雪!の天城山 雪の天城山稜を行くこと3時間、八丁池に到着。単調な雪道の末に急に窓が開いたような解放感
テキスト、
「幸せ」について知っておきたい5つのこと
NHK「幸福学」白熱教室
中経出版 2014年
を続ける。
前回は、幸福学のイントロダクションとしてテキストの「Key to Happiness」と名付けられたキーワード書き出してみた。今回はそれを補完してみたい。
というのもキーワードそのものだけでは、幸福感への覚醒度?があまりあがらない。
テキストではキーワードに沿って、学生との対話がなされ、具体例を交えて説明しており「幸福学の幸福」について理解が得やすい。
口語を編集した本書として、まとまった引用がしにくいのだが、私が傍線した部分を、そのまま載せる。(読みとりにくいと思いますが…)
はじめに、幸福学の「前提」になることを引用する。
「ポジティブ心理学」という学問については知っていますよね。はじまったのは、今から10数年前のことです。従来の心理学は、不安や鬱、統合失調症といった病気を治療することに焦点を当ててきました。一方、ポジティブ心理学は、全く新しい視点から研究を始めました。
従来の心理学だけでは、私たちの人生を解き明かすのには十分でないと思っています。そこで私は「幸福」「楽観主義」「立ち直る力」など、他のポジティブなテーマを専門にしている心理学者達と一緒に研究を続けてきました。
幸福を研究するときに素晴らしいと感じるのは、誰にでも幸福を経験したことがあると言う事実です。この教室の全員が経験しているでしょう。ある意味、皆さん全員が幸福の専門家なのです。どうやったら幸福になれるか、直感的に知っている。
さらに、
幸福な感情が、単に「喜び」だけとは限りません。「愛情」「満足」「安心」、さらには「熱意」「期待」、また「誇り」など。こうしたすべてのポジティブな感情の集合体が、「幸福」なのです。
反対にネガティブな感情も測定します。人間はネガティブな感情もつきものです。持たない人などいません。私たちは、むしろネガティブな感情を持つべきだ、持ってほしいとさえ思っています。
つまり、人間はポジティブな感情をたくさん持ちながら、一方で、ある程度がネガティブな感情を持っている。その2つを持った状態で、人生に満足している人、これが幸せな人だといえます。
「幸福」はポジティブな感情の量が大けれればいいと言わない。いろいろな感情の中でバランスをとることが結局は「幸福」とする大まかな抑えがあるらしい。そしてそのバランスのために正負両面の感情の測定していくという。
では、前回紹介したキーワード(「Key to Happiness」)に紐づいた学生とのやり取りからエピソードを抽出してみる。
第1章 03幸せな人たちの共通する「他人との結びつき」から
さて、幸福のレシピとは何でしょうか?
幸せになるには、ケーキを作るときのように、3つの材料が必要なのです。それは「人と交わり(social) ・親切(kind) ・ここにいること(present)」の3つです。人との交わりは小麦、親切は砂糖、ここにいることは卵、みたいなもんです。
(ポジティブ心理学の先駆者たち)博士たちは、上位10%の人たちが、なぜそんなに幸せなのかについて徹底的に調査しました。特に注目したのが、「幸せな人たちの共通点」です。
幸せな人の中には運動好きもいればインドア派もいます。信心深い人もいれば無神論者もいました。
このようにそれぞれのタイプは違いますが、上位10%の人に共通していたのはたった1つ、社会との結びが強いことでした。幸せな人たちはみな、友人や家族と良好な関係を築いています。
著者の一人、ダン博士の「幸福の材料」は、人との交わり、親切、ここにいることの3つ。
その第一条件は、良好な社会性だという。
第1章 04「親切」と「感謝」は幸福を高めるエッセンス から
幸福の条件の2つ目は「親切」です。人と交わるだけでなく、人を助けようとする社会的な行動は取る価値があります。時間についても同じです。ボランティア活動することが、より大きな幸福感に結びつくのです。
逆をまた然り。幸せな人の方がボランティアに積極的な傾向があります。ボランティアは人を幸せにしやすいのです。周囲何時間もボランティア活動するのは、難しいかもしれません。でも、無作為に人に親切にするだけで、あなたの幸福感は高まります。
アメリカの心理学者ソニア・リュボアスキー博士は、学生たちに「週に1回だけ、5つの親切をすること」を実行させました。すると、この単純な行動が人々を幸せにするという結果が出たのです。
面白いことに、別な学生たちには「1日に1つだけ親切にすること」をやってもらいましたが、意外にも、こちらには何の変化もありませんでした。親切はなるべく多くの人にすると良いということがわかったのです。
こうして実証していくわけだが、すべては行動主義で、「〇〇する行動は幸福になる」という論理は、幸福の可視化を意図しているのだろう。
第1章 05人は目の前のことに集中することで幸せを実感できる から
(ある心理学者が)「今、やっていることと別のことを考えている?」と言う質問にイエスかノーで答えてもらったのです。
その結果、人は日中の3割は物思いにふけっていることがわかりました。重要なのは、人がしばしば「うわのそら」になるということです。
テクノロジーの進化によって、(スマホと携帯することなどで)日常的に注意力が散漫になっていることを考えると、これは特に重要です。
被験者にはメールチェックを1日3回だけにして、1週間過ごしてもらいました。すると、私たちのように1日何度も(スマホを)チェックする人よりも、ストレスが少ないと言う結果が出たのです。つまり、注意力散漫の原因となるテクノロジーを制限することは、健康と幸福に良いということがわかったのです。
「うわのそら」の時間をなくすとは?
第2章 03幸せを大きく育て「ご褒美」の法則 から
あるグループには、1週間、チョコレートを禁止しました。もう一つのグループには、1週間、好きなだけ食べなさいと伝えたのです。
1週間後、2つのグループに、再びチョコレートを食べてもらい、「楽しい」という感情のレベルを調べていました。すると、好きなだけ食べていたグループBは、前の週よりも明らかにチョコ食べる楽しみが減っていたのです。
それに対して、禁止されていたループAは、前よりも楽しいと感じていました。
これは短期間でも好物を我慢すれば、楽しみを感じる能力が一新されることを証明したのです。
とにかく、好きなものを大量に、いつでも手に入れようとするのが、現代の消費ですが、この原則は、その逆を行くべきだと示唆しています。つまり、節約した方が、より楽しみが増えると言うことです。
前野教授の解説
「幸科学」では、物質的な消費よりも体験的な消費の方が幸せに寄与するということがわかっています。物質的な高さですとか、金銭的な豊かさにあって、幸せになれるのではないかと考えられがちですけれども、そういう物質あるいは金銭のような高さは、実は長続きしない幸せなのです。
精神的な豊かさ、すなわち、感謝や親切、人とのつながり、夢を追うことの方が幸せに寄与するということがわかっています。
第3章 04仕事を「幸せ」に変える〝ジョブ・クラフティング″ から
ある日、看護師が不思議なことに気づきました。病棟の壁にかけられていた2枚の絵が、なぜか入れ替わっていたのです。
そうしていたのはある清掃員でした。その清掃員は、緊迫した状態に長く置かれている患者を少しでも元気付けようと、日常にほんの小さな変化をもたらしたのです。
もちろん、誰も清掃員にそんなことを頼んではいません。もしそれが認められても、清掃員が昇進できるわけでもありません。それは通常の業務内容ではありません。
しかし、その清掃はいつでも仕事から大きく逸脱せずに、ちょっとした変化を加えました。仕事に対して、より「価値を高めて」、「やりがいも持てる」よう、内容を少し変化させてみたのです。
幸福学の観点から見ると、仕事にやりがいを持たせるには、3つの方法があると言うことです。
「交流の質や量を見直す」では、例えば、違った人とチームを組んでみる。「仕事も意義を広げる」では、客が喜んでいる様子を想像する。「やり方や範囲を見直す」では、仕事を楽しめるよう、アレンジしてみる。どれも、すぐに始めることのできるのがばかりだと思いませんか?
第3章 05ポジティブな感情は人を行動的かつ友好的にし、その結果として幸福感を高めてくれる から
私たちの感情の基準は、「ポジティブとネガティブの真ん中」にあるわけではありません。「バランスの良いポジティブ」、それが私たちの感情そのものの基準です。たまには駐車違反の切符もらってしまったりして基準を下げたりもしますが、結局は「バランスの良いポジティブ」という線にもどっていくのです。
誰もが素晴らしいというような、非常に中身の濃い、究極の幸福を求めるようにするのは間違っていると思います。そんなのは長続きしないからです。元に戻るのです。「バランスのいいポジティブ」と言うのは、私たちに共通した状態だと思います。
こうした「感情の基準」を承知しておくことポジティブなことである。
条件に対する観点の少ない、幸福学の「幸福」のニュアンス、次回は続きの第4章、第5章である。
テキスト、
「幸せ」について知っておきたい5つのこと
NHK「幸福学」白熱教室
中経出版 2014年
を続ける。
前回は、幸福学のイントロダクションとしてテキストの「Key to Happiness」と名付けられたキーワード書き出してみた。今回はそれを補完してみたい。
というのもキーワードそのものだけでは、幸福感への覚醒度?があまりあがらない。
テキストではキーワードに沿って、学生との対話がなされ、具体例を交えて説明しており「幸福学の幸福」について理解が得やすい。
口語を編集した本書として、まとまった引用がしにくいのだが、私が傍線した部分を、そのまま載せる。(読みとりにくいと思いますが…)
はじめに、幸福学の「前提」になることを引用する。
「ポジティブ心理学」という学問については知っていますよね。はじまったのは、今から10数年前のことです。従来の心理学は、不安や鬱、統合失調症といった病気を治療することに焦点を当ててきました。一方、ポジティブ心理学は、全く新しい視点から研究を始めました。
従来の心理学だけでは、私たちの人生を解き明かすのには十分でないと思っています。そこで私は「幸福」「楽観主義」「立ち直る力」など、他のポジティブなテーマを専門にしている心理学者達と一緒に研究を続けてきました。
幸福を研究するときに素晴らしいと感じるのは、誰にでも幸福を経験したことがあると言う事実です。この教室の全員が経験しているでしょう。ある意味、皆さん全員が幸福の専門家なのです。どうやったら幸福になれるか、直感的に知っている。
さらに、
幸福な感情が、単に「喜び」だけとは限りません。「愛情」「満足」「安心」、さらには「熱意」「期待」、また「誇り」など。こうしたすべてのポジティブな感情の集合体が、「幸福」なのです。
反対にネガティブな感情も測定します。人間はネガティブな感情もつきものです。持たない人などいません。私たちは、むしろネガティブな感情を持つべきだ、持ってほしいとさえ思っています。
つまり、人間はポジティブな感情をたくさん持ちながら、一方で、ある程度がネガティブな感情を持っている。その2つを持った状態で、人生に満足している人、これが幸せな人だといえます。
「幸福」はポジティブな感情の量が大けれればいいと言わない。いろいろな感情の中でバランスをとることが結局は「幸福」とする大まかな抑えがあるらしい。そしてそのバランスのために正負両面の感情の測定していくという。
では、前回紹介したキーワード(「Key to Happiness」)に紐づいた学生とのやり取りからエピソードを抽出してみる。
第1章 03幸せな人たちの共通する「他人との結びつき」から
さて、幸福のレシピとは何でしょうか?
幸せになるには、ケーキを作るときのように、3つの材料が必要なのです。それは「人と交わり(social) ・親切(kind) ・ここにいること(present)」の3つです。人との交わりは小麦、親切は砂糖、ここにいることは卵、みたいなもんです。
(ポジティブ心理学の先駆者たち)博士たちは、上位10%の人たちが、なぜそんなに幸せなのかについて徹底的に調査しました。特に注目したのが、「幸せな人たちの共通点」です。
幸せな人の中には運動好きもいればインドア派もいます。信心深い人もいれば無神論者もいました。
このようにそれぞれのタイプは違いますが、上位10%の人に共通していたのはたった1つ、社会との結びが強いことでした。幸せな人たちはみな、友人や家族と良好な関係を築いています。
著者の一人、ダン博士の「幸福の材料」は、人との交わり、親切、ここにいることの3つ。
その第一条件は、良好な社会性だという。
第1章 04「親切」と「感謝」は幸福を高めるエッセンス から
幸福の条件の2つ目は「親切」です。人と交わるだけでなく、人を助けようとする社会的な行動は取る価値があります。時間についても同じです。ボランティア活動することが、より大きな幸福感に結びつくのです。
逆をまた然り。幸せな人の方がボランティアに積極的な傾向があります。ボランティアは人を幸せにしやすいのです。周囲何時間もボランティア活動するのは、難しいかもしれません。でも、無作為に人に親切にするだけで、あなたの幸福感は高まります。
アメリカの心理学者ソニア・リュボアスキー博士は、学生たちに「週に1回だけ、5つの親切をすること」を実行させました。すると、この単純な行動が人々を幸せにするという結果が出たのです。
面白いことに、別な学生たちには「1日に1つだけ親切にすること」をやってもらいましたが、意外にも、こちらには何の変化もありませんでした。親切はなるべく多くの人にすると良いということがわかったのです。
こうして実証していくわけだが、すべては行動主義で、「〇〇する行動は幸福になる」という論理は、幸福の可視化を意図しているのだろう。
第1章 05人は目の前のことに集中することで幸せを実感できる から
(ある心理学者が)「今、やっていることと別のことを考えている?」と言う質問にイエスかノーで答えてもらったのです。
その結果、人は日中の3割は物思いにふけっていることがわかりました。重要なのは、人がしばしば「うわのそら」になるということです。
テクノロジーの進化によって、(スマホと携帯することなどで)日常的に注意力が散漫になっていることを考えると、これは特に重要です。
被験者にはメールチェックを1日3回だけにして、1週間過ごしてもらいました。すると、私たちのように1日何度も(スマホを)チェックする人よりも、ストレスが少ないと言う結果が出たのです。つまり、注意力散漫の原因となるテクノロジーを制限することは、健康と幸福に良いということがわかったのです。
「うわのそら」の時間をなくすとは?
第2章 03幸せを大きく育て「ご褒美」の法則 から
あるグループには、1週間、チョコレートを禁止しました。もう一つのグループには、1週間、好きなだけ食べなさいと伝えたのです。
1週間後、2つのグループに、再びチョコレートを食べてもらい、「楽しい」という感情のレベルを調べていました。すると、好きなだけ食べていたグループBは、前の週よりも明らかにチョコ食べる楽しみが減っていたのです。
それに対して、禁止されていたループAは、前よりも楽しいと感じていました。
これは短期間でも好物を我慢すれば、楽しみを感じる能力が一新されることを証明したのです。
とにかく、好きなものを大量に、いつでも手に入れようとするのが、現代の消費ですが、この原則は、その逆を行くべきだと示唆しています。つまり、節約した方が、より楽しみが増えると言うことです。
前野教授の解説
「幸科学」では、物質的な消費よりも体験的な消費の方が幸せに寄与するということがわかっています。物質的な高さですとか、金銭的な豊かさにあって、幸せになれるのではないかと考えられがちですけれども、そういう物質あるいは金銭のような高さは、実は長続きしない幸せなのです。
精神的な豊かさ、すなわち、感謝や親切、人とのつながり、夢を追うことの方が幸せに寄与するということがわかっています。
第3章 04仕事を「幸せ」に変える〝ジョブ・クラフティング″ から
ある日、看護師が不思議なことに気づきました。病棟の壁にかけられていた2枚の絵が、なぜか入れ替わっていたのです。
そうしていたのはある清掃員でした。その清掃員は、緊迫した状態に長く置かれている患者を少しでも元気付けようと、日常にほんの小さな変化をもたらしたのです。
もちろん、誰も清掃員にそんなことを頼んではいません。もしそれが認められても、清掃員が昇進できるわけでもありません。それは通常の業務内容ではありません。
しかし、その清掃はいつでも仕事から大きく逸脱せずに、ちょっとした変化を加えました。仕事に対して、より「価値を高めて」、「やりがいも持てる」よう、内容を少し変化させてみたのです。
幸福学の観点から見ると、仕事にやりがいを持たせるには、3つの方法があると言うことです。
「交流の質や量を見直す」では、例えば、違った人とチームを組んでみる。「仕事も意義を広げる」では、客が喜んでいる様子を想像する。「やり方や範囲を見直す」では、仕事を楽しめるよう、アレンジしてみる。どれも、すぐに始めることのできるのがばかりだと思いませんか?
第3章 05ポジティブな感情は人を行動的かつ友好的にし、その結果として幸福感を高めてくれる から
私たちの感情の基準は、「ポジティブとネガティブの真ん中」にあるわけではありません。「バランスの良いポジティブ」、それが私たちの感情そのものの基準です。たまには駐車違反の切符もらってしまったりして基準を下げたりもしますが、結局は「バランスの良いポジティブ」という線にもどっていくのです。
誰もが素晴らしいというような、非常に中身の濃い、究極の幸福を求めるようにするのは間違っていると思います。そんなのは長続きしないからです。元に戻るのです。「バランスのいいポジティブ」と言うのは、私たちに共通した状態だと思います。
こうした「感情の基準」を承知しておくことポジティブなことである。
条件に対する観点の少ない、幸福学の「幸福」のニュアンス、次回は続きの第4章、第5章である。