《月刊 救援》
◆ 少年法の改悪を断固として許さないぞ!
先月号で衆議院での可決を報告した、少年法改悪。
参議院で、五月六日に参考人、一一・一三・一八日に審議して、二〇日に委員会可決、二一日に参議院で可決成立した。
立法事実がなく、一八・一九歳の少年に対するこれまでの配慮をなくし厳罰化するこの法案は、再犯防止にすらならないとして多くの疑問の声が出された。
刑事法廷に回されることが増えその場合、実名報道される、資格が取れなくなるなど。民法の一八歳施行に合わせるために法制審含め議論を打ち切って押し切った法改悪に抗議する。
私たち緊急アクションは、五月一〇日には国会前座り込みと昼休みに院内集会を行った。
院内集会の講師は佐々木光明さん(神戸学院大教授)で、
【少年法改正の背景と自己責任論の帰結
…「行為責任」論が侵食する少年非行への理解】。
少年法はやり直せるという価値観を持ったもの。
それにたいして、生きづららさを抱えた人間への理解・想像力の衰退、秩序ある安定した世界の維持心理で制裁・罰による課題解決への向かいやすさ、社会を不安にさせやすい存在への「差異化」「排除」「自己責任」が最近ある。
経済界、教育等で、組織ルールを守り「規範意識」を強く持った若者をとなっている。外れた少年に対して「責任の明確化」と「重罰化」が強調されている。というような、状況を大きくとらえての講演であった。
この日の行動には、三三名の参加。宣伝が不十分だったにもかかわらず集まった。
また、ネットなどで呼びかけていた【少年法・刑法「改正」に反対する共同声明】は、短期間ではあったが、呼びかけ人一一名、賛同人八三名を集めることができた。
院内集会も、賛同集めも、力量的に広くはよびかけられていないにもかかわらず、これまで接点のない人の参加を得た。
少年法改悪に疑問を捧っている人は大勢いるのだと思う。
昨年までの段階では、日弁連初め、大きな団体が少年年齢引き下げに反対しており、少年の年齢の人の両親や、教育、福祉、精神医療の関係者にも反対があった。
少年院院長や、家庭裁判所の職員なども反対の意見書を出した。
少年法の保護処分は、虞犯に対してもなされるなど、刑事処分とは異なっており、困窮、「発達障害」、環境が劣悪、等で自分の生き方から外れそうな少年が自ら立ち直る手助けになり、それが結果的に再非行を効果的に防ぐことにもなっている、その機能しているやり方を変えるべきではないとの意見が強かった。
が、法制審がまとまらない中で、与党PTの合意として、少年年齢を引き下げるのではなく、一八・一九歳は少年法上の少年としたままで特別な扱いをする、とまとまり、理解しにくいこの案で一応少年ではあるということか、日弁連も賛成はしないし反対意見が多いが大きな集会や院内集会などは開かなかった。
コロナで院内集会も人数制限される、集会が開きにくい状況もあっただろうが。それでも先月報告したように多くの団体が反対声明を出していた。
秋の臨時国会もしくは来年の通常国会には法制審答申のもう一つ、刑法等刑罰制度の改悪が予想される。
新自由刑、刑務所内また出所後の再犯防止の教育プログラムや指導監督、保護観察強化、更生保護施設の機能強化、更生緊急保護の拡充など、再犯防止推進法とも連動して、監視・管理を強化し、刑罰が内心にも踏み込んで国家にとって健全な人間へと人格改造をも含む改悪である。
だが少年法と違ってまだ反対の動きはほとんどない。
だが、たとえ直接は大きな運動体に刑法改悪阻止の動きがなくても、少年法改悪反対の私たちのささやかな運動にこれまで知らなかった人の参加があったように、再犯防止理由の権利侵害や厳罰化、監視社会化等に疑問を持つ人は多くいるだろうと思う。
少年法改悪反対を共にした仲間や出会った人とつながり、とりあえず広く問題提起をしたい。
緊急アクションはパンフレット作成や新たな共同声明作成を考えている。
『月刊 救援 第626号』(2021年6月10日)
◆ 少年法の改悪を断固として許さないぞ!
先月号で衆議院での可決を報告した、少年法改悪。
参議院で、五月六日に参考人、一一・一三・一八日に審議して、二〇日に委員会可決、二一日に参議院で可決成立した。
立法事実がなく、一八・一九歳の少年に対するこれまでの配慮をなくし厳罰化するこの法案は、再犯防止にすらならないとして多くの疑問の声が出された。
刑事法廷に回されることが増えその場合、実名報道される、資格が取れなくなるなど。民法の一八歳施行に合わせるために法制審含め議論を打ち切って押し切った法改悪に抗議する。
私たち緊急アクションは、五月一〇日には国会前座り込みと昼休みに院内集会を行った。
院内集会の講師は佐々木光明さん(神戸学院大教授)で、
【少年法改正の背景と自己責任論の帰結
…「行為責任」論が侵食する少年非行への理解】。
少年法はやり直せるという価値観を持ったもの。
それにたいして、生きづららさを抱えた人間への理解・想像力の衰退、秩序ある安定した世界の維持心理で制裁・罰による課題解決への向かいやすさ、社会を不安にさせやすい存在への「差異化」「排除」「自己責任」が最近ある。
経済界、教育等で、組織ルールを守り「規範意識」を強く持った若者をとなっている。外れた少年に対して「責任の明確化」と「重罰化」が強調されている。というような、状況を大きくとらえての講演であった。
この日の行動には、三三名の参加。宣伝が不十分だったにもかかわらず集まった。
また、ネットなどで呼びかけていた【少年法・刑法「改正」に反対する共同声明】は、短期間ではあったが、呼びかけ人一一名、賛同人八三名を集めることができた。
院内集会も、賛同集めも、力量的に広くはよびかけられていないにもかかわらず、これまで接点のない人の参加を得た。
少年法改悪に疑問を捧っている人は大勢いるのだと思う。
昨年までの段階では、日弁連初め、大きな団体が少年年齢引き下げに反対しており、少年の年齢の人の両親や、教育、福祉、精神医療の関係者にも反対があった。
少年院院長や、家庭裁判所の職員なども反対の意見書を出した。
少年法の保護処分は、虞犯に対してもなされるなど、刑事処分とは異なっており、困窮、「発達障害」、環境が劣悪、等で自分の生き方から外れそうな少年が自ら立ち直る手助けになり、それが結果的に再非行を効果的に防ぐことにもなっている、その機能しているやり方を変えるべきではないとの意見が強かった。
が、法制審がまとまらない中で、与党PTの合意として、少年年齢を引き下げるのではなく、一八・一九歳は少年法上の少年としたままで特別な扱いをする、とまとまり、理解しにくいこの案で一応少年ではあるということか、日弁連も賛成はしないし反対意見が多いが大きな集会や院内集会などは開かなかった。
コロナで院内集会も人数制限される、集会が開きにくい状況もあっただろうが。それでも先月報告したように多くの団体が反対声明を出していた。
秋の臨時国会もしくは来年の通常国会には法制審答申のもう一つ、刑法等刑罰制度の改悪が予想される。
新自由刑、刑務所内また出所後の再犯防止の教育プログラムや指導監督、保護観察強化、更生保護施設の機能強化、更生緊急保護の拡充など、再犯防止推進法とも連動して、監視・管理を強化し、刑罰が内心にも踏み込んで国家にとって健全な人間へと人格改造をも含む改悪である。
だが少年法と違ってまだ反対の動きはほとんどない。
だが、たとえ直接は大きな運動体に刑法改悪阻止の動きがなくても、少年法改悪反対の私たちのささやかな運動にこれまで知らなかった人の参加があったように、再犯防止理由の権利侵害や厳罰化、監視社会化等に疑問を持つ人は多くいるだろうと思う。
少年法改悪反対を共にした仲間や出会った人とつながり、とりあえず広く問題提起をしたい。
緊急アクションはパンフレット作成や新たな共同声明作成を考えている。
(刑法・少年法改悪に異議あり!緊急アクション山中雅子)
『月刊 救援 第626号』(2021年6月10日)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます