◎ 土肥信雄 三鷹高校校長 を証人に採用
1月29日(木)、午後4時30分から東京高裁14階会議室において、「君が代」解雇撒回裁判控訴審の進行協議がもたれました。裁判所からは坂井主任裁判官と書記官が、控訴人側からは16人(控訴人9人、代理人7人)、被控訴人側からは代理人8人、合計26人が参加。冒頭、坂井裁判官は「土肥信雄三鷹高校校長を証人として採用する」と発言、続いて今後の裁判の日程が話し合われ、次のように裁判日程が決まりました。
4月21日(火)第6回口頭弁論101法廷
時間 午後2時~4時(1時30分傍聴抽選)
内容 都立三鷹高校校長・土肥信雄氏の証人尋問
(この変更により、3月10日の口頭弁論は取り消しとなりました。)
最後に坂井裁判官は「最終弁論(結審)の日程は上記の口頭弁論で決めますが、6月か7月となるだろう」と発言しました。
▼ 土肥校長、定年後の「非常勤教員」に不合格
<「学校に自由を求めて一・三一集会」にて>
一月三一日、午後六時半から杉並公会堂で集会が開かれました。集会のタイトルは「学校に自由をもとめて」-都教委「挙手採択禁止」への異議申し立てParⅡ-。
これは昨年の九月二七日に続く集会です。参加者は約千人。集会では、私たち解雇裁判控訴人や共にすすめる会会員は、会場整理などの手伝いをしました。
▼ 非常勤教員採用不合格
集会で土肥校長は「私は今年の一月末日で定年となる。定年後も働きたいので非常勤教員に応募した。その結果が一月一六日に出た。不合格だった。私は、これまで常に法令遵守を心掛けてきた。法令に背くことはやっていない。明らかに見せしめとしか思えない。現在、弁護士とも相談している」と「採用拒否」にあった事実を明らかにしました。
なお、「非常勤教員制度」は、「再雇用制度」と同じく、定年後の雇用保障として設けられた制度です。これまでほとんどが合格し、採用されてきました。しかし、「君が代」斉唱時の「不起立者」だけは恣意的に不合格にされています。土肥校長のような例はありません。
▼ 「異議申し立て」の理由
東京都教育委員会(都教委)は二〇〇六年、都立学校の職員会議で「挙手・採択」をすることを禁止する通知を出しました。土肥校長は、この翌年度から、この「禁止通知」に反対する意見を述べてきました。
「教員のなかに、いくら意見を言っても仕方がないという雰囲気が広がる。ひどい場合は校長の権力濫用が起こる。その結果、学校に民主主義がなくなる」これが異議申し立ての理由です。
土肥校長は、昨年の八月四日、都教委に対し、「この問題で公開討論を行って都民に判断してもらおう」と申し入れを行いました。都教委の回答は「必要ない」という拒否回答でした。
▼ 「業績評価」は問題
集会では、「職員会議で意見を言ったという理由だけで業績評価が「C」になった」という教員の声が紹介されました。東京都の教員に対する業績評価は、優秀=「A」、良好=「B」、もう一歩=「C」、奮起を期待=「D」と四段階になっています。この評価の結果は人事異動や給与にも反映されています。また「C」や「D」評価の者は不適格教員であるとして「研修」をさせられ、「改善していない」という理由で退職に追い込まれることもあります。
土肥校長は「『都教委は校長にCとDの評価を二〇%以上出せといっているが、絶対評価と言っていたことと矛盾するのではないか』と述べたことが『守秘義務違反』に問われた」と発言し、先ほどの「教員の声」を受けて「採決禁止は問題だが、それ以上に問題なのは業績評価だ。業績評価を恐れて校長に反対することが言えなくなってしまうからだ」と、業績評価制度の危険性を述べました。
▼ 「言論の自由」の危機
土肥校長は別のところで次のようにも言っています。「私は教育の現場で、言論の自由が最も大事だと考えている。それをなくすると教育はファッシズム化する。
特定の思想を押し付けてはいけない。主体は生徒であり、生徒が選ぶべきものだ。都教委による日の丸・君が代の強制、職員会議の補助機関化、さらには『挙手・採決の禁止』が行われていることに対し、どうしても声を上げなければならなかった」
▼ 三鷹高校卒業生もエール
集会では三人の三鷹高校の卒業生が「先生は常に基本的人権の尊重と平和主義について話された」「だから三鷹高校ではなんでも話せる雰囲気がつくられていた」「先生を尊敬している」と発言し、土肥校長にエールを送りました。
なお、土肥校長の他、安藤聡彦埼玉大教授、上原公子前国立市長、世取山洋介新潟大准教授、広田照幸日大教授らが話をしました。(蔵野記)
「君が代・強制」解雇裁判通信 第86号(2009年2月17日(火))
1月29日(木)、午後4時30分から東京高裁14階会議室において、「君が代」解雇撒回裁判控訴審の進行協議がもたれました。裁判所からは坂井主任裁判官と書記官が、控訴人側からは16人(控訴人9人、代理人7人)、被控訴人側からは代理人8人、合計26人が参加。冒頭、坂井裁判官は「土肥信雄三鷹高校校長を証人として採用する」と発言、続いて今後の裁判の日程が話し合われ、次のように裁判日程が決まりました。
4月21日(火)第6回口頭弁論101法廷
時間 午後2時~4時(1時30分傍聴抽選)
内容 都立三鷹高校校長・土肥信雄氏の証人尋問
(この変更により、3月10日の口頭弁論は取り消しとなりました。)
最後に坂井裁判官は「最終弁論(結審)の日程は上記の口頭弁論で決めますが、6月か7月となるだろう」と発言しました。
▼ 土肥校長、定年後の「非常勤教員」に不合格
<「学校に自由を求めて一・三一集会」にて>
一月三一日、午後六時半から杉並公会堂で集会が開かれました。集会のタイトルは「学校に自由をもとめて」-都教委「挙手採択禁止」への異議申し立てParⅡ-。
これは昨年の九月二七日に続く集会です。参加者は約千人。集会では、私たち解雇裁判控訴人や共にすすめる会会員は、会場整理などの手伝いをしました。
▼ 非常勤教員採用不合格
集会で土肥校長は「私は今年の一月末日で定年となる。定年後も働きたいので非常勤教員に応募した。その結果が一月一六日に出た。不合格だった。私は、これまで常に法令遵守を心掛けてきた。法令に背くことはやっていない。明らかに見せしめとしか思えない。現在、弁護士とも相談している」と「採用拒否」にあった事実を明らかにしました。
なお、「非常勤教員制度」は、「再雇用制度」と同じく、定年後の雇用保障として設けられた制度です。これまでほとんどが合格し、採用されてきました。しかし、「君が代」斉唱時の「不起立者」だけは恣意的に不合格にされています。土肥校長のような例はありません。
▼ 「異議申し立て」の理由
東京都教育委員会(都教委)は二〇〇六年、都立学校の職員会議で「挙手・採択」をすることを禁止する通知を出しました。土肥校長は、この翌年度から、この「禁止通知」に反対する意見を述べてきました。
「教員のなかに、いくら意見を言っても仕方がないという雰囲気が広がる。ひどい場合は校長の権力濫用が起こる。その結果、学校に民主主義がなくなる」これが異議申し立ての理由です。
土肥校長は、昨年の八月四日、都教委に対し、「この問題で公開討論を行って都民に判断してもらおう」と申し入れを行いました。都教委の回答は「必要ない」という拒否回答でした。
▼ 「業績評価」は問題
集会では、「職員会議で意見を言ったという理由だけで業績評価が「C」になった」という教員の声が紹介されました。東京都の教員に対する業績評価は、優秀=「A」、良好=「B」、もう一歩=「C」、奮起を期待=「D」と四段階になっています。この評価の結果は人事異動や給与にも反映されています。また「C」や「D」評価の者は不適格教員であるとして「研修」をさせられ、「改善していない」という理由で退職に追い込まれることもあります。
土肥校長は「『都教委は校長にCとDの評価を二〇%以上出せといっているが、絶対評価と言っていたことと矛盾するのではないか』と述べたことが『守秘義務違反』に問われた」と発言し、先ほどの「教員の声」を受けて「採決禁止は問題だが、それ以上に問題なのは業績評価だ。業績評価を恐れて校長に反対することが言えなくなってしまうからだ」と、業績評価制度の危険性を述べました。
▼ 「言論の自由」の危機
土肥校長は別のところで次のようにも言っています。「私は教育の現場で、言論の自由が最も大事だと考えている。それをなくすると教育はファッシズム化する。
特定の思想を押し付けてはいけない。主体は生徒であり、生徒が選ぶべきものだ。都教委による日の丸・君が代の強制、職員会議の補助機関化、さらには『挙手・採決の禁止』が行われていることに対し、どうしても声を上げなければならなかった」
▼ 三鷹高校卒業生もエール
集会では三人の三鷹高校の卒業生が「先生は常に基本的人権の尊重と平和主義について話された」「だから三鷹高校ではなんでも話せる雰囲気がつくられていた」「先生を尊敬している」と発言し、土肥校長にエールを送りました。
なお、土肥校長の他、安藤聡彦埼玉大教授、上原公子前国立市長、世取山洋介新潟大准教授、広田照幸日大教授らが話をしました。(蔵野記)
「君が代・強制」解雇裁判通信 第86号(2009年2月17日(火))
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