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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

中高一貫校の教科書採択に関する対都教委要請(2)

2005年06月10日 | 平和憲法
都高教167分会からの「要請」を手渡し、以下の要請を行いました。(05.4.25)

都高教
 昨年8月26日、都高教をはじめとする各界の反対を押し切って白鴎の中高一貫6年制学校の中学社会科歴史教科書に、「新しい歴史教科書をつくる会」の編集で、扶桑社が発行する教科書を都教委は採択しました。
 教育委員会では、ある委員は3年前に十分議論を尽くしたなどとし、わずか10分余りで採択に入りました。
 これでいいのでしょうか。「つくる会」教科書について、国際的にも批判が起きています。歴史学の到達点からみてどうなのか、日本政府の国際公約であるいわゆる「近隣条項」を無視しているのではないかなど。
 こうした教科書が、現場の教職員の意向を無視し、一方的に押しつけられることが再びあってはなりません。
 教科書の採択権について、明確な法令はありません。『教育委員会は「教科書その他の取扱に関する」「事務」を「管理」「執行する」』との「地方教育行政の組織及び運営に関する法律23条6号」を根拠に教育委員会に採択権があるしていますが、納得のいかないところです。
 「法律自体に別段の規定がない限り、できるだけ教育基本法の規定及び同法の趣旨、目的に沿うように考慮が払われなければならないというべきである。」(最高裁学カテスト判決)に照らせば、現場教職員に採択権があるとするのが当然です。
 このことは、日本政府も賛成して採択されたILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」(1966年)でも「教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するため格別の資格を与えられたものであるから、…教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて主要な役割を与えられるべきである」(第61項)と述べられ、国際的にも認知されています。
 教科書の選定は、各学校の教育課程編成および教員の教育内容編成に深くかかわる教育専門的事項であり、地域の実情、日常的に生徒の学力などの実態を把握している教育現場の意向が最大限尊重されることによって、生徒に適切な教材として提供されるものです。
 以上から、以下の二点を要請するものです。
1.実際に教科書を使用する学校現場の意見を尊重し、一方的、一律に採択しないこと。
2.社会的にも様々問題が指摘されている教科書をトップダウンで採択しないこと。

[地方教育行政の組織及び運営に関する法律]
(教育委員会の職務権限)第23条
 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。
1.教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関(以下「学校その他の教育機関」という。)の設置、管理及び廃止に関すること。
2.学校その他の教育機関の用に供する財産(以下「教育財産」という。)の管理に関すること。
3.教育委員会及び学校その他の教育機関の職員の任免その他の人事に関すること。
4.学齢生徒及び学齢児童の就学並びに生徒、児童及び幼児の入学、転学及び退学に関すること。
5.学校の組織編制、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること。
6.教科書その他の教材の取扱いに関すること。
7.校舎その他の施設及び教具その他の設備の整備に関すること。
8.校長、教員その他の教育関係職員の研修に関すること。
9.校長、教員その他の教育関係職員並びに生徒、児童及び幼児の保健、安全、厚生及び福利に関すること。
10.学校その他の教育機関の環境衛生に関すること。
11.学校給食に関すること。
12.青少年教育、女性教育及び公民館の事業その他社会教育に関すること。
13.スポーツに関すること。
14.文化財の保護に関すること。
15.ユネスコ活動に関すること。
16.教育に関する法人に関すること。
17.教育に係る調査及び指定統計その他の統計に関すること。
18.所掌事務に係る広報及び所掌事務に係る教育行政に関する相談に関すること。
19.前各号に掲げるもののほか、当該地方公共団体の区域内における教育に関する事務に関すること。


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