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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

カネミ油症被害者支援センター主催の「五十周年記念集会」

2018年12月05日 | 平和憲法
 ◆ あとは野となれ (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 恥ずかしいことだが「カネミ油症」事件は終わったとばかり思っていた。黒い赤ちゃんが生まれた、体じゅうに吹き出物ができたなどと騒がれたのは、五十年も昔だ。
 チッソの水俣病、三井金属のイタイイタイ病と並び、北九州市のカネミ倉庫が製造販売した「ライスオイル」の「食品公害」が報道されたのは一九六八年。
 食用油の製造工程で猛毒のポリ塩化ビフェニール(PCB)やダイオキシン類が混入し、被害を届けた人だけで一万四千人以上に及ぶ。そのころ、北九州の公害の取材に行っていたので、小倉市(当時)にある工場は見に行ったが、取材はしていない。
 それでも、PCBを生産した「カネカ」のある兵庫県高砂市で、十二月一日にひらかれた、カネミ油症被害者支援センター主催の「五十周年記念集会」に行ったのは、人体や環境に蓄積された有毒物に関心があったからだ。
 高砂市の工業港の脇にアスファルトで固められた小高い丘がある。海底の汚泥を浚渫(しゅんせつ)、PCBを固化、処理した山だそうだ。
 輸入、生産した五万九千トンの十分の一も回収されていない
 本人、二世、三世被害認定や救済もすすんでいない

 会社のもうけがすべてに優先され、人体と環境に与える害悪は無視される。
 原発の危険性と解決不能な未来の後始末を思って、小山の前でわたしは暗澹(あんたん)としていた。
『東京新聞』(2018年8月21日【本音のコラム】)

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