パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都教委の驚くべき実態

2006年09月28日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  都教委の驚くべき実態-9.21判決書より

 9.21判決文(全文版)を読みました。
 何が何でも教職員を旗の前に立たせ歌を歌わせようという都教委の姿勢がリアルな「事実」で実証されています。
 また、起立しない教職員を「がん細胞」と呼ぶ教育委員や都教委に要請文を届けた保護者たちの行動に「何を言われようと一切(方針を)変えるつもりはない」と言い切る教育庁幹部がいることも知りました
 下記は判決文p35-44「3 争点に対する判断 1前提事実」の「(3)本件通達発令の状況 (4)本件通達発令後の状況」の抜粋です。
  ☆数字は判決掲載のページを示す
   http://www.news-pj.net/index.html#anchor01
   http://www.news-pj.net/pdf/060921-2.pdf

 2003年10月23日に、10.23通達と「適格性に課題のある教育管理職の取扱いに関する要綱」という管理職の降任勧告も含む取決めを定め、午後2時から5階大会議場で都立学校校長らに「教育課程の適正実施にかかわる説明会」を開催しています。

 横山教育長は「教育改革は進んでいるが日本人としてのアイデンティティの課題が残っている」「卒業式、入学式のなどで着席のままの教員がいるが、これは運営の妨げである」などと述べ(p36)、

 臼井人事部長は「教職員の座席を指定すること」「(国歌斉唱時に)座っている人にその場で職務命令を出すのは難しいから必ず事前に職務命令を出すこと」「起立しない場合、現認確認をし、都教委に報告すること。都教委は報告を受けて、服務上の責任を問う」「職務命令についてはマニュアルを作成するので、それに従うこと」(p37)など、エゲツナイほど詳細かつ具体的に教員を強制的に立たせる方法を指導しました。
 全体会に続く学区ごとの連絡会で、金子指導主事は「国旗、都旗は各学校の予算で早急に購入すること。国旗は3000円から4000円程度、都旗は2万円程度。松本徽章工業という業者があるので、電話番号と担当者名をメモすること。注文後10日ほどで届く。貸出しはしない」「(平成16年3月の卒業式には)全都立学校に教育庁職員を必ず派遣する。課長級以上が1名、他に1名ないし数名の指導主事を派遣する」「今後、職務命令を出す方法と手順について手順書を示すので、それに則って行うこと」と仔細な指示を伝えました。

 近藤指導部長は2003年11月11日の都立学校長連絡会の講話で「卒業式や入学式について、まず形から入り、形に心を入れればよい、形式的ではあっても(教員や生徒が国歌斉唱時に)立てば一歩前進である」(p40)と述べています。

 2004年1月30日の5学区臨時校長連絡会で賀澤指導課長は、「職務命令は1人1人に手渡すこと」「何日かかっても手渡すこと」「例えば学校で受け取らなかった教員に、それでは家に行って手渡すといったらその次の日の朝に学校で受け取ったという例もある。そのぐらいねばり強くやりなさい」「教頭は(国歌斉唱の)5分くらい前に不起立教員の現認の準備の配置に付きなさい。国歌斉唱自体は約40秒ぐらいだが、その間に教頭が現認すること。教育委員会職員はあくまで補助である」「『国旗に向かって起立し』とは、要するに、国旗にケツ向けるなということである」(p41)とまで述べました。

 管理職は、都教委の「ロボット」だと考えているかのようです。
 その他、卒業式実施要綱を提出させ、問題があれば修正させたとか、教職員の座席一覧表を出させた(p43)とか、都教委派遣職員のうち1名は、背後から不起立の教職員、保護者、生徒を監視し、被告都教委に報告した(p44)、などひどい実態が記されています。

 2003年2月10日校長連絡会全体会で賀澤指導課長は、
「10.23通達に反対する都民が(都教委に対し)要請文を持ってきたが、何を言われようと一切(方針を)変えるつもりはない」(p42)と言い切りました。

 また、2004年4月9日の教育施策連絡会で、鳥海巌教育委員は卒入学式で起立しない教職員について「がん細胞を少しでも残すと、またすぐ増殖してくるということは目に見えているわけです。徹底的にやる。あいましさを残さない。これは非常に重要なことだと思っております」(p47)とまで言っています。

☆都教委は「職務命令は、都立学校の各校長に対し発令したもので、原告の教職員に発したものではない」と主張しました。
 しかし上記のような行動と発言をみれば「学校長の職務命令を介して、強制していた」ことは明らかであり、教育基本法10条の「不当な支配」そのものを都教委自身が行なっていたと認定されるのも当たり前です。

  「土屋・古賀都議とニ人三脚の都教委」

 一方、違憲違法の10.23通達が発令され、締付けが強化されてきたプロセスに都議会議員が暗躍していた様も判決文からよくわかります。
 下記は判決p33-35、45-50の要約です。

p33 土屋敬之(民主党 板橋区選出) 2003.7.2都議会第2回定例会
 「内心の自由を事前に説明する必要はない。また国歌斉唱時に起立しない教職員がいまだに存在する」との質問に対し、
横山教育長
 「司会者が内心の自由について説明することは、極めて不適切であると考えております」「教員が国歌斉唱時に起立しないということはあってはならないことでございます」「新たな実施指針を策定し、各学校及び区市町村教育委員会を指導してまいります」と答弁しました。
 1週間後の7月9日に都立学校等卒業式・入学式対策本部および第1回幹事会が開催され7回の審議の結果、10.23通達を発令することになりました。

p45 土屋敬之(民主党 板橋区選出) 2004.3.16都議会予算特別委員会
 (3月11日の板橋高校卒業式に出席し生徒に「立ちなさい」と叫んだ後の議会)
 「クラスの大半が国歌を歌わないのは教師の指導力不足であり、処分対象と考えてはどうか」という質問に
横山教育長
 「ご指摘のとおり、指導力が不足しているか、学習指導要領に反する恣意的な指導があったと考えざるを得ません。」「おっしゃるような措置(そのクラスの指導を担当した教員は処分の対象)をとることになります」と答弁しました。
 その結果、2004年3月末と5月に171人の大量処分と再雇用取り消しを行い、6月には、不起立の多い生徒が多かった学級担任、管理職等67人に厳重注意を与えます。

p47 古賀俊昭(自民党 日野市選出) 2004.6.8都議会第2回定例会
 「再発防止研修で反省しない教職員は再研修を命じ教壇に戻すな」との質問に
横山教育長
 「より厳しい処分を行うことは当然のことであると考えております」と答弁しました。
 2004.8には戒告処分を受けた教職員に対し服務事故再発防止研修を実施、2回目の者には減給処分(1か月1/10)としたうえで専門研修を実施した
   (なお3回目は減給1/10を6か月、4回目は停職1か月)

p49 古賀俊昭(自民党 日野市選出) 2005.12.8都議会第4回定例会
 「都立西高校の前校長・現校長は個別職務命令を形骸化させている。こうした敵前逃亡も一部にはある。職務命令を出す際の基準を示す必要がある」との質問に
中村教育長
 「職務命令の出し方に課題のある学校には個別に指導の徹底を図る」と答弁しました。
 その結果2006年2月10日、井出指導部長は「職務命令書を適切に作成するよう」にとの通知を発出しました。

☆これは都議会での公式の発言のみですが、質問前の教育庁とのやりとりを含め未公表の事実がいろいろあるのだろうと思います。

☆判決文には登場しませんが、田代ひろし都議も横山教育長から同様の答弁を得ています。
 横山教育長の上には、旗と歌が大好きで、「強制」も好きな石原都知事が存在するためこういう答弁をすることも明らかです。
 3年後の都議選では、みんなの力でぜひこの3都議を落とし、来春の都知事選では石原を落としましょう。そうしないと東京の教育には未来はありません。

〈参考〉
田代ひろし都議(自民党 世田谷区選出) 2004.06.09 第2回定例会(第9号) 
「さきの卒業式において、一部の校長先生が自分の社会的立場を過信し、個別的職務命令書を発しなかったということが明らかになっております」
横山教育長
「ご指摘のとおり、この春の卒業式においては、個別的職務命令を発出しない校長がおりまして、このことが、国旗・国歌に関する実施指針等のルールを遵守することに反対する勢力の攻撃材料になったことから、これらの校長に対しましては、卒業式後に強く指導しまして、入学式におきましては改善をいたさせました。
 今後とも、卒業式、入学式が適正に実施されるよう、各学校の校長を全力で支援をしてまいります」

2005年03月11日、都議会予算特別委員会
◯石原知事 しかし、国歌斉唱のときに座っている生徒を立たして国歌を歌わせるというのは、やっぱり教員としての大事な指導だと私は思います。
◯曽根委員 私が確認したいのは、生徒が座っているのは勝手ですよと。先生が説得しても、最終的に生徒がそこで座って、歌いませんといったときには、それは生徒の最終的な、その生徒自身の内心の自由ですから、これは侵せませんよね。勝手ですよね、これは。つまり、自由ですよ。どうですか。
◯石原知事 しかし、教育の過程で、その生徒の、要するに、それは内心による選択であろうと、やっぱりそれを立たしめる、立たせて歌わせるということで、彼は新しく得ているものがあるでしょう。それを指導するのがやっぱり教員の責任じゃないですか。
◯曽根委員 やっぱり本音が出たといわざるを得ませんよ。

         光が丘 FY

コメント    この記事についてブログを書く
« 処分撤回を求めて(12) | トップ | 院内集会、報告! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日の丸・君が代関連ニュース」カテゴリの最新記事