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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ジェンダー絡みで「時代は変わったのだ」と痛感すること

2019年12月17日 | 平和憲法
  《週刊金曜日【風速計】》
 ◆ 「当たり前」を見直していく
   雨宮処凛


 もうすぐ2019年が終わる。
 今年は『週刊SPA!』の「ヤレる女子大生ランキング」炎上とともに年が明けた。
 少し前なら「よくあること」としてスルーされた企画がきっちり炎上。それに声を上げたのが現役の女子大生だったこと。名前を挙げられた五つの大学側が抗議声明を出したこと。そして編集部がすぐに謝罪したことを含め、「事態は確実に変わっているんだ」と改めて認識する出来事だった。
 それ以外にも今年はジェンダー絡みで「時代は変わったのだ」と痛感することが多くあった。
 まず、コンビニからエロ本が消えた。
 3月に相次いだ性暴力事件の無罪判決を受けて「フラワーデモ」が始まり、全国各地に広まった。
 そうして特筆したいのは、職場でのヒールやパンプスの義務づけに異議を唱えた「#KuToo」ムーブメントの盛り上がりだ。
 提唱者の石川優実さんは海外メディアからも多くの注目を浴び、英BBCの「100人の女性」にも選出された。
 働く上での性差別的なルールは他にも「女性だけメガネの着用を禁じられる」などが、あることがわかり、こちらも注目を浴びた。
 そんな「女性だけ○○禁止、もしくは強制」という謎ルールに対して11月19日、大きな前進があった。
 参議院厚生労働委員会での福島みずほ議員の質問に答えて、加藤勝信厚労大臣はそれらが「ハラスメント」であると認めたのだ。
 「男女雇用機会均等法の趣旨に照らせば、同じ職務に従事して、同じ状況で、同じ仕事をして、少なくとも男女において、男性は良くて女性はダメだというのは、これは趣旨に合っていないと思います」
 これはメガネについての発言だが、女性のみヒールのない靴がダメ、というのも同じく均等法上NGだろう。
 職場で女性だけヒールやパンプスを義務づけられることについて、女性だけメガネが禁じられることについて、みんながずーっとおかしいと思ってた
 だけど、「そんなものなのだ」「決まりなのだ」となんとなく黙らされてきた。
 しかし、その理由は「女だから」

 これこそが性差別だと真正面から訴えた運動は、今、多くの成果を勝ち取り始めている。
 今一度、自分たちの「当たり前」を見直していくことが、みんなが生きやすい社会につながっていくのだと、改めて気づかされた。
『週刊金曜日 1259号』(2019.11.29)

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