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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教育における国家の価値中立性を否定した清水響東京地裁判決

2017年07月09日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  =解雇させない会が総会と講演会=
 ◆ 08年事件判決を指弾 (週刊新社会)


 河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会の年次総会と講演会「『君が代』不起立大阪の闘いとともにー」が7月1日、東京都内で開かれた。
 総会では、都教委に対する働きかけと監視、情宣、学習会活動の報告、予算・決算が承認され、今後も活動の継続と裁判闘争の継続で清水響判決(08年不起立事件の根津教諭の停職6カ月処分適法、河原井教諭の処分は無効、損害賠償を認めず。東京地裁判決“5月22日・本紙6月20日号)の徹底的論破を方針として確認した。
 その後、講演会として、その08年事件の清水判決の問題点について、萱野一樹弁護士が指摘した。
 そして大阪で「『君が代』不起立への思いと再任用拒否」と題し、元大阪府立高校教員の梅原聡さんが報告し交流した。
 萱野弁護士の講演要旨は次の通り。

 裁判の争点は、
 ①10・23通達(国旗.国歌の適正実施)及びその職務命令が憲法19条(思想及び良心の自由)に違反するか、
 ②さらに憲法23条(学問の自由)、26条(教育を受ける権利)、教育基本法16条(教育の不当な支配の排除)に違反するか、
 ③最高裁判決(2012年)で減給以上の処分は違法で取り消された処分に対して国賠法に基づく損害賠償が認められるか、
 本件特有の④根津教諭のトレーナー着用の禁止の職務命令の違法性、着用は職務専念義務違反に該当するか、
 に整理される。

 判決は国家的価値が前面に出され、
 「教育活動は一定の価値観やこれに基づく価値の選択を前提とせざるを得ないものであるから、その意味で価値中立的であることは不可能
 「生徒に一定の価値の重要性を学習させる教育を行うことが内心の誘導であり、憲法19条に違反することになるとは解することはできない」
 として国家の中立性を否定し、従来の概念を放棄している。

 さらに国旗国歌法によりこれらを尊重する態度を育てるという学習指導要領の考え方が、誤った知識や一方的な観念を生徒に植えつけるような内容の教育の強制するものと評価はできないとして、国家主義的価値観の全面展開となつている。
 そして、教員の起立・斉唱は教育活動として許容される範囲のものであり、生徒が事実上強制されるものとは解されないとして、率先垂範を強制している。
 また、トレーナーの着用を判決文の12ページも使い、過大な取り扱いをして裁量権逸脱を排除している。
 損害賠償については、地裁(古久保判決、清水判決)と高裁(南判決、須藤判決)で都教委の過失(注意義務違反)の判断基準によって変わった。
 地裁は当時の判決状況におかれ、高裁は法律制定時の国会答弁におかれている。
『週刊新社会』(2017年7月11日)

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