「の~び~た~!」
いつものようにジャイアンは鼻息を荒くして待っていた。
「そーだ、そーだ!」
訳もなくスネ夫が同調している。
のび太は悠然と構え、ジャイアンの前に立った。
かつてのように
ドラえもんから借りた道具など1つも持っていないのに。
ジャイアンの
「ちゃんと覚悟は出来てるんだろうなぁ~」に
のび太は思わず失笑してしまった。
何て浅はかなんだろう・・・と。
ジャイアンの全身の毛穴から鼻息が出ているような
根拠のない、八つ当たりとも言える怒りは何なんだ?
未就学児がそのまま大きくなったようにも見える・・・。
のび太は言った
「ジャイアン、今日の総合学習の話し覚えてる?」
「ん?あぁ、二次なんとかってやつだろ?」
「そう、二次性徴!僕は気付いたんだ」
そう言うと、のび太は
ジャイアンに一冊の本を見せた。
難しい文字が並んでいるので
注釈の図などを中心に解説を交えて話した。
「おぉー!」
ジャイアンは思わず声を上げた。
「何だこれー!」
「いいかい、これは・・・・・・・」
のび太がジャイアンの耳元で何かを囁いた。
「のび太、それ本当か?」
「勿論だよ。更にこんなのもあるんだよ」
のび太はページをめくり、あるページを見せた。
「ウホッ!」
ジャイアンは思わず変な声で驚いた。
「ずけー!すげー!・・・」
のび太の話はおよそ一時間に及んだ。
その間、ジャイアンは不思議な驚き方をしながら
のび太の話しを夢中になって聞いていた。
概ね、ゴリラの鳴き声に近かった。
「・・・と、まぁこんな感じなんだけど、どうだい?」
「あぁ、何だかモジモジする」
「はっはっは!いいぞジャイアン、それが成長だ。二次性徴の始まりだ!」
ジャイアンは内側から放たれる強く熱い何かを感じ取っていた。
言葉では言い表せない、初めての感じる心の高まりを。
「さて、僕はそろそろ帰らないと・・・。
そうだジャイアン、君にこれをあげよう」
「これは・・・?」
「『参考資料』だよ」
ジャイアンは袋の中をそっと見てみた。
「・・・・・・!のび太・・・・・・い、いいのか?」
「あぁ、まだあるから」
「うほー!おぉ、心の友よ~!」
「はっはっは!そうだろジャイアン。
君の思春期の指南役は誰だか言ってみろ!」
「のび太ぁ~、心の友よ~。いや、心の師匠よ~」
こうして
毎日、空き地で野球ばかりを繰り返していた
あの少年の日々は次のステージへと成長して行ったのだった。
いつものようにジャイアンは鼻息を荒くして待っていた。
「そーだ、そーだ!」
訳もなくスネ夫が同調している。
のび太は悠然と構え、ジャイアンの前に立った。
かつてのように
ドラえもんから借りた道具など1つも持っていないのに。
ジャイアンの
「ちゃんと覚悟は出来てるんだろうなぁ~」に
のび太は思わず失笑してしまった。
何て浅はかなんだろう・・・と。
ジャイアンの全身の毛穴から鼻息が出ているような
根拠のない、八つ当たりとも言える怒りは何なんだ?
未就学児がそのまま大きくなったようにも見える・・・。
のび太は言った
「ジャイアン、今日の総合学習の話し覚えてる?」
「ん?あぁ、二次なんとかってやつだろ?」
「そう、二次性徴!僕は気付いたんだ」
そう言うと、のび太は
ジャイアンに一冊の本を見せた。
難しい文字が並んでいるので
注釈の図などを中心に解説を交えて話した。
「おぉー!」
ジャイアンは思わず声を上げた。
「何だこれー!」
「いいかい、これは・・・・・・・」
のび太がジャイアンの耳元で何かを囁いた。
「のび太、それ本当か?」
「勿論だよ。更にこんなのもあるんだよ」
のび太はページをめくり、あるページを見せた。
「ウホッ!」
ジャイアンは思わず変な声で驚いた。
「ずけー!すげー!・・・」
のび太の話はおよそ一時間に及んだ。
その間、ジャイアンは不思議な驚き方をしながら
のび太の話しを夢中になって聞いていた。
概ね、ゴリラの鳴き声に近かった。
「・・・と、まぁこんな感じなんだけど、どうだい?」
「あぁ、何だかモジモジする」
「はっはっは!いいぞジャイアン、それが成長だ。二次性徴の始まりだ!」
ジャイアンは内側から放たれる強く熱い何かを感じ取っていた。
言葉では言い表せない、初めての感じる心の高まりを。
「さて、僕はそろそろ帰らないと・・・。
そうだジャイアン、君にこれをあげよう」
「これは・・・?」
「『参考資料』だよ」
ジャイアンは袋の中をそっと見てみた。
「・・・・・・!のび太・・・・・・い、いいのか?」
「あぁ、まだあるから」
「うほー!おぉ、心の友よ~!」
「はっはっは!そうだろジャイアン。
君の思春期の指南役は誰だか言ってみろ!」
「のび太ぁ~、心の友よ~。いや、心の師匠よ~」
こうして
毎日、空き地で野球ばかりを繰り返していた
あの少年の日々は次のステージへと成長して行ったのだった。