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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

”墨塗りの神話化”を否定する参考文献と論考<中間報告③④>

2020年11月13日 | こども危機
 ◆ <墨塗り・中間報告③>岩本努氏の論考です
   皆さま     高嶋伸欣です


 少し間が空いてしまいましたが、「墨塗り教科書」についての情報をあれこれ寄せて頂いていますので、順次お届けいたします。
 やはり、国民学校(国定教科書)だけでなく、旧制の中学校女学校の教科書も対象にされたようですが、検定制であったために該当する教科書を使用していたところに限定される事柄で、しかも学校によってかなり義務感にも差があった模様です。
 また、文部省からの指示は、国定教科書の場合も具体的に削除(切り取り・墨塗り)をしたのは、国語と算数に限られていた模様です。国史・地理・修身は遅れて授業停止の指示が出されていますが、それまでの間に各地の教育事務所や個々の学校で独自に判断して墨塗りをしたこともありそうです。
 そうして墨塗りされた国史や修身の教科書は、授業停止に合わせて回収が指示された時に、各地ではお寺やその他の場所に隠したりしたものがかなりあり、それらが現在では各地の郷土館や資料館、図書館の蔵書、展示品になったりもしているようです。
 また上記の国語・算数や国史・地理・修身以外の科目でも、墨塗り教科書が残っていて、それ等についての論文等も紹介されました。
 とりあえず、今回は文部省の指示で全国的に実施された国民学校の国語と算数についての1945年9月20日付け通知分と46年1月25日付け通知分との対比をしている岩本努氏の論考(『複刻 国定教科書(国民学校期)解説』1982年、ほるぷ出版に所収)をお届けいたします。(略)
 話がいよいよ複雑になってきましたが、当時の児童生徒が受けたショックの重大さが否定されるものではありませんので、今回の話題喚起の契機となった『世界日報』コラムによる、”墨塗りの神話化”は許さないという意味で、情報の共有を進めたいと思います。
 個人的には、文部省が「国体(天皇制)護持」に該当する内容のものは墨塗りの対象から外しただけでなく、それらを墨塗りしたものの代替に使用するよう指示していたことを知る機会になり、新たな関心の高揚を覚えています。
 以上 ご参考までに           転送・拡散は自由です


 ◆ <墨塗り・中間報告④>「英語教科書」も墨塗りされた件の論考 他
   皆さま     高嶋伸欣です


 「墨塗り教科書」の件については、多くの方から体験談や論考など様々な手がかり・資料等を紹介頂いています。ありがとうございます。
 なかなかすべてを各ML等に改めての紹介をしきれていませんこと、ご容赦下さい。少しずつでも参考文献等の資料を多く含んでいる論考を中心に紹介をするようにいたします。
 今回は、英語教科書も墨塗りの対象だったことを明らかにした論考(理科、音楽も対象だったとの指摘がされています)と、当時の文部省や地方の教育現場が右往左往していた様子を掘り下げた論考の2本をお届けいたします。(略)
 どちらも、三橋広夫氏からの提供です。

 取り急ぎ ご参考までに。        転送・拡散は自由です

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