ムックの叫び15

遂にこの日が来た。

私が活躍できる数少ない瞬間が。


Gピンのようにスカイダイビングも、スキューバダイビングも出来ない。

短い手足の為にバク転も出来ない。

でも、それでも、ここだけは譲れない。


周りの参加者は相変わらずハンググライダーや足漕ぎ式を使用しているようだ。

大学のサークルが航空工学を駆使して距離を伸ばそうとしてる姿も見える。



ふふふ…

甘いんだよ。

このムックには他にはないプロペラが標準装備されているんだよ！

二次元（アニメ）では翼の生えた奴や、自力で飛べるキャラクターもいるだろうが
現実の三次元に於いてプロペラの生えた者はこのムックを置いて他になし！



とうとう このムックが王者に君臨しちゃう時が来ちゃいました。

なんなら、琵琶湖を超えて福井の若狭湾まで飛んじゃいましょうか？



さぁ、優勝しちゃいましょうか…！


とうっ！




湖面に垂直に飛び込むムック

勢いよく水を吸い込む体毛 深く沈み込むムック

遠のく意識の中でムックは何を思ったのか…？



鳥人間コンテスト2018


様々な思いを胸に すれ違う結果が今年も琵琶湖に木霊する。