パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

渋沢栄一絵柄「安倍紙幣」で「歴史に(悪)名を残す」

2019年04月13日 | 平和憲法
 ◆ <情報>新札「渋沢栄一」の報道に異論あり!
   皆さま     高嶋伸欣です


 「改元」のお祭り騒ぎで人気取りに成功したかに見える安倍首相が、さらなる小手先の「新紙幣」発表で「世の中変わる!」というイメージ作りを進めていますが、相変わらずの半可通の歴史認識ぶりで、今後20年余、「安倍紙幣」で「歴史に(悪)名を残す」ことになりそうです。
 1 まず渋沢栄一の肖像を最高額面の紙幣の絵柄に選んだことについて、報道された9日には韓国から次々と批判の声が上がり、そのことがネットでも同日中に速報されました。
 2 けれども日本国内のマスコミでは、『朝日』『東京』の9日夕刊では触れず、日本テレビは9日の内に報じたものの、テレビ朝日「報道ステーション」は翼賛の話題だけ、TBSの「NEWS23」は「韓国で渋沢の肖像の紙幣が発行されていた」と触れた事実紹介だけ。
 3 転じて、10日朝刊各紙では、『東京』がこの時期に「新紙幣」を発表した安倍政権の思惑について「こちら特報部」などでこだわったものの、夕刊を含め韓国内の反発・批判についてはまったくの無関心
 4 『朝日』は朝刊で、韓国内で渋沢の肖像紙幣が発行された事実を写真付きのコラムで紹介はしたものの、韓国内の反発・批判についてはふれないまま。
 ようやく夕刊で、ソウル支局発の記事を第2社会面に掲載という遅まきぶり。

 5 『朝日』の同記事では、旧1000円札の肖像画に伊藤博文が使われていたことに、韓国で批判があったことに触れてはいたものの、現行の1万円札の福沢諭吉が韓国植民地化の急先鋒であったことで、批判があることには触れていない。
 6 『朝日』はかつて『ひと』欄に「福沢諭吉像の見直しを唱える名古屋大学名誉教授・安川寿之輔さん」を紹介し(2013年12月30日)、「近く、紙幣の肖像から福沢を外す運動を始める」という予告までしていた。
 そのことに、今回の『朝日』記事は触れていない。

 7 安川氏の「1万円札から福沢の引退を求める運動」は、その後に本格化し、現在も続いている。
 8 ましてや、福沢諭吉が韓国をどれだけ侮辱していたことか。「脱亜論」どころではない。
 ①「朝鮮は亜細亜州の中の一小野蛮国にして、その文明のあり様はわが日本に及ぼざること遠し、、、、これと貿易して利あるにあらず、、、その学問取るに足らず、、、、我が属国となるも、尚且つこれを悦ぶに足らず」(1875年10月7日、『郵便報知新聞』)
 ② その後、一時期は韓国の「開化派」に期待を寄せたが、1884年、金玉均らの甲申事変(クーデター)の失敗すると、1885年3月16日の『時事新報』に「脱亜論」を掲載。
「、、、我が国は隣国の開明を待て共に亜細亜を興すの猶予ある可らず、寧ろその伍を脱して西洋の文明国と進退を共にし、其支那朝鮮に接するの法も隣国なるが故にとて特別の会釈に及ばず、正に西洋人が之に接するの風に従いて処分す可きのみ。」
 ③ また投獄された留学生ユギルチュンへの手紙では次のように書いた。
   「かような国は一日も早く滅亡する方天意に叶う事と存じ候。」
 *東京・大久保の高麗博物館<2019年企画展示・2月6日~6月23日>目録『3・1独立運動100年を考える 東アジアの平和と私たち』より
 9 福沢諭吉の中国や朝鮮・韓国だけでなくアジア全体に対する差別的民族観がやがて社会的ダーウィニズムの地政学に取り込まれ、アジア侵略を正当化する「皇国地政学」として「大東亜共栄圏」構想を生み出すこととなた事実を、日本の地理学界はひた隠し続けている。
 10 その状況に乗じて、福沢諭吉は1984年に1万円札に登場し、2004年の絵柄変更の際も、唯一例外として継続とされた。
 そのことがさして問題にされなかったところに、アジアに対する侵略行為を国民が是認した背景を視野に置いていないマスコミ・知識人の限界が読み取れた。
 11 今回、伊藤博文のことを問題にしても、福沢諭吉の1万円札が40年間もアジアの人々の神経を逆なでし続けてきていることに言及している報道がないことにも、同様の限界が読み取れる。
 12 今からでも遅くない。福沢諭吉の1万円札は渋沢栄一の新札が登場する5年後までこのまま使われ続けることになる。その間もアジアの人々に不快感を与え続けることを、改めて指摘する報道は可能なはず。
 *中学や高校、大学の授業などで話題にする機会を安倍政権が提供してくれたことにもなる。
+<参考文献>
  安川寿之輔著『福沢諭吉のアジア認識』高文研、2000年

 13 さらに付言すれば、夕刊のない『産経』東京本社版は、10日の朝刊で韓国内の反発・批判の動きをきちんと記事にして伝えていた。
 安倍政権寄りの同紙としては、不都合な動きをいち早く同調者に伝え、対策を迅速に講じる必要性を伝えるという、同紙ならではの「警戒報道」の一例と読める。
 *それだけ韓国内の動きが、安倍政権側には”要注意”事項であると示唆していることになる。こうした判断材料が『産経』からは得られる、という点に同紙購読の意味がある。
  以上 ご参考までに   
   今回も分析は高嶋です       転送・拡散は自由です



コメント    この記事についてブログを書く
« 学童保育は「サービス」でな... | トップ | 都庁前通信 2019年4月... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事