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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 「10・23通達」から20年

2023年05月29日 | 「日の丸・君が代」強制反対

  《「いまこそ」から》
 ◆ 2023年の卒業式 ~どこまで続くぬかるみぞ

青木茂雄(卒業式入学式対策本部)

 昭和で言えば10年代の半ばにさしかかろうという頃「どこまで続くぬかるみぞ」という言葉が人口に膾炙したと、何かの本で読んだ記憶がある。10・23通達から20年、まさしく「どこまで続くぬかるみぞ」である。

 昭和の初年の「ぬかるみ」満州事変から始まって、盧溝橋事件、南京大虐殺事件、インドシナ進駐、真珠湾攻撃と拡大の一途をたどったが、今度の「ぬかるみ」は、人事考課を起点として、主幹制、10・23通達、職員会議採決拒否、主任教諭、昇給制度改悪、宿泊防災訓練、英語スピーキングテストetc.、とこれまた拡大の一途をたどってきた。
 前者の「ぬかるみ」はポツダム宣言受諾で決着したが、今度の「ぬかるみ」には拡大の一途で決着のきざしすら見えない。「教員不足」がその何かのきざしであるとしても、だ。

 官僚の習性として、一度決めたことは決して改めない。改めないままに、次の制度を付け足していく、両者の間に矛盾や齟齬があってもまったく意に介さない。つまり責任をとらない。
 とくに東京都教育庁の場合、都民や外部の団体からの声にはまったく耳を閉ざしているので、その傾向はさらに顕著である。
 10・23通達以来、教育庁の職員とは直接・間接に接触してきたが、何を言っても言葉が通じない、それこそカフカ的な不条理の世界を垣間見た思いであった。

 そういう訳で10・23通達から20年目の年に入る今年の卒入学式だが、コロナのあおりを受けてしばらく遠慮がちであったが、ことしから徐々に復元しつつある。
 昨年12月19日に都教委は通知を出し、

10・23通達はそのままであり、
「マスク着用」と「歌唱は行わない」としたが、
都教委の「挨拶」をプログラムに明記させて、

 復元への方向を示した。
 この内容で職務命令も発せられた。

 おそらく、来年は本格復活となるであろう。
 学習指導要領にもある通り、卒入学式は学校の主催する「儀式的行事」であり、その形態の決定権は学校にある。なぜならそれは学校の編成する教育課程の一環であるからだ。
 10・23通達は学校の教育課程編成権の侵害であり違法である。
 その違法状態がコロナという例外状態を間に挟んで、定着しつつある(最高裁ではこの件に関してはまだ決着していない)。
 行政権力が意のままに教育の内容を支配した事例として後世まで伝えられていくであろう。
 そして、一部の教員たちが、それに抵抗し続けたということも(しかし、後世がこの事実を公正に裁く、という摂理は私には信じられない。歴史は不条理の累積である)。

 さて、都教委が10・23通達を撤回していない以上、私たちは鉾を収めるわけにはいかない。
 今回も、卒業式入学式対策本部をたちあげ、本部委員会でのパンフ配布、2度にわたる都教委要請、そして、不起立等による職務命令違反処分対応の体制もとった。
 今年も昨年に引き続いて不起立等による職務命令違反者はゼロであった
 3月31日には対策本部主催による「卒業式総括集会」が開催され、52名が結集して盛会だった。
 特筆されるべきことは、国連から二つの勧告が出されていることが報告されたことである。自由権規約委員会とセアートとからである。
 にもかかわらず都教委は無視を決め込んでいることだ。これ以上の不条理があるだろうか。

予防訴訟をひきつぐ会通信『いまこそ No.28』(2023年5月13日)

 


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