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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ひのきみ全国ネットによる都教委への抗議・要請文

2016年04月07日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 東京都教育委員会教育長 中井敬三 様
2016年4月5日
許すな!「日の丸・君が代」強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊
全国ネットワーク★連絡先:「ひのきみ全国ネット」代表世話人・小野政美

 ★ 東京都教育委員会による東京都立高校教員3名への不当処分発令と東京都立高校教員2名への「服務事故再発防止研修」に抗議する。
   東京都立石神井特別支援学校教員・田中聡史さんへの卒業式「君が代」不起立処分発令中止を要請する。

 1.東京都立高校2校の卒業式で起立しなかった教員2名、式場に入場しなかった教員1名の懲戒処分(「戒告」)を撤回せよ。
 1.東京都立高校教員3名への不当処分発令と2名への「服務事故再発防止研修」に抗議する。
 1.東京都立石神井特別支援学校卒業式で「君が代」斉唱で起立しなかった教員、田中聡史さんに対する処分を行うな。
 本要請書に対する回答を、「ひのきみ全国ネットワーク」連絡先宛に求める。

 **********************************
 私たちは、本日、2016年4月5日(火曜日)に、東京都教育研修センターで、東京都教育委員会が行った「君が代」不起立など卒業式関係被処分者への「服務事故再発防止研修」に強く抗議するものである。
 去る3月24日、東京都教育委員会は、第5回定例会において、東京都立高校2校の卒業式で起立しなかった教員2名、式場に入場しなかった教員1名の懲戒処分(「戒告」)を決定し、3月25日には、東京都教育庁人事部職員課管理主事が2校に出向いて処分発令を強行した。
 また、東京都教委は、3月24日の東京都立石神井特別支援学校卒業式で起立しなかった教員、田中聡史さんに対する「事情聴取」を、3月25日、東京都庁において強行した。
 さらに、私たちは、東京都教委による卒業式「君が代」不起立への都立高校教員3名への不当処分に厳しく抗議するとともに、東京都教委が今週中にも行おうとしている東京都立石神井特別支援学校卒業式で起立しなかった教員、田中聡史さんに対する処分を行わないことを強く求めるものである。
 東京都教育委員会が教育に支配介入し、「子どもの最善の利益」を保障する教育を破壊し、都教委の政治介入「10.23通達」を発出し、「君が代」起立を拒否する教職員を処分すること、全教職員が起立する姿を見せることによって、子どもたちに「日の丸・君が代」の尊重を刷り込むことは、「個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求する人間の育成」を目的とする教育条理に反し到底許されるものではない。
 東京都教委による教育支配介入、「君が代」不起立による処分が国際社会に通用するものではないことは自明の理である。
 2014年7月24日に発表された国連・自由権規約委員会の「総括所見」においては、「日の丸・君が代」に関して、以下のように表明されていることも確認されなければならない。
 ★「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
22 本委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約(arts.2,18and19)の下で許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。
 本委員会は、以前の最終所見(CCPR/CIJPNICO/5,para.10)を想起し、第18、19条の第3項における厳しい条件を満たさない限り、思想、良心、宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも押し付けることを差し控えるように締約国に要求する。
 ★ Restriction of fundamental freedoms on grounds of "public welfare"
22. The Committee reiterates its concern that the concept of "public welfare" is vague and open-ended and may permit restrictions exceeding those permissible under the Covenant (arts. 2, 18 and 19).
 The Committee recalls its previous concluding observations (CCPR/C/JPN/CO/5, para. 10) and urges the State party to refrain from imposing any restriction on the rights to freedom of thought, conscience and religion or freedom of expression unless they fulfil the strict conditions set out in paragraph 3 of articles 18 and 19.
 この見解は、委員会が19条だけでなく、19条にも言及した背景に、学校における「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱に抵抗した教員に対する懲戒処分が、思想、良心、宗教の自由を侵害するものであるという主張について考慮された見解である。
 国連・自由権規約18条第3項に該当しない「思想・良心・宗教の自由」に対する制約は、国際規約上許されるものではないので、「10.23通達」及び、「10.23通達」に基づく職務命令は、国際条約違反であり、職務命令違反の処分は全て無効である。
 さらに、私たちは、4月5日(火曜日)に行った「君が代」不起立など卒業式関係被処分者への「服務事故再発防止研修」に強く抗議する。東京都教育委員会が行う被処分者に対する「服務事故再発防止研修」は、私たちが再三指摘しているように、日本国憲法で保障された「思想・信条・良心の自由」違反、自由権の国際基準違反であり、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることになる「思想転向研修」とも言える「研修」である。
 私たちは、「君が代」不起立被処分者に対するすべての「服務事故再発防止研修」の中止を強く求めるものである。
 なお、再発防止研修に関しては、2004年7月、不起立・不伴奏者対象に初めて再発防止研修が行われる直前の執行停止申立に対して東京地裁・須藤裁判官は、2004年7月23日、本件研修が未実施であることから現段階では却下と決定したものの、実際に実施される研修が「例えば、研修の意義、目的、内容等を理解しつつ、自己の思想、信条に反すると表明する者に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性があるといわなければならない」として、やり方によっては「違憲・違法」の問題が生ずることを指摘していたことを改めて確認しなければならない。
 私たちは、東京都教育委員会による「日の丸・君が代」強制、「日の丸・君が代」不起立処分、そして「日の丸・君が代」不服従被処分者への転向強制研修の3点をセットにした東京都教育委員会による権力的行為が、学校現場で、子どもたちや教職員の人間の尊厳を奪い、「思想・信条・良心・教育の自由」を全面的に破壊していることに対し断固抗議する。
 私たちは、「都教委という行政権力の命令・行為にひとりの不服従者も許さない」、そして、「もの言わぬ教員」づくりという暴挙が、2016年3月28日の安保法制の施行により「新たなる戦前」に向かう日本の「軍国主義教育」の新たなる始まりと密接に繋がっていることも重視している。
 東京都教育委員会は、安倍政権による集団的自衛権行使容認と安保法制施行を前提に、戦争準備体制の強化と軍国主義教育の開始とが密接に結びついた事実を積み重ねているのである。
 日本の戦前の教育は国家が教育を全面支配し、学校は「教育勅語」に基づく教育によって、忠君愛国の精神で天皇のために命を捧げる「少国民」を育成する場として、子どもたちと人々を侵略戦争に動員する上で決定的な役割を果たしたことを、歴史的事実としてだけでなく、現在の話として想起しなければならない。
 「教室から、学校から戦争は始まる」。
 東京都教育委員会による「10.23通達」から13年が過ぎた現在、2016年3,月25日の東京都教育委員会による不当処分により、卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の2003年「10。23通達」による処分者数は、延べ477(田中さんが処分されれば478名)名となる。
 東京都教委の「君が代」強制に対し、処分をされ不利益を受けようとも、どのような処分や脅しを以ってしても、「君が代」不起立者はこれからも絶えることはないであろう。
 それは、「君が代」不起立が、間違った職務命令には従ってはならないという、子どもたちへの直接に教育責任を負う教員としての良心からの行動であり、東京都教委による憲法違反の「君が代」強制に対する「思想・信条・良心・教育の自由」に基づく正当な権利行使としての「君が代」不起立だからである。
 私たち、<許すな!「日の丸・君が代」強制、止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊全国ネットワーク>は、全国各地の現職教員や退職教員、保護者、市民、労働者とともに、今回の都教委の不当処分を撤回させるまで、全国各地で抗議の意思を表明していく。
 私たちは、日本国憲法で保障された内心の自由・良心の自由・思想の自由・表現の自由を侵害し、自分で考えずに指示に従う子どもや教職員にすることに繋がる「君が代」処分と「服務事故再発防止研修」中止を強く求めていく運動を進める。
 さらに、今後、東京都教育委員会が「君が代」不起立被処分者への不当な「センター研修」・「訪問研修」という名の「思想転向研修」を止める日まで、東京都民・全国の教員・保護者・市民とともに、「センター研修」・「訪問研修」の中止を求め、徹底して抗議行動を行っていくものである。
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