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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『国民安保法制懇』設立記者会見から

2014年06月09日 | 平和憲法
 ◆ 外交・安保の実務者 「安倍法制懇は非現実的」
 「安保法制懇」が、国民の声を聞かない安倍首相の私的諮問機関であるなら、我々は国民の立場に立った安全保障論議をしよう。法律家、元外交官、元国連職員らがきょう、「国民安保法制懇」を発足させた。
 メンバーは元内閣法制局長官の阪田雅裕氏、元外務省国際情報局長の孫崎享氏、紛争解決請負人の伊勢崎賢治氏ら12人。外交や安全保障の実務を知る人たちがいるのが特徴だ。
 安倍首相の唱える「集団的安全保障の容認」がいかに現実離れしているか。元実務者たちが斬りまくった―
 元国連職員の伊勢崎賢治氏は、安保法制懇が事例として挙げる「駆けつけ警護」がいかにナンセンスかを指摘した―
 「安倍首相の説明で自衛隊が国連のPKO要員として入った時に、現地で働いている日本のNGOワーカーや国連職員を助けられないじゃないか。9条が足かせになって集団的自衛権が行使できないで困るという。これは非常に不謹慎だ
 「多国籍軍に同道した経験があるが、国連は国籍を差別しない。国連ピースキーパー全体として、現地で働いている軍民官を一丸となって、正当防衛という形で区別せずに彼らを警護する。国連の安全保障の議論上、問題にすることは非常に不謹慎だ。こういう議論をなさらないで頂きたいと首相官邸に申し上げたい」
 「駆けつけ警護と言う言葉、現場の我々の中でそんな言葉はありません。駆けつけて当たり前だ。ピースキーパーであろうと、国籍が違う部隊であろうと、ひとつの部隊が窮地に陥っている時に助けないという事態はありえない。駆けつけ警護は当たり前の正当防衛だ」。
 伊勢崎氏はアフガニスタンで紛争当事者の間に入り武装解除に漕ぎ着けた。内戦が続いていたシエラネオネ、東チモールなどでも紛争解決にあたった。武力衝突の現場では、安倍首相が唱えるような集団的自衛権の行使はあり得ない―伊勢崎氏はこう説いているようだった。
 元外交官の孫崎享氏邦人保護の観点から「安倍法制懇」の不自然さを指摘した―
 「自分自身、邦人の危機があったイランやイラクなどで仕事をして来たが、邦人を米軍の飛行機や艦隊が来て助けてくれる等のシナリオはどの大使館も持っていないと思う」
 「イラン‐イラク戦争時のテヘランで助けに来たのは米軍ではない。日本のコミュニティが手配してトルコ航空が出してきた。邦人保護という問題が集団的自衛権の問題として出てくるのは、すりかえであろうかと思う」。
 孫崎氏は邦人がテヘランからトルコ航空機で脱出した翌年の1986年にイラク大使館参事官を、99年にはイラン大使を務めた。邦人救助の現場を知る孫崎氏は、米軍の日本人救助はあり得ない、ということを知り抜いているようだった。
 元内閣法制局長官の大森政輔氏は「安倍総理が指示する方向に結論があって(安保法制懇は)それに理由づけをしただけ。実にひどい」と眉をしかめる。
 自衛隊が紛争地域に派遣されれば、日本は否応なく紛争に巻き込まれる。現実離れした陳腐な理屈が、悲惨な現実をもたらす。
『田中龍作ジャーナル』(2014年5月28日)
http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009396
 ※動画 20140528 UPLAN【記者会見】国民安保法制懇設立記者会見
  祐児三輪
https://www.youtube.com/watch?v=mTQrvx9YeAI
 【プレスリリース】

 メディア記者各位
 5月15日、「安保法制墾」が安倍首相に「報告書」を提出し、安倍首相は記者会見にお-いて、「解釈変更」によって「集団的自衛権行使容認」を行う方向性を明確にしました。
 しかし「安保法制懇」は単なる安倍首相の私的な諮問機関に過ぎず、何ら正統性は認めら-れません。また、構成についても、憲法学者は1名しか入っていないなど、法制懇の名に-ふさわしい議論も行われたとは到底思えません。このような「懇談会」の「報告書」を起-点に、政府が憲法違反の方針を打ち出し、立憲主義を否定しようとしていることに、強い-危機感を持たざるを得ません。
 そこでここに、憲法、国際法、安全保障などの専門家が集まり、憲法、国際法などの見地-から、「安保法制懇」の報告書や安倍首相の会見での事例などを検討するとともに、安倍-政権が行おうとしている「解釈変更」による「集団的自衛権行使容認」について、憲法、-国際法、安安安全保障等の見地から検討し、問題点を明らかにしていくことを目的として、主権者で-る国民の立場に立った「国民安保法制懇」を設立することとしました。

「国民安保法制懇」委員(5月23日現在)
阪田雅裕 (元第61代内閣法制局長官)
大森政輔 (元第58代内閣法制局長官)
樋口陽一 (東大名誉教授・憲法)
小林節 (慶応大学名誉教授・憲法)
長谷部恭男(早稲田大学教授・憲法)
最上敏樹 (早稲田大学教授・国際法)
柳澤協二 (元防衛省防衛研究所長、元内閣官房副長官補)
孫崎享 (元防衛大学校教授、元外務省情報局長)
伊勢崎賢治(東京外国語大学教授・平和構築、紛争予防)
愛敬浩二 (名古屋大学教授・憲法)
青井未帆 (学習院大学教授・憲法)
伊藤真 (法学館憲法研究所所長、弁護士)


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