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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

W杯「反人種差別の日」

2006年07月10日 | ノンジャンル
  人権とメディア 第356回 浅野健一
  「人種差別に『ノー』訴える」から
     『週刊金曜日』(2006/7/7号)

・・・試合前の式典で、センターサークルに敷かれた円形シートに、「人種差別にノーと言おう、今は友だちをつくる時」という英文が書かれていた。帰国後にテレビで見たのだが、準々決勝四試合の前、両チームの主将が、「人種差別は卑劣な行為だ」「人種差別という悪との戦いを続けよう」などという宣言文を読み上げた。試合開始前の写真撮影の際は、向チームが「SAY NO TO RACISM」と書かれた横断幕に沿って整列した。
 FIFAは今大会で、反人種差別キャンペーンを実施してきたが、決勝トーナメント一回戦のフランス対スペイン戦で、「競技場にバスが着くと、猿の鳴き声でチームの黒人選手がののしられた」(フランスのドメネク監督)ほか、観衆から移民系選手に対する中傷が絶えなかったため、準々決勝の二日間を「反人種差別の日」と指定した。
 ドイツの基本法第一条は「人間の尊厳は不可侵である。これを尊重し、かつ、保護することは、すべての国家権力の義務である」と規定し、「ドイツ国民は、それゆえ、世界における各人間共同社会・平和および正義の基礎として、不可侵の、かつ、譲渡し得ない人権を認める」と書いている。ナチズムの根絶を国是とするドイツと、欧州連合(EU)圏内での大会だからこその動きだと思う。
 また、試合直前にユニセフ-国連児童基金-の世界各地の取り組みを映像で紹介している。
 メディアはこうした啓蒙活動についてほとんど報道していない。・・・


…W杯って、ナショナリズム昂揚の場と思っていたら、「反人種差別」を訴える場でもあったんだ。
一見正反対のことが同時に行われる。
いや、「アンチ・レイシズム」に裏打ちされたナショナリズムこそ、
偏狭な国粋主義やエスノセントリズムではない、真のナショナリズムかもしれない。
ドイツW杯は、すごく画期的なお祭りだったのかも知れない。
日本のマスコミだけが、世界の人権水準から一人取り残されているようだ。
『ドイツ基本法』リンクhttp://www.fitweb.or.jp/~nkgw/dgg/
 ドイツ基本法で特徴的なのは、20条の、「抵抗権」規定と「自由で民主的な基本秩序に敵対するための諸自由の禁止」だろう。戦後何十回も改正されたが、絶対変更の許されない条項が3つある。第1条(人間の尊厳の保障)、第20条(民主的法治国家、国民主権の原理)、第79条(州による連邦国家制度)だそうだ。

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