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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

先島諸島への島伝い自衛隊配備は、対中国局地戦争を想定している

2019年05月17日 | 平和憲法
 ◆ 南西諸島の軍事要塞化(自衛隊の配備)
 本日(5月11日)、静岡・沖縄を語る会の総会があり、小西誠さんの講演を聴きました。南西諸島の軍事要塞化(自衛隊の配備)が急速に進んでいることと、その背景や今後について学びました。
 講演の中で、少なからず衝撃を受けたのが「先島戦争(島嶼限定戦争)」という言葉です。私はなぜか、クリミア戦争やコソボ動乱という言葉が浮かんできました。日米の戦略として、小西さんのスライドには次のようなことが書いてありました。
 <オフショア・コントロール下の拒否的抑止戦略>
 ● 「島嶼戦争」という限定的海洋戦争=「局地戦争」は可能か?
 ① 第1列島線内でこの作戦の大半は、限定的航空戦・ミサイル戦・潜水艦・水中無人艇で行われる
 ② この戦略は、米国は「展開兵力の種別・量を核の閾値以下に留めることが「肝要」

 ③ 「戦闘行為の範囲と持続時間を充分に低くすること」⇒「先島戦争」であり、「島嶼戦争」の期間を1~2カ月とする
 ④ 「中国軍に多大な出血を強要しない、海軍力により孤立化させる限定作戦」
 ⑤ 作戦目標は、第1列島線内に無人地帯を作り出すこと(東・南シナ海の封鎖・コントロール)
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 すなわち、与那国島に監視部隊、石垣島宮古島にミサイル部隊を配備し、そこでの対中国との局地戦争を想定
 自衛隊が応戦するが、米軍はグアムに待避(あるいは沖縄本島で待機)、
 先島の島民や自衛隊員が犠牲になるに留めながら戦争を収める
 ーーという戦略が日米で考えていることのようです。

 確かに、小西さんに見せてもらった自衛隊の資料を見ると、与那国島が「沿岸監視」、石垣島と宮古島が「初動対処」、沖縄本島や奄美大島、九州本島までが「緊急展開」となっています。
 有事対応パターンとして、本土から「近隣地域(鹿児島等)」までの航路とそこから「前線基地(先島諸島)」までの航路を示して民間の船舶を利用する図もあり、その先に「戦闘地域」と書いてあります。
 現在わかっている自衛隊配備計画によると、宮古島(保良)にも弾薬庫ができますが、奄美大島には巨大な弾薬庫ができることになっているようで、ここが先島諸島のミサイル基地に兵器を送る一大兵站基地になりそうです。
 自衛隊が購入しようとしている馬毛島(種子島)も島ごと軍事基地(先島に対する後方拠点)にする計画のようです。
 自衛隊は、南西諸島に自衛隊を配備する目的を「自衛隊配備の空白地帯となっている南西地域の防衛態勢を強化する」としてきました。
 私は、自衛隊の空白地域があるとどうして防衛できないのか、不思議でした。今回の小西さんの講演を聴いてやっとわかりました。
 自衛隊は、島を“敵国”に奪われたとき、一つ手前の島から攻撃して奪還することを考えて、島嶼奪還訓練を繰り返しています。従って、攻撃ミサイルが届く範囲内にミサイル基地が必要と考えているのでしょう。
 それで、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島と島伝いに自衛隊基地が必要なのです。
 与那国島のレーダーや石垣島のミサイルが攻撃され、支配されたら宮古島から、ミサイルが石垣島を狙うことになるでしょう。それが先島戦争ということなのでしょう。
 一体、国は島の住民の生命や生活をなんと思っているのでしょうか。

 こんな事態が目の前に迫っているとき、本土の人間は遠い島の話だと無関心を装い、戦闘が起きても限定的ならいいや、とか、自分の生活には関係ない、とか言っていられるでしょうか。
 だから自衛隊が必要なんだという人もいるかもしれません。しかし、軍事基地ができるから、兵隊や兵器があるから戦闘が起きるのです。中国に対する挑発行為をあえてしているのですから。
 そもそも、安倍政権はアメリカべったりの政策を取っていますが、そのアメリカの対中国封じ込め政策の一環に日本が組み込まれていることが問題です。
 小西さんによると、これは砲艦外交、軍事外交として、<軍拡競争をしかける><第1列島線を封鎖する>ということで、中国を政治的経済的におさえつけることをねらっており、かつてのソ連に対して日米が行ってきたことだそうです。そのときは自衛隊は「北方シフト」を組んだのですが、今回は「南西シフト」というわけです。
 あのときは日本列島を“不沈空母”と呼んだ首相がいました。今回は南西諸島が“不沈空母”化されようとしています。
 私は、米中は、軍事的には見えない戦争(サイバー戦争、宇宙戦争)を含めた覇権争いをしていると思いますが、実は本質は経済戦争で、AI・5G・ロボット・医療を中心とする情報技術など科学技術の覇権争いが背景にあると考えています。
 それに乗り遅れた日本は躍起になってアメリカに助けてもらおうとしているのでしょうが、私は地球環境や生活環境を最優先に考える政治や経済で世界に訴えるべきだと思います。軍事力に頼らない平和外交をしてこそ、胸を張って「私たちは人間です」と言えるのではないでしょうか。
 まず国は、民主主義の原則を守ることです。南西諸島の住民および国民に情報を全面開示し、民意に基づく政策に転換することを求めたいと思います。
 『元反戦自衛官の小西誠さん(社会批評社経営&「「自衛官人権ホットライン」事務局)のFacebookに掲載されていた渡辺幸恵さんの感想』
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