《大阪ネットニュースから①》
◆ 今年の卒業式・入学式
「日の丸・君が代」強制反対ビラを50校近くの学校で配付
大阪ネット事務局長 山田光一
◆ 1万2千枚のビラを配布ー1部の学校では配布規制の事例も
今年も府立高校中心に、多くの市民のご協力のもとに、府立高校37校(のべ43校)、枚方市中学2校(のべ4校)で、計1万2千枚の当日のビラ配布活動を行いました。
ここ10年間での活動の中で、多くの学校ではトラブルなく実施されてきています。(例えば、4年前には豊中高校の校長が「ビラ配布には警察の許可が必要」との文書を示し、警官を呼んでの配布規制・監視。その後の校長・府教委・警察への申し入れや公安委員会への苦情申し立てなどの中で、今年は何らの規制もなく実施)
しかし一部の学校では、教員が「校門前ではやめてほしい」と言って来たり、生徒にも「受け取らなくていい」と呼びかけるなどの事例がありました。中には、昨年、配布妨害があった学校で、警官と職員が配布前から30分ほど見張るという行為もありました。
配布者の人数が限られているので、「公道での表現の自由は権利」と主張するとともに、その場でのトラブルにはならないように配慮は行っていますが、今後も対府教委も含めて学校でこそ基本的人権を守るべきとの抗議・申し入れを継続して行う必要があると考えます。
◆ 維新等の府議の圧力による「日の丸」掲揚・降納の厳格化の動き
昨年、府教委は府立学校に、条例に従って業務時間内に「日の丸」掲揚を厳格に行うように通達を出しています。
これは以前より府議会で維新議員らが掲揚チェックを行い、「日の丸」が掲揚されっぱなしであるとして質問し、教育長に約束させたことの結果です。
あわせて掲揚台がきちんとあるのかどうか、ないなら予算も出すとの調査もしています。
そのために教職員に掲揚・降納の役割を分担する等の動きがあり、相談も寄せられています。
そうした行為を教職員に強制することは思想良心の自由を侵すことになることを主張するとともに、たとえ府教委が職務だとするとしても、勤務時間外なら労働基準法違反等の労働者の権利の問題としても、各現場での状況を把握のうえに今後に検討していきたいと思います。
◆ 引き続き、思想良心の自由・表現の自由の行使としてのビラ配布等へのご協力を
また京都においても、小学生・保護者に「不起立」はやめてほしいとの学校側からの長時間にわたる「説得」があったなどの相談もあり、結果的には学校・市教委も強制はできないとの対応となりました。
しかし東京・大阪以外でも表立っての処分等の強制ではないものの、保護者・教職員への実質的な強制の一端があらわになったものととらえられます。
そうした状況であるからこそ、今後もビラ配布や強制反対の発信をより多くの市民のご協力で継続していきたいと思います。
3月18日にはZAZAのメンバーでもある山田肇さんを偲ぶ会がもたれました。処分撤回の人事委・裁判闘争の先頭に立たれ、人事委での処分取り消しを勝ち取られるとともに、北摂での卒・入学式でのビラ配布の中心でした。その遺志を継いでいくことを改めて誓うものです。
『大阪ネットワークニュース 第28号』(2023年5月13日)
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