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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

政権への忖度圧力に屈しかかった人権・同和対策室

2020年07月01日 | 平和憲法
 ◆ 一通の手紙 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 「現在徴用工問題が政治問題化しているなかで福岡県の税金で政府の見解に反するような放送を行うのはいかがかと思います。ぜひ『中西和久ひと日記』を聴いてみて下さい」。福岡県の人権・同和対策局に来た手紙の一部である。昨年八月に遡(さかのぼ)る。
 俳優の中西和久氏が九州朝日放送(KBC)のラジオ番組で、第二次大戦中に福岡県の炭鉱で強制労働させられていた戦争捕虜や中国人、朝鮮人に言及したのにたいして、「日本人は危険な戦場に借(ママ)りだされていた」「この番組が問題があると思われるなら番組の中止または制作者の変更をお願いします」。と書いてきた。低劣な手紙である。
 今年一月、スポンサーである県人権・同和対策局は恒例のアーカイブ版作成のときに、中西氏に削除と再編集を要請し、契約打ち切りまで匂(にお)わした
 「行政だから政府の言う通りに動かなくては」。それが理由だった。手紙の主張である、「現在徴用工問題が政治問題化しているなかで」の、政権をバックにした異常な攻撃だ。
 「人権を拡大する担当部署が人権に鈍感なのは信じられない」(中西氏)。

 私は二十九日、同局に電話した。新局長の田渕慎一郎氏はこう答えた。
 「削除をお願いするなど対応が間違っていた。これからも番組を続けて頂くよう中西さんにお願いします」。
 表現と人権擁護は闘争で守られる

『東京新聞』(2020年6月30日【本音のコラム】)

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