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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

公務員の一人を圧し潰した現代日本の政治の恐怖

2020年07月29日 | 平和憲法
 ◆ 未解決の政治悪 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 自死を遂げた夫の姿を発見して、妻は一一○番にダイヤルした。殺されたと思ったからだ。
 財務省が国有地を九割引きで首相の妻と関係が深い小学校の用地として払い下げた。その経過を記録した文書の改ざんは首相夫人が登場する箇所を中心に行われた
 いうまでもない、森友事件の発端だ。

 赤木雅子著『私は真実が知りたい』(文藝春秋社刊)の一部は週刊誌で読んでいたが、一一○番に電話をかけた妻の混乱ぶりが、官邸と財務省の巨大な力が公務員の一人を圧(お)し潰(つぶ)した現代日本の政治の恐怖を表している。
 自殺した赤木俊夫さん=当時(54)=は上司の命令に応じたとはいえ自分がやったことは「内閣が吹っ飛ぶ大罪」とおびえ、死の直前には検事に追われていると口走っていた。
 雅子さんの協力をえて、夫の命を懸けた手記をふくめた共著にしたのは、元NHK記者の相澤冬樹さんである。
 彼は森友問題をスクープして、NHK報道局長から激怒され、退職していた。
 「殺された者」の想いを引き継ぐ者があらわれて、この残虐のドラマは進行してきた。
 「私の夫、トッちゃんは二度と帰ってこない。でも私の人生は続く。真相がわからないままでは私の人生はリセットできない」と雅子さん。
 亡き夫はドラマの『水戸黄門』が好きだった。悪代官や悪徳商人は必ず退治されてハッピーエンドとなった。
『東京新聞』(2020年7月28日【本音のコラム】)


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