◆ ろうそくデモ (東京新聞【本音のコラム】)
森友、加計問題のテレビの国会中継を眺めている。身を寄せ合って座っている安倍総理と麻生副総理の挙動に眼を凝らして、飽きることがない。
言論の府の中心にいながら、質問者が発する言葉に、さまざまな人びとの希望や願いや疑問がふくまれていることへの想像力と謙虚さがまったくみられない。相手の言葉にばかりか、自分の言葉にさえ愛情がない。
柳瀬唯夫元首相秘書官は、加計学園関係者と官邸で面会していたことを国会の場で告白させられた。一年以上も隠していた秘密だったのに、首相は「問題ない」と冷酷に切り捨てた。屈辱的な否認は誰のためでもない、首相のウソをかばうためのウソだったはずだ。
「妻や自分が関係していれば、総理も議員も辞任する」。
エエカッコシの極地。幼稚なミエに、森友の佐川宣寿前国税庁長官や加計の柳瀬さんは全国中継された国会の場でウソの上乗りをさせられた。恥辱だったろう。
国会は暗い。その行方はますます不安だ。ウソが憲法を侵蝕(しんしょく)している。
韓国では、国政私物化を照らし出したろうそくデモが、希望の光明となって道を埋め尽くした。一本一本のかぼそい明かりは、無数の光の帯となり、抗議の海となって圧倒した。
日本にも灯籠流しで被爆者を弔う伝統がある。ろうそくデモの美しさで、国会前を埋め尽くし、議場を浄化しよう。
『東京新聞』(2018年5月15日【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
森友、加計問題のテレビの国会中継を眺めている。身を寄せ合って座っている安倍総理と麻生副総理の挙動に眼を凝らして、飽きることがない。
言論の府の中心にいながら、質問者が発する言葉に、さまざまな人びとの希望や願いや疑問がふくまれていることへの想像力と謙虚さがまったくみられない。相手の言葉にばかりか、自分の言葉にさえ愛情がない。
柳瀬唯夫元首相秘書官は、加計学園関係者と官邸で面会していたことを国会の場で告白させられた。一年以上も隠していた秘密だったのに、首相は「問題ない」と冷酷に切り捨てた。屈辱的な否認は誰のためでもない、首相のウソをかばうためのウソだったはずだ。
「妻や自分が関係していれば、総理も議員も辞任する」。
エエカッコシの極地。幼稚なミエに、森友の佐川宣寿前国税庁長官や加計の柳瀬さんは全国中継された国会の場でウソの上乗りをさせられた。恥辱だったろう。
国会は暗い。その行方はますます不安だ。ウソが憲法を侵蝕(しんしょく)している。
韓国では、国政私物化を照らし出したろうそくデモが、希望の光明となって道を埋め尽くした。一本一本のかぼそい明かりは、無数の光の帯となり、抗議の海となって圧倒した。
日本にも灯籠流しで被爆者を弔う伝統がある。ろうそくデモの美しさで、国会前を埋め尽くし、議場を浄化しよう。
『東京新聞』(2018年5月15日【本音のコラム】)
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