◆ 東京君が代裁判5次訴訟提訴にあたって (『リベルテ』より)
弁護士 雪竹奈緒
私は神奈川の県立高校出身ですが、この裁判が始まったころは都立高校というのは身近な存在ではなく、皆さんが語る「教育実践」や「創意工夫」といったものも、あまり実感をもって捉えられませんでした。
しかし今や私も2児の母となり、「学校」に保護者の立場から関わることに。しかも、長男は自閉症スペクトラムで都立特別支援学校に入学し(現在小3)、「都立学校」「障害児学校」という、これまで原告の皆さんの陳述書、尋問でしか知らなかった現場にお世話になることになりました。
障害児学校等で行われていた「創意工夫」とはこういうことだったのかと、遅ればせながら都教委の画一的な命令の酷さを実感しました。
2年前に入学式も体験しましたが、あの異常ともいえる雰囲気の中で、不起立(実際には「着席」)という行為を選択できる原告の皆さんの強い思いと勇気に敬意を表します。
子どもたちの未来のためにも、絶対に諦めてはいけない裁判だと、心を新たにしました。
話は変わりますが、先日、事務所で第5次提訴のことを話したら、所内の勉強会で発表してくれ、と依頼されました。いや今さら、みんなこの事件のことは知ってるでしょ、と言ったら「いや今の若手は憲法の教科書に載っているのを見たくらいですよ」と。
確かに最高裁判決からすら10年経ち、もうこの事件は弁護士業界でも、例えば我々が書面で引用する「旭川学テ事件」のような「過去の歴史的な事件」という扱いになってしまっているわけです。
もちろん弁護士としては最高裁判決を勉強するのも重要なのですが、人権問題に取り組む弁護士としては、それぞれの判決の裏に当事者のどんな思いがあるのかを知ってほしいと思い、勉強会では、判決の理屈はそっちのけで、10・23通達発出当時の異常な状況や、なぜ原告が起立できないのかを熱く語り、「我々は最高裁判決を変更させるつもりで闘っているし、まだ終わった事件ではないんです!」と話しました。
というわけで、これからも原告の皆さんと一緒に最後まで闘い抜く所存ですので、宜しくお願いします!
東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース『リベルテ 第62号』(2021年4月30日)
弁護士 雪竹奈緒
私は神奈川の県立高校出身ですが、この裁判が始まったころは都立高校というのは身近な存在ではなく、皆さんが語る「教育実践」や「創意工夫」といったものも、あまり実感をもって捉えられませんでした。
しかし今や私も2児の母となり、「学校」に保護者の立場から関わることに。しかも、長男は自閉症スペクトラムで都立特別支援学校に入学し(現在小3)、「都立学校」「障害児学校」という、これまで原告の皆さんの陳述書、尋問でしか知らなかった現場にお世話になることになりました。
障害児学校等で行われていた「創意工夫」とはこういうことだったのかと、遅ればせながら都教委の画一的な命令の酷さを実感しました。
2年前に入学式も体験しましたが、あの異常ともいえる雰囲気の中で、不起立(実際には「着席」)という行為を選択できる原告の皆さんの強い思いと勇気に敬意を表します。
子どもたちの未来のためにも、絶対に諦めてはいけない裁判だと、心を新たにしました。
話は変わりますが、先日、事務所で第5次提訴のことを話したら、所内の勉強会で発表してくれ、と依頼されました。いや今さら、みんなこの事件のことは知ってるでしょ、と言ったら「いや今の若手は憲法の教科書に載っているのを見たくらいですよ」と。
確かに最高裁判決からすら10年経ち、もうこの事件は弁護士業界でも、例えば我々が書面で引用する「旭川学テ事件」のような「過去の歴史的な事件」という扱いになってしまっているわけです。
もちろん弁護士としては最高裁判決を勉強するのも重要なのですが、人権問題に取り組む弁護士としては、それぞれの判決の裏に当事者のどんな思いがあるのかを知ってほしいと思い、勉強会では、判決の理屈はそっちのけで、10・23通達発出当時の異常な状況や、なぜ原告が起立できないのかを熱く語り、「我々は最高裁判決を変更させるつもりで闘っているし、まだ終わった事件ではないんです!」と話しました。
というわけで、これからも原告の皆さんと一緒に最後まで闘い抜く所存ですので、宜しくお願いします!
東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース『リベルテ 第62号』(2021年4月30日)
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