《リベルテから》
◆ 東京「君が代」裁判・五次訴訟の最終弁論が突然延期となる
審理担当 鈴木 毅
◆ 最終弁論期日は3月24日に延期
東京「君が代」裁判・五次訴訟は、12月16日(月)に最終弁論を迎え結審に至る予定であったことは本誌においてもお知らせしていたところでありましたが、予定期日の一週間前に裁判所から期日変更の知らせが入り、その後日程調整を行った結果、3月24日(月)の10時15分から631号法廷で弁論が行われることになりました。
被処分者の会および原告団では、突然の弁論期日延期に戸惑いつつも、各方面への連絡・周知に努めましたが、なかなか行き届かず、当日の裁判所には傍聴支援の方々が30名あまりいらっしゃるという事態になってしまいました。大変申し訳なく、この場を借りてお詫びと謝意を申し上げさせていただきたいと思います。
ところで、突然の延期の理由は「裁判所の都合」ということでしたが、その説明内容は当初60分間を予定していた弁論時間を拡大したいが、当初の予定期日では時間枠の拡大が難しいために日程を変更するというものでした。
実際、その後3月24日に設定された弁論時間は、10時15分~12時までの1時間45分間に延長されましたので、弁護団・原告団では、最終準備書面による追加の主張が手厚く行われたこともあり、裁判所側に弁論での意見陳述をよりしっかりと聞きたい意向があるのかなどと推測しましたが、その後、事態は急変しました。
◆ またしても裁判長が交代
以上のような動きがあった中で1月15日、野口裁判長が転任するとの知らせが入りました。本訴訟においては3回目の裁判長交代です。
後任の裁判長は1月23日の時点では公表されておらず、今後どのような訴訟指揮が行われるかどうか不明ですが、野口裁判長の訴訟指揮は非常に緻密で丁寧なものだっただけに、そのような方針が維持されるか否か、今後の展開に対する不安の声も上がっています。
いずれにせよ、次回弁論は最終弁論でありながら更新弁論の性質も持つものになる見込みです。またそう考えると、「裁判長交代に際して最終弁論が更新弁論を兼ねるようにするために、弁論時間の拡大を行ったのかも」とういうような憶測も浮かび上がってきますが、とりあえず、拡大された弁論時間をフル活用して、原告団側の主張を新裁判長にしっかり理解してもらうことに準備を集中させていきたいと考えています。
◆ 最終弁論の内容
以上のような経過で、現時点では新たな裁判官と弁論の内容に関する確認ができておりませんが、昨年11月29日までに原告、被告双方が最終準備書面を提出しており、互いの主張は出尽くしているという状況ですので、弁論の内容は最終準備書面における主張の概要を弁護士が口頭で陳述することを中心としたものになると思われます。なお、弁論時間が当初予定から45分延長されていますので、さらに更新弁論(薪裁判長にこの訴訟の概要を説明すること)や原告による意見陳述を付加していくことなどが可能になるかと期待されます。
なお、原告側が提出した最終準備書面は256ぺージにおよび、被告側が提出した最終準備書面も293ページにおよぶ大部なものですので、ここでその概要をお伝えすることは困難ですが、原告側書面は訴状での主張に追加・補充する主張を付加したもの、被告側は訴状に対する反論を中心にした構成となっています。
被告側が弁論において口頭意見陳述を行うかどうかは不明ですが、原告側は意見陳述で最終準備書面における主張の内容を紹介、強調する予定ですので、次回弁論がこの裁判の総仕上げの場となることは間違いなく、傍聴されるみなさんにもこの訴訟の意義や、五次訴訟の段階に至って主張される新たな論点などがわかりやすく伝わる機会になるかと思います。
次回弁論の法廷規模は42名定員と小さくなりますが、ぜひ傍聴にお越しいただければと思います。
なお弁論の終了後には、日比谷図書文化館において報告集会を開催し、法廷での弁論およびこの裁判の総括的な報告を行う予定ですので、弁論傍聴と併せて、あるいは報告集会だけでも参加していただけるようようしくお願いします。
また、当日法廷に入りきらなかった方が出た場合の控室としても報告集会会場をご利用いただけます。
最後に蛇足ですが、審理の進行に関して大幅な変更があった場合、被処分者の会のホームページにただちに掲載いたしますので、次回弁論の傍聴支援に来られる前にぜひご確認ください。
◎次回の弁論は
3月24日(月)10時15分~12時 東京地裁631号法廷
※閉廷後報告集会を日比谷図書文化館で12時30分から開催します。
東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース『リベルテ 第77号』(2025年1月29日)
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