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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

第9回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会資料から(6)東京④

2019年07月27日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 東京都障害児学校労働組合(都障労組)通信 2019年7月21日
   〒162-0002 東京都杉並区高円寺北3-31-3 Rozi高円寺 電話・FAX 03-3223-8616

 東京都障害児学校労働組合が支援してきた東京「再雇用拒否」第3次訴訟と「君が代」4次訴訟が終わりました。組合員で原告の永井みどりさんに裁判結果を報告してもらいます。
 ◆ 東京「再雇用拒否3次訴訟」に最高裁から不当な決定
 2018年7月19日付で、東京「再雇用拒否」3次訴訟(小林裕、永井みどり、渡辺厚子)の「決定」が最高裁より送達されてきました。主文「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない。上告費用及び申し立て費用は上告人兼申立人らの負担とする。」というもので、「決定」という日付と事件番号を変えただけの、棄却「決定」時のコピペです。
 私たちの高裁判決では、非常勤教員選考は、「いったん退職した人を改めて採用する新規採用」と判決文に書かれていますが、競争試験もなく、書類と面接のみで決まる選考が、新規採用というのは実態とかけ離れています
 選考当時の2011年は、満額年金支給までの「雇用と年金の連携」の観点から原則として再雇用されていました。
 再雇用3次訴訟では、情報開示請求に積極的に取り組み、Nさんの協力も得て、わいせつ,公金横領,体罰等犯罪を犯し懲戒処分を受けた者たちが合格していることを資料提示して事実としてあきらかにしてきましたので、裁判所はその事実を認定せざるを得ませんでした。
 従って「日の丸・君が代」被処分者への再雇用拒否は、憲法14条違反(法の下の平等)であり,また都教委の裁量権逸脱濫用だと主張してきたのです。卒業式で自分の思想・信条・信仰により「君が代」不起立せざるを得なかった者を不採用にするのは、あまりに過酷な思想差別です。
 「日の丸・君が代」と言う国家の根幹をなすイデオロギーの支柱に歯向かう者へは、たとえ「強制」に反対の者であろうとも決して許しはしない,という国家としての強烈な意思の誇示を感じました。
 私たちは、この不当判決に納得できません。「教師が立たされ、国歌を歌わされるとき、生徒たちにも国旗や国歌が強制される」のは理の当然だからです。今後も都立学校の「君が代」強制と闘っていきます。
 ◆ 「君が代」4次訴訟 一部勝訴

 今年3月28日付けで、最高裁から弁護団に原告側・都教委側の上告・受理申立とも棄却・不受理決定が届きました。2017年東京地裁で6人7件の減給以上の処分がすべて取り消されました。残念ながら戒告は取り消されませんでした。
 都教委は、「君が代」不起立のたびに戒告・減給1か月・・・停職6か月と〈累積加重処分〉をしてきました。2012年最高裁判決は、【特段の事情がなければ、戒告をこえる処分は都教委の懲戒権者としての裁量権逸脱・濫用にあたる】と断じて減給・停職処分が取り消される中で、都教委は処分量定を重くして新たな戒告処分を発出しました。
 新たな処分は、「君が代」不起立処分は3回まで戒告で、4回目から減給10分の1・1か月です。〈不起立4・5回に対する〉処分を含む6人7件の減給以上の処分について、東京地裁は都教委の裁量権逸脱・濫用と断じたのです。
 都教委は、Tさんの〈不起立4・5回に対する〉減給処分のみ控訴しましたが、高裁でもTさんの処分は取り消さました。都教委は、Tさんの〈不起立4・5回に対する〉減給処分に対して、最高裁に上告受理申立をしたのです。都教委の申立が不受理になったことで、高裁判決が確定し維持されました。
 「戒告を含むすべての不起立処分を取り消せ」が私たち原告の訴えですが、残念ながら最高裁に届きませんでした。「一部勝訴」であっても大きな「一部勝訴」です。
 しかしながら、処分が取り消された現役教員に「再処分」するという執拗ないじめを都教委は行っています。
 5年2か月に及ぶ闘いを支援してくださったみなさま、ありがとうございました。

 ◆ 文科省 天皇祝意奉表の通知…これは戦前回帰なのか…

 天皇代替わりに当たって文科省は大型連休前に、「児童・生徒に対して適切な指導を行うようにお願いします」「通知」を出してきました。4月23日に教育庁はそれに基づいて都立学校長あてに「通知」をしています。
 4月22日の文科省の「通知」は、「天皇退位等に係る皇室典範特例法」を根拠にとして「通知」が出されています。この「特例法」には「天皇陛下を深く敬愛し」の文言があります。また、「御即位当日における祝意奉表について(通知)」のように祝意だけでなく「奉表」という言葉が使われています。「奉表」は身分が上の人物に対する言葉であり、決して敬語のレベルではありません
 私たちの「君が代」訴訟では、日の丸に正対して君が代を歌う行為は、「慣例的な儀礼的所作」なので、間接的制約ではあるが内心を侵害しないとされました。ここでは「祝意」という内心に介入する「通知」だということであり、「特例法」はこの内心を法律としています
 この「通知」に基づいて、八王子市教委はメールを出し、八王子にある多摩御陵(昭和天皇墓地)に平成天皇が退位の報告に来た時に、近隣の八王子市立第二小学校、横山第二小学校の児童が甲州街道沿道で並び迎えるために動員されました。
 また八王子教育センターに事務所をおく「天皇皇后陛下八王子奉迎実行委員会」が文書を出し、浅川小学校も迎えています。
 5月8日大阪市立泉尾北小学校で「新天皇ご即位記念集会」というのが開かれたそうです。その集会に招かれたゲストの歌手の方は、自身のブログ(https://ameblo.jp/ayaki0416/entry-12459876448.html)オリジナル曲「行くぞ! 日の丸」を歌ったと書いています。
 ブロクに紹介されている歌詞の一部は以下のようです。
   喜びと悲しみに 情熱が肩を組む
   うつむいた日は過ぎた
   時が来た まっしぐら
   行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
   ああ勇ましく 日の丸が行くぞ

 1945年の敗戦により、日本国憲法を柱として民主主義が出発しました。私たちは、「教え子を再び戦場に送らない」と決意をしました。
 連綿と続いてきた民主主義が虚偽と隠ぺい体質の安倍政権によって教育そのものが危機に瀕しています。
 戦争を知っている世代が亡くなり、過去のことだと思っていた治安維持法の時代はそこにまで来ています。
 私たちは、再び「教え子を再び戦場に送らない」と決意しなければなりません。
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