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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

レッドパージ 救済を求める闘い全国で再燃

2010年07月28日 | 平和憲法
 レッドパージで失職 救済を求める闘い全国で再燃
 ▼ 60年前の汚名 そそぎたい


 一九五〇年前後、連合国軍総司令部(GHQ)の指示などにより共産党員らが失職したレッドパージ。その当事者たちによる名誉回復や補償を求める動きが再燃し、神戸地裁で係争中の唯一の国家賠償訴訟も注目を集めている。彼らは「六十年前の汚名をそそぎたい」と最後の闘いに挑む。(京都支局・芦原千晶)
 ▼ 80歳~90歳代「最後の機会」
 「レッドパージの人権救済の申し立て、京都でも年内にする方向で検討していきましょう」。猛暑の京都市内で二十日、白髪の男性ら八人が感慨深げにうなずいた。
 この会合を呼びかけてきた元教員の関谷健さん(八六)は四九年、京都市内の高校で授業中に解雇された。「アカというだけで、訳がわからんまま首を切られた」。
 ようやく先月、京都の関係者では初めての会合がもたれ、同様に苦難を背負ってきた企業の元労働者、元女優といった当事者十四人らが半生を共有した。
 レッドパージで職を失った人々は全国で二万人以上とされている。五〇年代までは多くの訴訟が起こされたが、一部の和解を除いて大半は敗訴。その後、歴史に埋もれていったが、半世紀後の二〇〇〇年、再び各地で会合が持たれるなど全国的なうねりが生まれ、「レッド・パージ反対全国連絡センター」(東京都北区)も設けられた。
 その後、同センター代表委員で神戸市在住の大橋豊さん(八〇)ら三人が〇四年、レッドパージの人権救済を*日本弁護士連合会に訴え、同会は○八年に「特定の思想・信条を理由とする差別的取り扱い」と判断し、国や企業に早期の名誉回復や補償などを勧告。東京や熊本など十四都道県の計九十人が同様の救済を申し立て、今年二月に横浜弁護士会が神奈川県内の十八人に勧告を出した。
 ▼ 楽観できない 国家賠償訴訟
 さらに大橋さんらは「レッドパージはGHQの指示に加え、国も積極的に関与した。サンフランシスコ講和条約の発効後は憲法の理念に基づいて被害回復ができたはずだ」と主張。
 昨年三月、神戸地裁に国家賠償訴訟を提訴した。今月十六日の口頭弁論では、専門の研究者が十一月に証人出廷することが決まった。
 ただ、司法判断の行方は楽観はできない。国側は「GHQの指示は超憲法的効力があり、解雇・免職は適法」とした最高裁判例(六○年)などを根拠として、請求の棄却を求めている。
 当事者たちはすでに八十代から九十代。最近でも体調を崩し、亡くなった人もいる。それでも「これが最後の機会」と決意し、名誉回復の闘いに期待を寄せる。
 元郵政職員でレッドパージに遭い、解雇の翌朝に出勤して不法侵入で逮捕された体験を持つ清水千鶴さん(八六)=京都市在住=はこう思いを語る。
 「パージのことは母にも言えませんでした。長い間、若い日の傷として誰にも知られず死んでいくのかと無念に思っていた。救済の申し立てや裁判闘争と命ある限りどんな運動にも参加したい」
 ※レッドパージ
 共産党員や同調者を官公庁や民間の重要産業の職場から一方的に解雇、追放した措置。海外でも実施されたが、イタリアや米国などでは後に救済措置が取られた。

 『東京新聞』(2010/7/23【ニュースの追跡】)

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