パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 中教審『次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告』に対するパブコメ8件

2023年02月12日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 教育行政研究会(文科省や都教委・神奈川県教委等に請願や意見を寄せ続けている調査・研究団体)から、中教審『次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告』に対する、パブコメを寄せたので、情報提供します。
   教育ジャーナリスト・永野厚男から

 文科省総合教育政策局政策課(幹部職員は森友浩史課長と、川村匡(ただし)教育企画調整官ら)が、(本来なら1か月間とらなければならない)パブリックコメントの期間を「1月13日(金)~1月25日(水)18時00分」と、極めて短い期間で募集した、
   ――中央教育審議会『次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告』――
 に対する、パブコメにおいて、教育行政研究会が計8件の意見を送信しました。

 「"国を愛する態度"の文言を削りなさい」等を明記した1件目は、既にブログ『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! アーカイブ』が掲載頂いていますので、以下、「8件目~2件目」の順で紹介します。

 政府が今年度中(2023年3月31日まで)に閣議決定する教育振興基本計画は、閣議決定するから、ある意味、重いので、以下のパブコメを、一人でも多くの方々がご一読頂き、各教委や各校の校長への申し入れ・交渉等の際、参考にして頂ければ幸いです。

 最後の方の「2件目」の、

――文科省・中教審の、「学制発布後、150年間の歴史や教育」を「全て良し」とする、主張・歴史観は誤っており、アジア諸国の人々や日本の権力者ではない民衆の心を傷付ける、時代錯誤の悪文である。――

という件については、

――学制発布150年間、学校はずっと民主的かつ平等だ」という、異常な歴史観を持つ都教委と、『審議経過報告』本文2頁はそっくりだ。――

という事実は、教育ジャーナリスト・永野厚男さんが既に月刊『紙の爆弾』2019年3月号2018年12月号に取材記事を執筆し、既にブログ『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! アーカイブ』が掲載頂いています。【今回、再添付します。】

 以下、「8件目~2件目」のパブコメは、Web フォーム送信時に、全て

「次期教育振興基本計画の策定に向けた審議経過報告に関する意見募集 ありがとうございます。御意見いただきまして、ありがとうございました。」

の表示が出ました。

          ↓

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、8件目

意見分類

 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「目標2」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文の「目標2 豊かな心の育成」39頁の、「伝統文化教育」に、「国を愛する心情」「国を愛する態度」は絶対に入れないでほしい。自民党や維新の右翼の政治家が「入れろ」と圧力をかけてきても、「伝統文化教育」に「国を愛する心情」「国を愛する態度」は絶対に入れないでほしい。

 「自他の生命尊重」を入れたのは評価できるが、(本来なら「思想・良心の自由」を含めるべき)「人権尊重」(38頁にあるが、ここにも書くべき!)と「寛容」を加筆するべきだ。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、7件目

意見分類

 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「目標6」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文の「目標6 主体的に社会の形成に参画する態度の育成・規範意識の醸成」の49頁「主権者教育の推進」は、自衛隊・日米安保(米軍基地)・"君が代"等で、政府見解と違うリベラルな意見も、授業でちゃんと扱ってほしい。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、6件目

意見分類

 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「総論(I~Ⅲ)」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文の、
「Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望」の(4)教育政策に関する国内外の動向
のうち、6頁に記述している、
―― × 注10 「「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~(答申)」(令和4年12月中央教育審議会)――
の正体は、文科省が教員の「研修履歴の記録」を強制し、校長が"対話"なる場で、校長が受けさせようと考える特定の研修受講を「奨励する」と称しつつ、職務命令を発し強制するものだ。
 つまり、教員への管理統制を強化する答申であり、この答申には反対意見が多い、という事実を加筆するべきだ。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、5件目

意見分類
 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「総論(I~Ⅲ)」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文の、
「Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望」の(3)社会の現状や変化への対応と今後の展望のうち、6頁は、

―― × 成年年齢や選挙権年齢が18歳に引き下げられ、若者の自己決定権の尊重や積極的な社会参画が図られるとともに、こども家庭庁設置法及びこども基本法が成立し、子供の権利利益の擁護及び意見表明などについて規定されたことを踏まえた対応が必要である。/《略》 また、予測できない未来に向けて自らが社会を創り出していくという視点からは、「持続可能な社会の創り手」という学習指導要領前文に定められた目指すべき姿を実現することが求められる。その際、教育基本法の理念・目的・目標について規定されている普遍的価値を共有した上で、主体的な社会の創り手となる考え方が重要である。――

という箇所は、改悪教育基本法の目標のうち、政治的に盛り込んだ「国を愛する態度」までも、文科省・中教審が「普遍的価値」と主張しているのは誤っている、

 従ってまず、

――その際、教育基本法の理念・目的・目標(賛否分かれる「国を愛する態度」を除く)について規定されている普遍的価値を共有した上で、主体的な社会の創り手となる考え方が重要である。――

と修正するよう求める。
 その上で、もし文科省・中教審が、

――ここに書いている「積極的な社会参画」「主体的な社会の創り手となる」という、「義務のようにも読み取れる概念」――

を、

――「一人一人の権利」

とワンセットで考えているなら、それは大きい間違いであると指摘したい。人権・権利は天賦人権説という言葉がある通り、義務と一体ではないからだ。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、4件目

意見分類

 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「総論(I~Ⅲ)」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文の、

「Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望」の(3)社会の現状や変化への対応と今後の展望

のうち、5頁は、

―― × 経済先進諸国においては、経済的な豊かさのみならず、精神的な豊かさや健康までを含めて幸福や生きがいを捉える「ウェルビーイング(Well-being)」の考え方が重視されてきており、経済協力開発機構(OECD)の「ラーニング・コンパス 2030(学びの羅針盤 2030)」【注5】では、個人と社会のウェルビーイングは共通の「目的地」とされている。――

と、OECD「ラーニング・コンパス2030(学びの羅針盤2030)」を都合よく引用している。

 しかし文科省は、

(1)本来児童生徒が主人公であるはずの入学式や卒業式に、学習指導要領を理由に"君が代"を強制

(2)社会科において戦前・戦中の国定教科書の内容と似たような方向性の教科書検定制度の強化(自衛隊の記述等で政府見解を多く書かせる)

(3)文部官僚と自民・公明という保守政党が、野党や多くの市民(保護者・研究者・教職員・学生)の反対を無視し、強行採決で改悪した教育基本法の「国を愛する態度」

――等、Well-beingに反する国家主義の政策を学校現場に押し付けて来ている。

 文科省・中教審が(1)~(3)等の国家主義の政策を改めるのが、Well-being実現への第一歩だ。

 「Well-being=一人一人の豊かで幸せな人生」と、「国を愛する態度」強制とは、絶対に両立しないよ。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、3件目

意見分類
 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「総論(I~Ⅲ)」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文2頁の、

「Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望」の「(1)教育の普遍的な使命」の、

―― × 平成18年に改正された教育基本法の前文にある「たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献する」ことの重要性や教育の目標にある生命を尊重することの大切さを再確認する契機となった。/ 同法《略》第2条においては教育の目標が規定され、①知・徳・体の調和がとれ、生涯にわたって自己実現を目指す自立した個人、②公共の精神を尊び、国家・社会の形成に主体的に参画する国民、③我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人の育成を目指すことが明確にされている。/ これら教育基本法の理念・目的・目標の実現を目指すことは、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代においても変わることのない、立ち返るべき教育の「不易」である。――

という主張は大きく誤っている。

 文部官僚と自民・公明という保守政党が、野党や多くの市民(保護者・研究者・教職員・学生)の反対を無視し、強行採決で改悪した教育基本法の「国を愛する態度」の強制を含む、悪い条文まで「全て良し」「不易」であるとする、この『審議経過報告』の悪文は、以下の通り全面修正するよう求める。

―― 〇 文部官僚と自民・公明という保守政党が主導し、2006年に改悪した教育基本法は「国を愛する態度」の強制を盛ったり、「教育への不当な支配」の禁止を政府等権力者は”例外”であるかのように読み取れる文言に変えてしまったり、民主的な平和憲法に違反している。/そもそも自民党の支持団体である日本経団連副会長の69歳・渡邉光一郎氏が中教審会長であることは、政治的中立性に違反する。その渡邉光一郎氏が、2022年11月22日の第10回振興計画部会で、「国を愛する態度」は「改正教育基本法の不易の部分だ」と、勝手に主張したのは、独善的だ。「国を愛する態度」は、well-being・自己肯定感と大きく矛盾し、両立しない。元々この「国を愛する態度」は、自公の保守系政治家らが議員会館での密室協議で勝手に盛り込んだ政治色の濃いもの。/よって改悪教育基本法は、①「国を愛する態度」の削除、②特に政府や財界等権力者側からの「教育への不当な支配」の禁止を明記―の2点の真の改正が必要である。――

 「Well-being=一人一人の豊かで幸せな人生」と、「国を愛する態度」強制とは、絶対に両立しないよ。

★ 中央教育審議会教育振興基本計画部会の『審議経過報告』に対するパブコメ意見、2件目

意見分類

 Web フォームでの
https://forms.office.com/r/Vi2RNkPDjA
の「次のいずれに対する意見か」の選択肢のうちの、「総論(I~Ⅲ)」にチェックを入れた。

意見

 『審議経過報告』の本文2頁の、

「Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望」の「(1)教育の普遍的な使命」の、

―― × 明治5年に我が国最初の全国規模の近代教育法令である「学制」が公布されてから令和4年で150年を迎えた。この間、各般の教育改革を経て、我が国の教育は国際的に高い水準を達成するに至り、社会の発展に大きく寄与してきた。――

という文科省・中教審の、「学制発布後、150年間の歴史や教育」を「全て良し」とする、この主張・歴史観は誤っており、アジア諸国の人々や日本の権力者ではない民衆の心を傷付ける、時代錯誤の悪文である。

 従って、文科省・中教審に対し、本文2頁の誤った記述を、以下の通り修正するよう、強く求める。

―― 〇 封建時代の遺物と言える天皇を頂点(元首)とする明治政府は、1872年9月4日に「学制」なるものを公布した。文科省は2022年9月4日、「学制」公布後の150年間を讃え「150周年記念シンポ」と称する、偏った大集会を開催した(本会メンバーはオンラインで監視のため視聴した)。 /明治天皇が1890年に出した教育勅語(勅語とは、天皇が直接国民に発する言葉の意)は、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ=戦争になったら、天皇のために命を捧げろ」と一般市民に命令。学校教育などを通じ、当時の子どもたちに国家主義・軍国主義思想をindoctrination(注入)し、天皇制や国家権力・戦争への絶対的な服従を強制した。 /第2次世界大戦敗戦までの昭和天皇・裕仁氏を頂点(元首・元帥)とした日本政府は、日中戦争やアジア太平洋戦争を引き起こし、非常に多くの、アジア諸国の人々や日本の「権力者ではない民衆」の生命を奪ったり、心身を著しく傷付けたりした。裕仁氏には戦争責任がある。 /戦後も、せっかくできた民主的な日本国憲法を、保守系政治家は改悪しようとし続け、近年文科省が教育基本法改悪で"国を愛する態度"を強制する動きを顕著にしており、教育への国家介入等、国家権力の暴走をさせないため、立憲主義に基づいた教育政策(国家権力より個人の方が大切)に変えていく必要がある。――

 前記『審議経過報告』本文2頁の誤った主張への修正提案は以上だが、東京都教育委員会教育政策課が2017年2月23日の定例会に提出、教育委員らの了承を得た『東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書』5頁も、「我が国の学校は、明治期の学制発布以来の民主的かつ平等の名の下に、同じ学校の教職員は、管理職も一般教員も、・・・対等な立場で学校運営に携わるべきだという・・・いわゆる『学校文化』が根付いていた」と明記してしまった。

 「学制発布150年間、学校はずっと民主的かつ平等だ」という、異常な歴史観を持つ都教委と、『審議経過報告』本文2頁はそっくりだ。都教委の”チーム学校検討委員会”の委員長は、中教審の”重鎮”だった小川正人・東大名誉教授だ。本件の詳細は月刊『紙の爆弾』2019年3月号と2018年12月号の教育ジャーナリスト永野厚男さんの取材記事をご覧頂きたい(ネット掲載)。

 


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