パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 8月15日、日野市教育委員会で「市民団体・教育行政研究会」が口頭意見陳述予定

2024年08月14日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 8月15日(木)は、教育行政研究会(前川喜平さんの「現代教育行政研究会」とは、別組織です)のメンバーの市民が冒頭5分間、意見陳述するので、皆様、傍聴においで頂ければ幸いです。
 日野市教委側は、
 ――14時開始の15分前までに市役所5階の教委庶務課で受付(個票に住所・氏名記入)を済ませてほしい。――
 と言っています。

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日野市教育委員会御中

◎ 2025年度使用開始の中学校公民・育鵬社"教科書"が、
"愛国心""君が代敬意表明"等を強制しているのは間違っていると、
本市の教職員に周知頂きたい等の請願

2024年7月17日(水)提出
教育行政研究会

 口頭意見陳述をします。

1 請願の背景と、請願を実行頂きたいお願い等

 文部科学省が3月22日に同省記者クラブ所属記者に限定し"公表"した、2025年度使用開始の中学校教科書の検定結果で社会科公民分野教科書は、東京書籍(東書)・教育出版(教出)・帝国書院・日本文教出版と、改憲政治団体のメンバーら執筆の育鵬社・自由社の計6社が合格した。

 本会は既に6月30日(日)、

――2025年度使用開始の中学校教科書の『採択 教科委員会・調査研究報告書』『採択 審議会・答申書』作成の際、公民分野の一部の社が防衛省の広報誌化し"軍拡肯定"の記述をしている事実を正確に明記頂き、対案も載せて頂きたい等の請願――

 を提出している。

 その請願においては、

――公民教科書の(一部偏向学習指導要領に入ってしまっている単語の)"防衛"と称する大軍拡で、政府・保守政党の政策に偏重した記述=首相官邸・防衛省の広報誌化が、改憲派の2社以外にも目立つ。――

 と指摘し、東書(占有率1位)・教出(2位)に絞り、憲法第9条に適合する記述と憲法第9条に違反する記述とを詳細に分析し、教出の政府・保守政党寄りの記述や掲載写真を厳しく批判しつつも、東書の一部記述に評価できる点がある事実を陳述した。

 今回の請願では、後刻PDFファイルで添付送信する、『週刊新社会』2024年6月12日号掲載の教育ジャーナリスト・永野厚男さん取材・執筆の、

――"愛国心・国家尊重"強制で、"国家への帰属意識"を教化――

 と題する記事【誰でも無料で見られる団塊の世代の元教職員のブログ『パワー・トゥ・ザ・ピープル!! アーカイブ』2024/06/12も転載】を踏まえ、「2 具体的請願・分析事項」に掲げる各項を、例年7月中旬に提出の『25年度使用開始の中学校教科書採択 審議会 委員名簿・答申書』の作成者はもとより本市の全教職員(校長を含む)に対し、本請願の内容を周知して頂く((副)校長会・教務主任会等でも紹介して頂く)と共に、8月15日(木)の貴教委定例会での採択に向けた"勉強会"等でも参考にして下さい。

 また、文科省・都教委と育鵬社"教科書"の編集部に、本請願の内容を踏まえた意見書を出して頂きたい。
 更に前記・記事を、堀川拓郎さんと4人の教育委員、長崎将幸さん・前田健太さんを始めとする指導系が読み込んで頂いた上で、全員「毎回壊れたICレコーダーのようではない、具体的内容に踏み込んだ意見」を述べた上で、本請願を採択頂きたい。

 2 具体的請願・分析事項

 2-1 この項は6月30日提出の請願でも触れたが、東京都教育委員会は恥ずかしげもなく、次の有害図書をHPにUPしてしまったので、再度請願する。
 都教委が6月11日(火)開催の教科用図書選定審議会(24年度第2回)で決定してしまった、25年度使用開始教科書の『調査研究資料』(以下、『都教委偏向調査研究資料』と略記)は、(これまで毎年)社会・道徳等の調査項目自体が偏向していると共に、児童生徒に役立たない政治色の濃い調査項目を設定している、有害図書だ。
 毎年・毎度お馴染みの、近年の『都教委偏向調査研究資料』の右に偏った調査項目は以下の通りなので、同有害図書は本市の教科書採択では一切参考にしないよう、お願いしたい。

〔1〕「自由・権利」という言葉を出されれば、大多数の人は主に、日本国憲法の「主権在民」や「思想・良心・信教・表現の自由」「奴隷的拘束・苦役からの自由」など、一人一人の基本的人権(天賦人権説に由来する)の尊重や、生存権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)等の内容を思い浮かべると思う。
 ところが、過去の『都教委偏向調査研究資料』は、各社の社会・公民分野教科書の、「自由・権利」の記述内容の"調査"なるもので、「(超危険な)集団的自衛権、交戦権」等の「権」の付く語を全て機械的に「自由・権利」に含め、権力者側の権力や権限行使に関する語句まで、全て載せている(掲載箇所数のカウントを機械的に掲載しており、一人一人の基本的人権を制限する文脈で"権利"を記述している育鵬社(以下、育鵬と略記)・自由社の掲載箇所数の数字を水増しするトリックになっている)。
 また"義務"の方では、育鵬・自由社独自の"国防の義務"なる、日本国憲法第9条と第18条「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」に違反する、あってはならない"義務"までカウントしている。
 このように『都教委偏向調査研究資料』は、①個人の「自由・権利」に関する語句と、②国家権力・公権力(政権)の権限・"権利"やその行使に関する語句等の両方を、一緒にまとめて掲載したり、憲法違反の"義務"まで載せている、非(反)学問的なものだ。

〔2〕神話上の物体である"神武天皇・天照大神"(もし本当に1代~10代くらいまでの"天皇"なるものが人間なら、150歳まで生きないと、計算が合わない)等を、『都教委偏向調査研究資料』は人物欄に載せる、という第2次世界大戦前(の『教育勅語下の"国定教科書"等)への回帰型の非科学的、かつ愚かな行為をしでかし続けている。
 また、都教委官僚好みの"国旗・国歌"等、政治色の濃い項目を設定し、各社教科書の記述、又は単語等をコピペする無意味な作業に、税金で給与を得ている(超ヒマな)都教委指導主事らの勤務時間を、浪費させている。

2-2 育鵬は「国際社会の中の日本」の節で、全2頁を使い"愛国心・君が代"等を強制。いきなり14行にわたり「国際社会で通用する国旗・国歌への敬意の表し方」と題し、次の通り強制している(以下、要約の傍線は本会)。

・公的行事等の国旗掲揚時、起立し国旗に対して姿勢を正し(脱帽・目礼)、敬意を表する。同時に国歌が斉唱される場合は、声を出して斉唱。
・掲揚時間は通常、日の出から日没まで。
・一般の家庭では国民の祝日などに国旗が掲げられ、喜びを表す。

 東京都教育委員会が数年前まで都立の中等教育学校等で一律に育鵬の採択を強行してきたのは、これらの記述が、都の公立小中高校等の卒業式等で、「壇上正面の国旗に向かっての君が代起立・斉唱」を強制している政策=10・23通達に酷似しているからだろう。

〔1〕憲法第19条~21条は「国家権力による、個々人の思想・信条・信教・表現の自由への介入」を禁じている。
 本会はリベラル派多数の政権に交代してもらい、「主権在民が大原則の憲法」に違反する"君が代"を廃止してくれれば(そもそも"国歌"なんて市民生活では不必要かつ有害。まして敬意強制なんてヒトラーみたいだ)、国旗は船舶や航空機で識別旗として(外交交渉等でも)使用する必要性はあると考えるが、敬意まで強制するのは間違っていると考える。
 よって、"君が代"や国旗への敬意表明を強制する育鵬の前記・記述は誤っている。

〔2〕数年前まで都立の中等教育学校等で、一律に育鵬の採択を強行してきた都教委の採択行為は、間違っている。

2-3 育鵬は、前記「国旗・国歌への敬意の表し方」の横に「オリンピック表彰式での国旗掲揚の様子」と題する写真を掲載。都教委が16年4月から6年間も都の全公立学校の小4~高3(初年度だけで約66万4千人)に配布した『五輪学習読本』も「表彰式等で国旗・国歌を使用」と明記。
 しかし国際オリンピック委員会(IOC)の五輪憲章は、「表彰式で掲揚・演奏するのは、各NOC(国際的な五輪活動の国内又は地域内組織)が採用し、IOC理事会の承認を得た旗・歌」と明記。台湾・香港等は"国旗・国歌"を使用していない。生徒にウソを教える点でも育鵬と都教委は同じだ。
 文科省・都教委と育鵬社"教科書"の執筆者や編集者(社員)らに、こういう五輪の表彰式についての真実・事実を教えてやる必要がある。

2-4 育鵬は、「国家と私たち」の項で、

――国家への帰属意識、国の名誉や存続、発展などのために行動しようと思う気持ちを愛国心といいます。この愛国心が多様な人々を1つの国民へとまとめる重要な役割を果たしています。(略)グローバル化の流れの中で、逆にそれぞれの国家の歴史や伝統文化を強く意識する動きも生まれています。国家としての一体感を守り育てることも大切であり、そのために国民が祖国を意識することが必要となるのです。――

 と、独自の国家観を押し付けている。
 だが、憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される」と定め、教育基本法も前文や第2条2号で「個人の尊厳」「個人の価値の尊重」を規定。「個人の人権が国家への帰属・一体感より優先する」と考える生徒たちにとって、育鵬の国家主義教化は耐えがたい。

2-5 育鵬はこの後、「国旗・国歌」の項で、

――それぞれの国の人々が、自国の国旗・国歌に愛着を持つのは当然のこと。国旗・国歌に敬意を払うことは、その国そのものに対して敬意を払うことになる(略)。日本では長年、日章旗(日の丸)を国旗、君が代を国歌とすることが、ならわしとして広く国民に浸透しており、99年にはそのことが国旗・国歌法として定められた。――

 と、執拗に繰り返す。
 更に「国歌『君が代』の意味」と題するコラムでも、

――国歌の斉唱(演奏)にあたって、政治信条などにかかわらず、起立して敬意を表すのが国際的な慣例になっている。国歌は、その国の歴史、建国や政治の在り方、文化の中で生まれたその国の人々の『心の歌』なのだ。――

 と、独自の主張を展開。
 だが23年春、京都市立小・中の卒業・入学式で、憲法第19条の思想・信条の自由に基づき同調圧力に屈しない信念を持つ、当時12歳の田花結希子アイリーンさんは、"君が代"不起立・不斉唱を実践した。「国旗・国歌に愛着を持て、敬意を払え」と強制する育鵬の記述は、人権尊重教育に反している。また、国会での国旗・国歌法の採決時の票や当時のマスコミ世論調査で、"君が代"は賛否が拮抗(きっこう)していた。だから「君が代は広く国民に浸透」という育鵬の記述は誤っている。
 更に21年5月3日の憲法記念日にちなみ、『朝日新聞』が行なった「(東京の)公立学校で君が代を起立・斉唱しなかった教員を教委が処分してよいという最高裁判決に納得できるか」の世論調査で、「納得できない=65%」が「できる=31%)を大きく上回った。都教委の出した"君が代"処分は特定の思想に基づく政治的な処分ゆえ、不当と考える人が多数なのだ(最高裁は減給超の処分は「都教委は違法」と判じたが、戒告は容認している)。

 


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