isseyと愉快な仲間達

日々謝罪と反省なり。

想定の範囲外

2012年02月10日 22時29分42秒 | 主義・思想
岡山県倉敷市の製油所で起きた事故で工事元請けの鹿島建設は
「想定の範囲外だった」と会見で述べたそうです。

津波が起きて原子炉建屋が崩壊した福島原発でも
原始力保安院やら東電の人は「想定の範囲外」と述べました。


新しい決め台詞の誕生です。


昭和の政治家が疑惑を追及されると
「見に覚えがございません」やら「秘書に全て任せてありますので」と同じく
企業が使う言い逃れの言葉が「想定の範囲外」です。


ずっと前にライブドアの堀江社長(当時)が
「想定の範囲内」だと余裕を見せておりました。

でもその後に粉飾決算で逮捕されたのは「想定の範囲内」だったのでしょうか?


その道の専門家だからこそ
誰が見ても危険だと予測できる事を度外視するのでしょうか?



私の話になりますが、2010年7月に部屋探しをしてて
兵庫県西宮市の海のすぐ近くにあるマンションを見に行きました。

某公団住宅のマンションです。

家賃が予算を超えてたのもありますが
何より海の側だったので「津波が来たら恐い」と管理会社の人に言ったら
40代と50代の女性でしたが、失笑されました。

「そんなもん来る訳ないやないの~」と笑われました。

それから約半年後に東北に津波が来ました。

あの時の管理会社の人にとって津波は想定の範囲外だったと思います。
私にしてもあんな巨大な津波を見たのは国内では初めてです。
初めて巨大な津波を見たのは2004年12月のスマトラ島沖地震の津波です。


子供たちや新社会人が親が真似をします。

「朝起きれなかったのは『想定の範囲外』です」
「お昼休みが14時からなんて『想定の範囲外』です」
「JRが濃霧で運転見合わするなんて『想定の範囲外』です」
「土曜日に学校に行くなんて『想定の範囲外』です」
「うちの息子が私立中学に進学できないなんて『想定の範囲外』です」


見通しが甘過ぎませんか?

物事の視野を軽く見てませんか?

帰宅困難になった日を思い出にしてませんか?


「君たちは昨日までの専門家かも知れないが、明日の専門家ではない」
大河ドラマ・坂の上の雲にあった言葉です。


昨日までの生活が明日も、来年も、10年後も続くとは限りません。



軽々しく「想定の範囲外」を口にしないで欲しいです。