isseyと愉快な仲間達

日々謝罪と反省なり。

地方移住

2020年12月21日 23時49分17秒 | 報道管制
新型コロナウイルスの感染対策でテレワークが普及し、最近では物価の安い地方に移住を考える人が増えている中で
地方移住に潜む大きな落とし穴に陥る人が増えている。

都心からの移住する人々の受け入れる側も移住によって地域の活力向上に繋がる事が期待されるだけに歓迎する自治体が多い。
特に過疎化による人口減に悩む自治体の中には、土地や住宅を安価で提供するなど移住者の呼び込みに力を入れている所も多くある。

しかし、地方で移住促進に取り組んでいる人たちがそろって口にするのは
「せっかくIターンで地元に住んでくれても、大半が数年以内に都会へ戻ってしまう」という現実だ。
移住失敗の主な原因は、地域の生活様式や人間関係に溶け込めないだけでなく、意外な落とし穴があった為である。

生まれた時から地方で生きている人の中にはプライバシーの観念が薄い人や、昔から伝わる暗黙の慣行や掟、不条理な序列が根強く残っているが、
何より危険なのは生活範囲のあちこちに存在する意外な落とし穴である。

東京都出身のA氏(30代男性)は祖父が戦時中の疎開先だった新潟県にコロナをきっかけに移住を決意。
のどかな田舎暮らしを満喫していたある日、ご近所から頂いたトウモロコシのお礼を言いに歩いていると大きな落とし穴に落ちたという。
深さは約5mほどあり、穴の中では携帯電話の電波が圏外で助けも求められなかったという。
救出されるまでの2日間、ずっと「自分はこのまま穴の中で過ごすのか?」「何で穴があるんだ?」と考えていたという。

また神奈川県出身の40代女性B氏は栃木県に地方移住。
始めは周囲の人々の語尾の「~たべ」に躊躇したが、次第に慣れはじめ「北関東と言うより実際は東北地方だな」と強く実感する日々を過ごしていた。
着る服も、車内の装飾も、イモ類中心の食生活も、東京には無い値段より量で勝負するチェーン店、やたらと東京を意識した話題や「芸能人と会った事ある?」と聞いて露骨にガッカリするなど、いかにも田舎者だなと思いながらも愛想笑いや苦笑いでやり過ごす充実した日々を過ごしていた。
そんなある日、地域の町内会長から「ミカンつぅ珍しい物を貰ったでお裾分けしてやるべ」とミカンと薄汚い手作りの餅を袋に入れて家に帰る途中に車ごと穴に落ちた。
B氏は頂いたミカンだけで飢えを凌いで過ごしたが、発見されるまで3日掛かった。

このように地方では都会の人しか落ちない穴が存在し、時に「神隠し」などと呼ばれたりするが、実際は落とし穴が主な原因だったりする。
穴の原因は諸説あり、猪や熊などの大型動物を捕獲する仕掛けだったり、昭和19年頃のアメリカ軍の侵攻を意識した落とし穴の名残や子供の悪戯や地盤沈下などがある。
地元の人が何故穴に落ちないのかはまだ解明されていないが、都会から来た人は知らずに穴に落ちて姿を消す事は以前からよくある現象だと専門家は語る。

地方移住に詳しい淡路玉葱大学の五十嵐五十六教授(落とし穴論)は「コロナ感染対策で地方移住を検討するのは重要な事だ。
現地の人々との交流や人間関係も大切だが、何より落とし穴に落ちないよう常に地に足のついた生活を心掛ける事が大切で
穴に落ちた時は狼煙を上げたり、笛を吹いて救援を求めるのが重要だ」と話している。