パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「文化功労者」に経済人が選ばれて、終身年金が支給されるのは制度の趣旨に反する

2020年11月09日 | 平和憲法
 ◆ この人が文化功労者? (東京新聞【本音のコラム】)
前川喜平(まえかわきへい・現代教育行政研究会代表)

 文化功労者の顔ぶれを見て「あれ?」と思ったのはおととしだ。
 二人の経済人が入っていた。「文化振興」が功績だとされていた。総人数も十五人から二十人に増えていた
 文化功労者は毎年、文化審議会文化功労者選考分科会により、「文化の向上発達に関し特に功績顕著な者」(文化功労者年金法)として、文化、学術、スポーツの分野から選考される。
 文化の分野で言えば、文学、美術、音楽、演劇、大衆芸能などで優れた創造活動をしてきた人たちが選ばれてきた。
 だから、自らは創造活動をしない経済人が選ばれたことには、強い違和感を覚えたのだ。
 去年は、日本財団の会長芸能プロダクションの創業者が含まれていた。今年はIT企業創業者や菅首相と親密だと言われるグルメサイト創業者が含まれている。(※)
 こうした人選には違和感だけでなく、疑惑すら抱かずにはいられない。

 功績顕著な学者芸術家でも、経済的な成功者とは限らない。
 例えば作歌だけで生活できる歌人はほとんどいない。
 文化功労者に支給される年額三百五十万円の年金は、貴重なご褒美だ。しかし、成功した経済人には不要だろう。経済人は褒章と叙勲で顕彰すればよい。文化功労者に経済人はそぐわない。
 芸術家や学者だけを顕彰する制度に戻すべきだ。
 人数も減らせるから、行政改革にもなるだろう。

『東京新聞』(2020年11月8日【本音のコラム】)

 ※ 日本財団会長 笹川陽平
   渡辺プロダクション名誉会長 渡辺美佐
   株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)代表取締役会長 鈴木幸一
   ぐるなび創業者 滝 久雄


コメント    この記事についてブログを書く
« 《Change.org》日本学術会議... | トップ | 第32回「多田謡子反権力人... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事