2021年11月30日
大阪府教育委員会教育長 橋本正司 様◎ 大阪府教育委員会への質問ならびに要望
「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク
共同代表;井前弘幸・寺本勉 連絡先;
共同代表;井前弘幸・寺本勉 連絡先;
(1)コロナ禍のもとで、今年の卒・入学式では都教委を含めて多くの教育員会は、「国歌清聴」との対応をとりました。ところが貴委員会は、原則は「清聴」だが可能な条件があれば「斉唱」も可として、「起立・清聴」と「起立・斉唱」の2種類の職務命令を発出。大阪ネットとの交渉(2/15)でも、「現場で校歌等を歌いたいとの声もあるので」として、学校の判断で斉唱もあり得るとの回答でした。
しかし式場で斉唱による飛沫感染が起こらない条件があるかどうかはチェックしない、との校長・現場まかせの無責任な対応であることが明らかになりました。
府下の市教委や学校の中でも「斉唱」で実施の場合もあったが、その一方で、大阪市等では「演奏・清聴」とはされていたものの、演奏そのものも実施せず時間短縮した事例もありました。
①今年度の卒業式でも、貴委員会は同様の通知・指示・対応をされるのか?
②今年の卒・入学式では各地教委・学校によっては「君が代」斉唱もしくは演奏もない卒・入学式が実施されたが、貴委員会としてもこれらを式として認められるとの認識と考えてもよいか?
③弊会はこれまでも、卒・入学式等での「君が代」斉唱の強制は、思想・良心の自由を侵し、教職員・生徒・保護者への人権侵害として、行わないことを要請してきました。特に今般のコロナ禍のもとでは、今現在は感染拡大の状況にないとはいえ、大阪府自身も府民に引き続き感染防止努力を呼びかけているように、可能な限りの警戒を払うのが貴委員会の責務と考えます。この観点からも今年度の卒・入学式では少なくとも「君が代」斉唱を強制されないことを要望するが、如何か?
④これまでも貴委員会に豊中高校での校長による卒・入学式の門前での市民のビラ配布への身体接触(「腕を引き寄せ」〔校長自身の文言〕る等)を含む妨害活動が違法・不当なことを指摘してきた。こうしたことが起こるのは、本来、最も基本的人権(思想・表現の自由等)を守るべき学校の責任者の憲法や人権への認識が欠如しているといわれても仕方がないのではないか。校長・教頭への研修等の必要な措置をとるべきと考えるが、如何か?
(2)昨年も、文科省からの依頼とする貴委員会のアニメ・映画「めぐみ」について、「活用した」「予定」「他の教材を活用、予定」を問う全府立校へのアンケートが、これらの特定の教材を強制することになっていること。そして生徒の感想文の中に「きたちょうせんこわい」等の記述も出てきているように、人権教育に反する事態が生じていること等について指摘・抗議してきました。
ところが、今年、大阪府議会で、「北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する決議」が可決(10/11)されました(共産は反対、民主は棄権)。
決議は、府議会として「一日も早い拉致被害者全員の救出に向けて、アニメ『めぐみ』の上映、『拉致被害者御家族ビデオメッセージ~必ず取り戻す!愛する家族へ~』、拉致問題啓発舞台劇公演『めぐみへの誓い-奪還-』及び映画『めぐみへの誓い』の視聴や、『北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール』への参加、拉致問題関連書籍を読むこと等を通じて拉致問題を知り、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する」としています。
さらに吉村知事は、同日の記者会見で、「府立学校では『めぐみ』の上映を徹底させる」と述べたと報じられています。
①この決議を理由として、各学校に対して特定の教材の使用や教育内容を強制することは、教育基本法が禁じる「不当な支配」・教育への介入であり、「教育課程編成権は学校にある」という戦後教育の大原則を否定するものと考えるが、如何か?
②今年度、拉致問題について、貴委員会が各学校へ何らかの指示・通知(電話・メール等も含む)等をされていることがあるのなら、その内容を明らかにされたい。
③学校での拉致問題についての実施前・後のアンケート等の報告や実施に関する指示・通知は、教育内容の強制になるものと考えるが、如何か?
(3)2019年にILO理事会とユネスコ執行委員会によって承認されたCEART(ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門員会)の第13回会期最終報告の105項では、「起立斉唱の静かな拒否は、たとえ職場におけるものであっても、市民権の個人的領域を守るための個々の教師の権利に属すると考える」としています。
①貴委員会は、このCEARTと同じ見解か?もし違うならどういう点で違うのか?さらに「したがって合同委員会は、愛国的な式典が混乱なく行われることを可能にし、しかし追従していることを表す特定の言動への参加に違和感を覚える教員にも対応できる解決策を模索するよう勧告する」としています。
②貴委員会は、このCEARTの勧告について、どのような見解を持つのか?以上の質問・要望につき、12月中に回答と協議の場を持つことを要請致します。
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