◎ 学校長をはじめ大阪市立学校にかかわるすべてのみなさまへのお願い
~卒業式・入学式の「君が代」指導にかかわって~
~卒業式・入学式の「君が代」指導にかかわって~
2018年2月 Democracy for Teachers and Children
~「君が代」処分撤回!松田さんとともに ~(略称 D-TaC)
~「君が代」処分撤回!松田さんとともに ~(略称 D-TaC)
私たちは、多くの大阪市立学校で、教育長指示に基づいて行われている卒業式・入学式の「君が代」起立・斉唱指導のあり方を問題として、大阪市教委や学校に要請活動を行っている市民団体です。
今年度の卒業式に向けても、大阪市教育長に対する「要請と質問」を提出し、2月16日に大阪市教育委員会との協議を行いました。(「協議」報告参照。大阪市教育委員会ホームページへの議事録[要旨]掲載は2~3か月後になります。)
大阪市教育委員会は、これまでの私たちとの協議において、
『「君が代」斉唱は児童・生徒にとって「思想・良心の自由」に関わる問題と認識』
『児童・生徒の大多数が、歌詞の意味を知らない場合は、問題』
『「君が代」の歴史・歌詞の意味の変遷を伝えることは必要』
と私たちの要請内容についてかなりの部分を認めつつ、学校現場への指示においては、学習指導要領の規定を根拠に「国旗・国歌尊重の気持ちを育てる」ことだけを強調して、児童・生徒への強制となる指示内容を改めていません。(2018年2月8日付教育長通知)しかしながら、この「君が代」起立・斉唱強制は、教育のあり方を根本的にゆがめ、児童・生徒の人権を侵害するものであり、放置できません。
今回の私たちの要請とそれへの回答、回答にかかわる協議(2018.2.16)の過程で、大阪市教委とは、
【学習指導要領をふまえて、各学校が『「君が代」にかかわる歴史的事実を正しく伝え、どう考えるかは児童・生徒一人ひとりであるとする立場での指導内容に転換すること。児童・生徒に「君が代」起立・斉唱が強制でないことを伝えること。』は問題ない】
と確認しています。
また、【子どもの権利条約に「自分に関係することについて正確で十分な情報を受け取り、意見を表明する権利」が規定されていることからも、「君が代」にかかわる歴史的事実を正しく伝えることが必要である】と確認しています。
以上を踏まえて、「君が代」指導について、以下、二点のお願いの実現にぜひともご尽力をお願いします。
【お願いしたいこと】
1.「君が代」の歴史と歌詞の意味について、児童・生徒に、戦前の歴史についてもふれて正しく説明してください。【お願いについての補足】
2.「君が代」斉唱が「思想・良心・信教の自由」にかかわる問題であるため、児童・生徒に「起立・斉唱」を強制するものではないという説明をしてください。
森友学園が設立しようとした「瑞穂の國記念小學院」が政治問題化し、その小学校が根本に置こうとした「教育勅語」に注目が集まりました。
「教育勅語」は、1890年10月30日に出されて以降、戦前教育の根本とされたものでした。「教育勅語」の教材利用を是とする閣議決定をめぐって、教育史学会理事会が、2017年5月8日に『「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用に関する声明』を出しています。
その中では、戦前の教育について、「教育勅語」と「日の丸」「君が代」によって、「お国(天皇)のために命をささげる」ことをいとわない愛国心を育てることが強く求められ、実施されたことが述べられています。「君が代」斉唱指導にあたっては、この歴史的事実を避けるわけにはいきません。歴史の教訓を踏まえた「指導」のありかたが考えられなければなりません。
※教育史学会理事会『「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)の教材使用に関する声明』(2017年5月8日)
http://kyouikushigakkai.jp/info/2017/0508115621
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