福男2019 遂に決まる。
商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社・兵庫県西宮市の西宮神社で10日、毎年恒例の「開門神事福男選び」があった。
約1年前、本殿に集まった約5,000人の男女が午前6時の開門と同時に一斉に西宮神社横の国道43号線に走り出し、今月10日に遂に1名が戻ってきた。
例年、門から本殿までの約230メートルを走り抜け、一番に参拝するものだったが
過去に何度かスタートを妨害する不正やくじ運による不公平感などもあり、2017年から本殿から門の外へ宮司からの「お題」に従って走り
1年以内に最初に本殿に戻って来た者を福男にする事になった。
また、例年は男性のみの参加だったが男女平等の観点やLGBTへの配慮から女性の参加も認め、2023年から名称も福男から「祝福を帯びた人間」に改める事になった。
2019年の「お題」は「地面に足を着かず兵庫県一周」。
一輪車や竹馬など多種多様な乗り物で地面に足が着かないよう工夫を凝らした約5,000人は開門と同時に一斉に走り出した。
参加者の多くは国道43号線でトラックに撥ねられるなどして途中棄権。
そんな中、ホッピングで兵庫県1周に挑んだ堺市の会社員の男性(51)が生還。
同伴の福男ボランティア支援者と共にホッピングで2020年1月10日の午前4時半頃に本殿に到着した。
福男2019に選ばれた男性は「丹波を過ぎた辺りからイノシシに襲われたりクマに追い掛けられたり、山に入ると何度も遭難した。台風の中ホッピングで耐えるのは本当に辛かった。
豊岡で地元の中学生ヤンキーにホッピングを奪われそうになったり、警察に何度も職務質問を受けてホッピングから降ろされそうにったり、福男ぐらいなら簡単になれると思った自分がバカだった。
何でここまで頑張ってるのか何度も自問自答したが、単なる意地だったのかも知れない」と話している。
男性のホッピングは、途中でバネが破損し、後半は自力で飛び跳ねる形で走り続けたという。
福男支援者は「最後まで諦めない姿に心を打たれたが、バネの壊れたホッピングを引き摺ってる姿は拷問のようだった。
報われない努力をしているようで、本当に彼にご利益があるのだろうか?」と複雑な心境を話していた。
2018年の「お題」は「月の石を持ってくること」と難題だった為に参加者も数十名程度しか集まらず
また同年2月にNASA(アメリカ航空宇宙局)の敷地内に立ち入った男性が射殺される事件も起こり
2018年の福男は不在という残念な結果になっていた。
西宮神社としても福男の選考基準は手探りの状態で、難易度をどの程度にすれば良いか模索が続いている。
なお、2021年の「お題」は「早押し問題+門から本殿までバック走行」。
2月3日の節分までに西宮神社にエントリーを申し込みが必要となる。