吉村氏のエッセイの中には、こんな実用的なことも取り上げられています。
関東大震災についてです。
★ 父 「ちょうど昼食の支度をしている時間だったんで、七輪や竈から発火したのだ」
★ 吉村氏 「それは勿論あっただろうけれど、私は歴史を題材に小説を書いている。資料を調べてみました。それによると原因の大きなものに、薬品の発火ががあります。学校・試験所・研究所・医院・薬局などにある薬品が棚から落ちて、その衝撃で発火しているのです」
おせっちゃんは、化学が苦手でした。赤線地帯をさまよって、落第点近くをお情けで卒業したのです。どのような薬品が発火するかなど分かりませんが。
★ 父 「避難するものが大八車を引いて、また家財道具を背負って逃げ惑う。この欲が逃げ道を塞ぐ。荷物に引火する。このことは江戸時代から、厳しく禁じられているけれど、人間欲が出る。現在は大八車が車に変わっている。ガソリンを積んでいることを忘れないようにしなければ」
★ 吉村氏 「阪神大震災の時、この車が道を塞ぎ、消防車が身動きできない不都合が起こった」。
日頃からの訓練が大事だと思います。