∃xGx

2019-10-04 10:41:17 | 論理

(01)
①「男子の学生がゐる。」ならば、
②「男子がゐて、学生がゐる。」
然るに、
(02)
②「男子がゐて、学生がゐる。」としても、
①「男子の学生がゐる。」とは、限らない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①「男子の学生がゐる。」
②「男子がゐて、学生がゐる。」
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
然るに、
(04)
存在量記号選言の仲間であり、普遍量記号連言の仲間である(E.J.レモン、論理学初歩)。」といふことから、
{a,b,c}の{三人}が「ドメイン(変域)」であるならば、
①「男子の学生がゐる。」
②「男子がゐて、学生がゐる。」
は、それぞれ、
①(男子a&学生a)∨(男子b&学生b)∨(男子c&学生c)
②(男子a∨男子b∨男子c)&(学生a∨学生b∨学生c)
といふ「事態」に、相当する。
然るに、
(05)
{a,b,c}の{三人}が「ドメイン(変域)」であるならば、
①(男子a&学生a)∨(男子b&学生b)∨(男子c&学生c)
②(男子a∨男子b∨男子c)&(学生a∨学生b∨学生c)
といふ「事態」は、
① ∃x(男子x&学生x)
② ∃x男子x&∃x学生x
といふ「式」で、表すことが、出来る。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
①「男子の学生がゐる。」
②「男子がゐて、学生がゐる。」
といふ「日本語」は、
① ∃x(男子x&学生x)
② ∃x男子x&∃x学生x
といふ「式」に、相当し、それ故に、
① ∃x(男子x&学生x)
② ∃x男子x&∃x学生x
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)
1 (1)∃x(男子x&学生x)     A
1 (〃)男子の学生がゐる。       A
 2(2)   男子a&学生a      A
 2(3)   男子a          2&E
 2(4)∃x(男子x)         3EI
 2(5)       学生a      2&E
 2(6)    ∃x(学生x)     5EI
 2(7)∃x(男子x)&∃x(学生x) 46&I
1 (8)∃x(男子x)&∃x(学生x) 127EE
といふ「計算」は、「妥当」であるが、
(ⅱ)
1   (1)∃x(男子x)     A
1   (〃)あるxは男子である。  A
 2  (2)∃x(学生x)     A
 2  (〃)あるxは学生である。  A
   ()   男子      A
   )   学生      A
  34(5)   男子a&学生a  34&I
  34(6)∃x(男子x&学生x) 5EI
 23 (7)∃x(男子x&学生x) 24EE
12  (8)∃x(男子x&学生x) 13EE
12  (〃)男子の学生がゐる。   13EE
といふ「計算」は、「妥当」ではない
(08)
「&(の働き)」と「∨(の働き)」と「真理表」を理解してゐれば、
①(男子a&学生a)∨(男子b&学生b)∨(男子c&学生c)
②(男子a∨男子b∨男子c)&(学生a∨学生b∨学生c)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない。
といふことは、「容易に理解」出来る。


(360)「鈴木建設は私が社長です」の「述語論理」(Ⅱb)。

2019-10-03 16:08:37 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
1 (1)∃x(男子x&学生x)     A
1 (〃)男子の学生がゐる。       A
 2(2)   男子a&学生a      A
 2(3)   男子a          2&E
 2(4)∃x(男子x)         3EI
1 (5)∃x(男子x)         124EE
 2(6)       学生a      2&E
 2(7)    ∃x(学生x)     6EI
1 (8)    ∃x(学生x)     127EE
1 (9)∃x(男子x)&∃x(学生x) 78&I
1 (〃)男子がゐて、学生がゐる。    78&I
(02)
1   (1)∃x(男子x)     A
1   (〃)あるxは男子である。  A
 2  (2)∃x(学生x)     A
 2  (〃)あるxは学生である。  A
  3 (3)   男子      A
   4(4)   学生      A
  34(5)   男子a&学生a  34&I
  34(6)∃x(男子x&学生x) 5EI
 23 (7)∃x(男子x&学生x) 24EE
12  (8)∃x(男子x&学生x) 13EE
12  (〃)男子の学生がゐる。   13EE
従って、
(01)(02)により、
(03)
①「男子の学生がゐる。」ならば「男子がゐて学生がゐる。」○
②「男子がゐて学生がゐる。」ならば「男子の学生がゐる。」×
然るに、
(04)
②「男性の教師がゐて女学生がゐる。」としても、
②「男子がゐて、   学生がゐる。」
然るに、
(05)
②「男性教師がゐて女学生がゐる。」としても、
②「男子の学生がゐる。」といふことには、ならない
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①「男子の学生がゐる。」ならば「男子がゐて学生がゐる。」
②「男子がゐて学生がゐる。」ならば「男子の学生がゐる。」
に於いて、
① は「妥当」であるものの、
② は「妥当」ではない
従って、
(01)~(06)により、
(07)
(02)で行った「計算」は、
1   (1)∃x(男子x)     A
1   (〃)あるxは男子である。  A
 2  (2)∃x(学生x)     A
 2  (〃)あるxは学生である。  A
  3 (3)   男子a      A
までは、「妥当」であるものの、
   4(4)   学生a      A
  34(5)   男子a&学生a  34&I
  34(6)∃x(男子x&学生x) 5EI
 23 (7)∃x(男子x&学生x) 24EE
12  (8)∃x(男子x&学生x) 13EE
に関しては、「妥当」ではない
従って、
(07)により、
(08)
昨日示した、以下の「計算」も、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx& ∀z(社長zx→y=z)]} A
ではなく
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]} A
であるならば、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&~∀z(社長zx→y=z)]} A
1     (2)   S社の社員a→∃y[私y&社長ya&~∀z(社長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   S社の社員a                            A
13    (4)          ∃y[私y&社長ya&~∀z(社長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&社長ba&~∀z(社長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&社長ba                 5&E
  5   (7)             私b                      5&E
  5   (8)                社長ba                 5&E
  5   (9)                     ~∀z(社長za→b=z)   5&E
  5   (ア)                     ∃z~(社長za→b=z)   9量化子の関係
   イ  (イ)                       ~(社長a→b=)   A
   イ  (ウ)                      ~(~社長ca∨b=c)   イ含意の定義
   イ  (エ)                       ~~社長ca&b≠c    ウ、ド・モルガンの法則
   イ  (オ)                         社長ca&b≠c    エDN
   イ  (カ)                         社長ca        オ&E
までは、「妥当」であるものの、
    キ (キ)   ∃z(浜崎z&~私z)                       A
     ク(ク)      浜崎&~私                        A
     ク(ケ)      浜崎c                            キ&E
   イ ク(コ)      浜崎c&社長ca                       カケ&I
   イ ク(サ)   ∃z(浜崎z&社長za)                      コEI
   イキ (シ)   ∃z(浜崎z&社長za)                      キクサEE
  5 キ (ス)   ∃z(浜崎z&社長za)                      5イシEE
13  キ (セ)   ∃z(浜崎z&社長za)                      45スEE
1   キ (ソ)   S社の社員a→∃z(浜崎z&社長za)               3セCP
1   キ (タ)∀x{S社の社員x→∃z(浜崎z&社長zx)               ソUI
に関しては、「妥当」ではない
従って、
(08)により、
(09)
(1)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である、といふことはない。 然るに、
(キ)あるzは浜崎であって、zは私ではない。 従って、
(ソ)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるzは浜崎であって、zはxの社長である。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
従って、
(09)により、
(10)
(1)鈴木建設は私以外にも社長はゐる。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。        従って、
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長である。
といふ「推論」は、「妥当」ではなく
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長であるかも知れないし、社長ではないかも知れない。
といふ「結論」が、「正しい」。
然るに、
(11)
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]} A
ではなく
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx& ∀z(社長zx→y=z)]} A
であるならば、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]} A
1     (2)   S社の社員a→∃y[私y&社長ya&∀z(社長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   S社の社員a                           A
13    (4)          ∃y[私y&社長ya&∀z(社長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&社長ba&∀z(社長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&社長ba                5&E
  5   (7)             私b                     5&E
  5   (8)                社長ba                5&E
  5   (9)                     ∀z(社長za→b=z)   5&E
  5   (ア)                        社長ca→b=c    9UE
   イ  (イ)   ∃z(浜崎z&~私z)                      A
    ウ (ウ)      浜崎c&~私c                       A
    ウ (エ)      浜崎c                           ウ&E
    ウ (オ)          ~私c                       ウ&E
     カ(カ)            b=c                     A
    ウカ(キ)          ~私b                       オカ=E
  5 ウカ(ク)          ~私b&私b                    7キ&I
  5 ウ (ケ)            b≠c                     カクRAA
  5 ウ (コ)                       ~社長ca        アケMTT
  5 ウ (サ)      浜崎c&~社長ca                     エコ&I
  5 ウ (シ)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    サEI
  5イ  (ス)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    イウシEE
13 イ  (セ)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    45スEE
1  イ  (ソ)   S社の社員a→∃z(浜崎z&~社長za)             3セCP
1  イ  (タ)∀x{S社の社員x→∃z(浜崎z&~社長zx)}            ソUI
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(11)により、
(12)
(1)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。 然るに、
(イ)あるzは浜崎であって、zは私ではない。 従って、
(タ)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるzは浜崎であって、zはxの社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」であり、
従って、
(12)により、
(13)
(1)鈴木建設は私社長です。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。    従って、
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
(1)鈴木建設は私社長です。
といふ「日本語」は、
(1)鈴木建設は、私は社長であり、私以外は社長ではない
とい「意味」であり、それ故、「記号」で書くならば、
(1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]}。
といふ、ことになる。


(359)「鈴木建設は私が社長です」の「述語論理」(Ⅱ)。

2019-10-02 14:11:52 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]} A
1     (2)   S社の社員a→∃y[私y&社長ya&∀z(社長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   S社の社員a                           A
13    (4)          ∃y[私y&社長ya&∀z(社長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&社長ba&∀z(社長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&社長ba                5&E
  5   (7)             私b                     5&E
  5   (8)                社長ba                5&E
  5   (9)                     ∀z(社長za→b=z)   5&E
  5   (ア)                        社長ca→b=c    9UE
   イ  (イ)   ∃z(浜崎z&~私z)                      A
    ウ (ウ)      浜崎c&~私c                       A
    ウ (エ)      浜崎c                           ウ&E
    ウ (オ)          ~私c                       ウ&E
     カ(カ)            b=c                     A
    ウカ(キ)          ~私b                       オカ=E
  5 ウカ(ク)          ~私b&私b                    7キ&I
  5 ウ (ケ)            b≠c                     カクRAA
  5 ウ (コ)                       ~社長ca        アケMTT
  5 ウ (サ)      浜崎c&~社長ca                     エコ&I
  5 ウ (シ)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    サEI
  5イ  (ス)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    イウシEE
13 イ  (セ)   ∃z(浜崎z&~社長za)                    45スEE
1  イ  (ソ)   S社の社員a→∃z(浜崎z&~社長za)             3セCP
1  イ  (タ)∀x{S社の社員x→∃z(浜崎z&~社長zx)}            ソUI
従って、
(01)により、
(02)
(1)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。 然るに、
(イ)あるzは浜崎であって、zは私ではない。 従って、
(タ)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるzは浜崎であって、zはxの社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(1)鈴木建設は私社長です。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。    従って、
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
① すべてのzはFである。
② Fでないzは存在しない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
② Fでないzは存在しない。の「否定」は、
② Fでないzが存在する。 の「肯定」である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① すべてのzはFである。 の「否定」は、
② Fでないzが存在する。 の「肯定」である。
従って、
(06)により、
(07)
① ~∀zFz=すべてのzがFである。といふことはない。
② ∃z~Fz=Fでないzが存在する。
に於いて、
①=② であるものの、このことを、「量化子の関係」といふ。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1)~∀z(社長zx→y=z) A
1 (2)∃z~(社長zx→y=z) 1量化子の関係
 3(3)  ~(社長cx→y=c) A
 3(4) ~(~社長cx∨y=c) 3含意の定義
 3(5)  ~~社長cx&y≠c  4ド・モルガンの法則 
 3(6)    社長cx&y≠c  5DN
 3(7) ∃z(社長zx&y≠z) 6EI
1 (8) ∃z(社長zx&y≠z) 237EE
(ⅱ)
1 (1) ∃z(社長zx&y≠z) A
 2(2)    社長cx&y≠c  A
 2(3) ~(~社長cx∨y=c) 2ド・モルガンの法則
 2(4)  ~(社長cx→y=c) 3含意の定義
 2(5)∃z~(社長zx→y=z) 4EI
1 (6)∃z~(社長zx→y=z) 125EE
1 (7)~∀z(社長zx→y=z) 6量化子の関係
従って、
(07)(08)により、
(09)
量化子の関係」により、
① ~∀z(社長zx→y=z)≡すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。といふわけではない
②  ∃z(社長zx&y≠z)≡       あるzは、xの社長であって、  yとzは「同一」ではない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx& ∀z(社長zx→y=z)]} A
ではなく、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&~∀z(社長zx→y=z)]} A
であるならば、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&~∀z(社長zx→y=z)]} A
1     (2)   S社の社員a→∃y[私y&社長ya&~∀z(社長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   S社の社員a                            A
13    (4)          ∃y[私y&社長ya&~∀z(社長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&社長ba&~∀z(社長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&社長ba                 5&E
  5   (7)             私b                      5&E
  5   (8)                社長ba                 5&E
  5   (9)                     ~∀z(社長za→b=z)   5&E
  5   (ア)                     ∃z~(社長za→b=z)   9量化子の関係
   イ  ()                       ~(社長a→b=)   A
   イ  (ウ)                      ~(~社長ca∨b=c)   イ含意の定義
   イ  (エ)                       ~~社長ca&b≠c    ウ、ド・モルガンの法則
   イ  (オ)                         社長ca&b≠c    エDN
   イ  (カ)                         社長a        オ&E
    キ (キ)   ∃z(浜崎z&~私z)                       A
     ク()      浜崎&~私                        A
     ク(ケ)      浜崎c                            キ&E
   イ ク(コ)      浜崎c&社長ca                       カケ&I
   イ ク(サ)   ∃z(浜崎z&社長za)                      コEI であるものの、
   イ ク(〃)   ∃z(浜崎z&社長za)                      コEI の場合は、(イ)にも(ク)にも、「」があるため、
   イキ (シ)   ∃z(浜崎z&社長za)                      キクサEE は、「反則」であって、そのため、ここ迄で、「終了」である。
従って、
(02)(09)(10)により、
(11)
(1)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。 然るに、
(イ)あるzは浜崎であって、zは私ではない。 従って、
(タ)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるzは浜崎であって、zはxの社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」であるが、
(1)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である、といふことはない。 然るに、
(キ)あるzは浜崎であって、zは私ではない。 従って、
(ソ)すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるzは浜崎であって、zはxの社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
従って、
(03)(10)(11)により、
(12)
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx& ∀z(社長zx→y=z)]} A
ではなく、
1     (1)∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]} A
であるならば、
(1)鈴木建設は私社長です。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。    従って、
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(13)
① ~∀z(社長zx→y=z)≡すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。といふわけではない
②  ∃z(社長zx&y≠z)≡       あるzは、xの社長であって、  yとzは「同一」ではない
といふことは、
② すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、社長は、少なくとも、yとzの、「二人」がゐる。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
(1)鈴木建設は私社長です。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。    従って、
(タ)鈴木建設であるならば、浜崎は社長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
といふのであれば、
(1)鈴木建設は私社長です。
と言へば、それだけで、
(1)鈴木建設には、「社長は一人しかゐない。」
といふ風に、言ってゐる、ことになる。
然るに、
(15)
(1)鈴木建設は私社長です。
といふ「言ひ方」は、「普通」であるが、
(2)鈴木建設は私社長です。
といふ「言ひ方」は、「普通」は、しない
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 鈴木建設は私社長です。⇔
① 鈴木建設の社長は私であり、私以外は社長ではない。⇔
① ∀x{S社の社員x→∃y[私y&社長yx&∀z(社長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xが鈴木建設の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの社長であって、すべてのzについて、zがxの社長であるならば、yはzと「同一」である。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(16)により、
(17)
② タゴール記念会は私理事長です。⇔
② タゴール記念会の理事長は私であり、私以外は理事長ではない。⇔
② ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}⇔
② すべてのxについて、xがタゴール記念会の社員であるならば、あるyは私であって、yはxの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yはzと「同一」である。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)~(17)により、
(18)
(1)タゴール記念会は私理事長です。 然るに、
(イ)浜崎は私ではない。        従って、
(タ)タゴール記念会であるならば、浜崎は理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」であるとされるのであれば、三上章先生は、
「タゴール記念会は私理事長です。」といふ「日本語」の、
 ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。
といふ「論理構造」を、「否定」することは、出来ないし、「無視」することも、出来ない。
然るに、
(19)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(20)
② タゴール記念会は私理事長です。⇔
② ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。
といふ「論理構造」と、
 タゴール記念会は、私理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である
といふこととは、「無関係」である。
従って、
(19)(20)により、
(21)
「三上章、日本語の論理、1963年」を書いた、三上章先生は、
② タゴール記念会は私理事長です。
といふ「日本語」の、
② ∀x{T記念会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。
といふ「論理構造」を、理解してゐたとは、言へない